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12/31 2008
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希望退職者の結果(レナウン)
 

 

 レナウンの希望退職募集は300人の枠に286人と発表された。特別加算金は約13億円だというから、1人あたりわずか455万円に過ぎない。アパレルは報酬水準の低い業界で、レナウンは平均年収565万円(42歳、2008年2月時点)。対象はおそらく50歳前後が中心だから、まあ基本給40万円ほどとして、12~15ヶ月分くらいが割増ということになる。これは、全く少ないほうだ。

 →レナウンの希望退職

 株主・経営側からすると、単体の従業員891人なのに、286人も削減できるというのはすばらしい。その他に嘱託93人もばっさり斬るという。来月末には皆さん、退職だそうだ。

 驚くべきは、社員約900人の会社で400人もいきなりいなくなっても業務が回ってしまうということだ。いかに不要な人材が社内にウヨウヨしていたか、膿が溜まっていたかを物語る。

 業績が少し良かった頃は、どんなに余剰人員がいることが分かっていても日本の判例法理では削減できないから、2008年2月期に80億円の純損失になって、これでリストラができる環境が整ったということだろう。ここ数ヶ月は、あらゆる海外通貨に対する急激な円高で、基本的に輸入モノが多いアパレル業界などはボロ儲けのはずなのだが、貴重なリストラのチャンスを逃すわけにはいかない、ということか。

 日本企業は、大企業ほど、膿がたまっている。この不況は、まさに膿を吐き出し、再生につなげるチャンスだ。なのに、リストラに名乗りを上げるのは、日本IBMやソニーといった、既に過去のリストラで膿が少なくなっている会社ばかり。膿まみれ、メタボ体質のトヨタやホンダなどは、まだ我慢している。これは企業の健康によろしくない。


 最近、ファイザーのリストラについて書いたが、入社2年目から60歳まで応募可能で、最大72ヶ月という手厚い割増金がつくものだった。受付の電話はパンクし、15分で〆切ったという。

ファイザーのリストラ

 ファイザーの場合、全世界で1割削減の方針から降りてきたものだが、外資の日本法人は、日本の実情など何も知らない海外の本社から、トップダウンで「ヘッドカウントを減らせ」という命令を受けるのが普通だ。なぜか頭数を減らすことが至上命題なので、サンのように、新卒社員に年収2年分を与えて辞めさせるという、訳の分からないことも平気でやってしまう。

サンマイクロシステムズのリストラ

 日本では若手の正社員は人材価値が高い(安い給与で給与以上に働く、非正規はスキルアップしていないから採用対象にならない)のだが、海外の本社はそんなことは何も知らない。そして、日本の雇われ社長は、所詮は子会社のトップなので、素直にやらないと自分がリストラされてしまう境遇にある。

 ファイザーの割増退職金は、最大60ヶ月の割増金を出したソニーや、それと同等と言われる松下と同じクラスで、「人に優しい」会社といえる。もはや国内系か外資かは関係がなくなった。


 リストラについていえば、資本の内容よりも、むしろ、企業カルチャーやその時々の財務内容が影響すると見てよいだろう。

 たとえば日本IBMは、かつて(90年代)、ガースナーが世界的に4割の社員を減らした際に、日本で行われた最初のリストラは、非常に条件が良かった。私が営業マンから聞いた話では、30歳でも1千万円ほどを貰い、喜んで転職していった人が続出したという。より年齢が高ければ、さらに良い条件だったはずだ。

 だが、リストラを繰り返すうちに、もはやその体力はなくなり、10年で渋~い会社になった。「1000人リストラ」が進行中の現在、割増退職金はせいぜい14ヶ月などで、50歳でも1千万円前後にしかならない(ファイザーは35歳でも1500万ほどになる)。これは企業カルチャーの変節と財務内容の悪化という、双方が影響している。

 企業カルチャーが正体を現したのが、三洋電機と富士通だ。両社は、割増退職金を払いたくないことが見え見えの、嫌がらせで依願退職に追い込むひどいリストラを断行した。

→タコ部屋方式の富士通

→ヤクザ研修方式の三洋電機

 リストラのやり方を見ると、会社の体質が良く分かるので絶好のチャンスである。


 連合は「雇用維持」をバカの1つ覚えのように言った上に春闘で賃上げ要求(ベア)を求めるというKYぶりで「80年代かよ」とツッコミたくなる利権体質だ。

 雇用を守ることが優しい会社であるかのようなマスコミ報道も目立つ。不況で仕事が減っているのに、デキない中高年に無理やり仕事を作ってあげて雇用を維持することが「本当の優しさ」である訳がないだろう。

 そんなことをしたら、社内の空気は淀み、若手はポストにありつけずにキャリアアップのチャンスを失い、会社全体のモチベーションが下がり、業績は高コスト体質のまま悪化、会社ごと沈没して全員解雇だ。「会社の泥舟化」である。

 実際、2000年初頭に日本で初めてワークシェアリングを導入しようとした三洋電機は、結局、本格的に実施することもなく、さらに成果主義による抜擢制度も大失敗に終わり、京セラや松下に分割、売却された。悪平等主義が社員のモチベーションを下げていたことは否めない。

→幹部候補生制度が破たん

 つまり、日本には「同一賃金同一労働」の法体系がないため、1社だけがワークシェアをやっても、正社員全員の1人あたり取り分(給与)が下がるだけなので、モチベーションが下がり、有能な人材が国内の他社に流出する。

 非正規雇用者も含めた、「企業内同一賃金同一労働」を国全体で法制化し(重い罰則付き)、正社員全体の報酬水準を下げ、かつ、同時に解雇規制と給与カット規制を緩和するしかないのだ。それが労働市場の最適化であり、労働生産性の維持向上につながる。

 その場合、現在、普通以上に成果をあげている正社員の給与が下がることはない。現在の非正規の人に回る原資となる資金は、貰いすぎの中高年から捻出されるためである。したがって企業の生産性や国際競争力が落ちることはなく、国全体が「泥舟化」することもない。

 現在の連合や社民が言っていること(=非正規を正社員にしろ、正社員の雇用は守り賃金も上げろ…)を実行してしまうと、国ごと「泥舟化」してしまうのだが、あの人たちは、それが全く分かっていないのがイタい。経営と労働、双方の現場が見えていない。

 私は産業記者、経営コンサル、企業ミシュランの取材で、両方の現場を見てきたが、あの不毛な論議はそろそろやめて、国の競争力とフェアな労働市場を両立させる道を考えたらどうか。

 しばらくの間、厳しい経済環境のなかで少々の膿は出されていくだろう。だが残念ながら、2009年も、延々とこのままの膠着状態が続きそうである。

→参考:→雇用が安定している会社、えげつないリストラを平気でやる会社

 
18:09 12/31 2008 | 固定リンク | コメント(0) | アクセス数(995)


12/27 2008
話題になっている『金スマ』。無視できない証拠映像だと思う。いつ放送の映像なのだろうか。

いずれにせよ、人生において、ある程度の節目のスケジュールは決まっていて、なかなか自力では動かせないのだな、と思わせるものである。寿命も、かなりの程度は決まってしまっていて、避けられないものなのではないか。

飯島氏の場合も、そういう宿命だった、ということではないか。それが、みえる人にはみえてしまう。それが何によるものなのかはよく分からないが、そういう「超能力」的なものを持っている人が存在している、ということは、私も取材で実感している。

第2の江原を探せ!(amazon.co.jp)

それにしても、30代で普通に亡くなるものだ。アンディフグとか、本田美奈子とか。自分の努力とか健康管理とかとは関係がない、どうしようもない世界があるということ。だから、サラリーマンみたいな、がんじがらめの「他人の人生」を生きてる余裕なんかないはずで、「自分自身の人生」を生きないといけない。

 
23:47 12/27 2008 | 固定リンク | コメント(1) | アクセス数(802)


12/05 2008
 時事通信によれば、高木氏は相変わらず自分の責任を棚に上げて労働者の味方を気取っている。
内定取り消し企業公表を=首相に雇用対策要請-連合会長
   麻生太郎首相は4日午後、首相官邸で連合の高木剛会長と会談した。高木会長は景気後退に伴う厳しい雇用情勢を踏まえ、「雇用対策に万全を期してほしい」と要請。新卒者らの内定取り消しで悪質な企業は公表すべきだとの見解を示した。
 これに対し、首相は「できるだけ知恵を絞りたい」と述べ、近く打ち出す新たな雇用対策で全力を挙げる考えを強調。内定取り消しは「もってのほかだ」と述べた。

 企業は景気が悪くなると、バイトを切り、派遣社員を切り、契約社員(期間工)を切り、そして新卒内定者を切り、翌年の新卒採用予定を凍結する。順番としては、内定者を切るのは最後のほうだ。それほど余裕がないということである。

 高木氏の言うとおりに内定取り消しは悪質だから、と内定を復活させたら、そのしわ寄せは、間違いなく未来の非正規社員にくる。少し業績が回復しても、人員余剰感があるから、非正規は当分、採用しない。正規と非正規は、常にトレードオフの関係にある。

 内定取り消しを悪質だというなら、それ以上に悪質なのが、高木会長が手掛けてきた正社員の過保護だ。仕事をしない正社員の給与を少し減らせれば、非正規社員をたくさん雇える。どうして、企業業績が悪化しているのに「自分の取り分だけはびた一文減らさない」というずうずうしい姿勢を崩せないのか。社会全体をよくしようとか、公共心みたいなものはないのだろうか。あつかましいにもほどがある。

 全労働者の3分の1にもなる非正規労働者の最大の敵は、まさにこの連合の高木会長なのだから、非正規の全国組織を作って対抗すべきだ。絶対に手を組んではならない。

 はっきりいって、デモなんていくらやっても、何も変わらないですから、雨宮さん、湯浅さん。

 だって、それを報道するのは新聞社やテレビ局の正社員なんだから、ヤバくなったら報道やめます。また、人数としては正社員のほうが2倍も多いうえに、非正規は平均年齢が若いから投票にもいかないので、政治家はほうっておけば、連合の言いなりでしょう。

 だから、本当に問題を解決するためには、モリタク氏でも会長にかつぎだして「非正規雇用連合会」を組織して、民主党にマニフェストで約束させて、政治力を行使するしかない。貧困は、まさに経団連と連合の結託による派遣法改正などによって政策的に作られてきたわけだから、政策的に解決させるしかないわけです。

 
13:50 12/05 2008 | 固定リンク | コメント(2) | アクセス数(572)



ココで働け! “企業ミシュラン”

渡邉正裕(WATANABE Masahiro)
(株)MyNewsJapan代表取締役社長/編集長/ジャーナリスト。ほぼすべての主要企業内ホワイトカラーに情報源を持つ。現役社員への取材に基づき企業の働く環境を一定基準で評価する「企業ミシュラン」を主宰。日経新聞記者、IBMのコンサルタントを経てインターネット新聞を創業、3年目に単年度黒字化。
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