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ブラック職場のANAが就職人気一位になる構造
01/21 2010
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 ANAが就職人気ランキングで1位だという。かわいそうに。マスコミにだまされて何にも知らないんだ。

 地上職の使い捨て化の話を取材し、三洋電機に続いて、久しぶりにANAをワースト認定した。

 マスコミは不況で、安定大口顧客であるANAの広告がどうしても欲しいから、CMでよいイメージだけ流して、ANAにとって都合が悪いことは一切報道しない(JALについてさえパイロットのおかしな年収を全く報じない)。学生はメディアリテラシーゼロだから、いい会社かも!と洗脳され、ブラック職場に自ら突撃していく。

 地上職狙い撃ちで、もともと高くない年収を25%もカットして230万円のワーキングプアにしてしまうとは、何ともえげつない会社だ。しかも子会社の社員は同じ仕事なのに手取り10万切るというからひどい。ある総合職は「生かさず、殺さず」で使い倒されるデスマーチ職場だと表現する。

 確かにそれが人材の市場価値なのだ、という判断はアリだが、高橋俊介氏がいろんな本で毎回のように書いているように、米国のサウスウエスト航空は顧客接点を最重視し、顧客サービスや接客で差別化し、それを競争力の源泉にしているという。もちろんCAやGH(地上職)が非正規社員というのはありえない。

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一般従業員の799万は一見普通だが、これは地上職が混じっているから。総合職だけに限定するとはるかに高く、福利厚生分を入れれば軽く1千万円超。規制産業である以上、政府が監視すべき。

 

 規制ガチガチでなければ、そういった顧客サービス重視の会社が新規参入してくるから、ANAのような接客の最前線をワーキングプアで固めて、こき使って使い捨てて、顧客に会わない総合職やパイロットが見えないところでふんぞり返って高給とってるような会社は、自然と適正な規模に淘汰されてゆくから問題ない。

 だが、日本のようにオープンスカイせず、規制産業であることを悪用して、パイロットと総合職が自らの「年功序列高賃金既得権」を保持するために弱者から搾取している、というのが間違いのない現状の姿だ。だから、えげつない。これがまともな人間のやることかね。亀井大臣の「鶴亀戦争」を思い出したよ。

運輸大臣当時の1994年に、日本航空が計画していた客室乗務員の契約制客室乗務員としての採用に対して、「乗客の安全を守るべき客室乗務員に極端に異なる2つの雇用体系が存在すると、士気の低下に繋がり安全上好ましくない」と格差解消や安全面から強硬に反対し白紙撤回を迫った。

運輸大臣としての立場から、格差解消や安全面の観点で行った発言であるにもかかわらず、「許認可権を盾にとった上、規制緩和に逆行する」として一部の反自民党のマスコミからの反発を受けた上、日本航空のシンボルマークである鶴との対比から「鶴亀戦争」などと呼ばれた。
(Wikiより)


 全体をゼロベースで見直すのなら賛成なのだが、身分の低い弱者から切り捨てる。ANAのパイロットも「同じ労組の身内を切ってるんだから」とあきれていた。

 そのパイロット自身も、地上職の10倍、平均2100万円の年収で、これは国際的に見て明らかに高すぎるのに、そのまま。この会社の賃金には、何の正義もない。


 会社側の言い分としては、「業務の選択と集中」の結果だ。非コア業務とみなした部門や職種を本体から切り離して、低賃金化することによって、総人件費を下げる。それ自体は間違っていない。グローバル化のなかで、その流れは止まりようもない。

 「職種のデパート」と呼ばれる新聞社が製作部門(=印刷所)や出版部門を切り離してきたのも同じだ。既存社員が守られすぎて、世代が変わるスピードより速く変化できない、という問題はあるが。

 朝日新聞社の出版部門は、2008年4月に分社化されて、「朝日新聞出版」として再スタートを切った。新社が採用する社員は、朝日本体に比べて生涯年収を半分にされたが、社員の8割は本体からの出向。

 同様に、日経新聞も2007年1月、出版局を分社化して「日本経済新聞出版社」を立ち上げた。やってることは朝日と同じ。

 読者のかたは、同一労働同一賃金にすべきだとか均等待遇でないのはおかしい、みたいにエラそうに書いている記事を読んだら「オマエら、言う資格ないだろ。社内を見てからモノを言えよ」と編集部にクレームの電話を入れてやって欲しい。


 コア業務を外部に丸投げすると、競争力を失う。その例が出版社で、週刊現代や週刊ポストは、取材記者というコア業務を自社の正社員がやらず、下請けのライターや非正規の契約記者に丸投げしているので、肝心の記事がつまらない。部数がどんどん減っている。

 航空業界においては、GHやCAの接客サービスがコア業務の1つであることは疑いがないだろう。ANAもJALも、やってることがアベコベだ。総合職を非正規化して、全員を1年契約のプロフェッショナル契約社員にすれば、もっと真面目に働くようになり、高収益企業になれるかもしれない。正義の味方・亀井先生にもう一回出てきてもらって、かき混ぜて貰うしかないか。

08:49 01/21 2010 | 固定リンク |アクセス数(431)

コメント
kenken (00:49 01/22 2010)

今どきドメスティックのインフラ系に行きたがる人間なんて、
よほどのアホか就活の売れ残り人間くらいです。
そこそこのブランドの大学出のくせに、自分に能力が無いのを棚に上げて正社員の総合職として、既得権益化していくのかと考えると、吐き気がします。
そういう人間の集まりであるJALを果たして税金で1000億円以上負担してまで救う必要性は全く無いですよね。
生き残るとすれば、JALのブランドは一応海外でも知れ渡っているので、富裕層向けの高級化路線しか無い筈。



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渡邉正裕(WATANABE Masahiro)
(株)MyNewsJapan代表取締役社長/編集長/ジャーナリスト。ほぼすべての主要企業内ホワイトカラーに情報源を持つ。現役社員への取材に基づき企業の働く環境を一定基準で評価する「企業ミシュラン」を主宰。日経新聞記者、IBMのコンサルタントを経てインターネット新聞を創業、3年目に単年度黒字化。
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