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10/25 2010
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大前研一ライブ/2010年8月1日号より
 日航 機長目前、悪夢の中へというトンデモ記事を見つけてしまった。

>>「私がパートに出るから大丈夫」という妻の言葉が胸にしみた。

 この山田泰正って記者、相当に重症。よっぽど世間知らずだ。

 「弱い労働者」対「資本家・経営者」という文脈が最初から頭の中にできていて、それを絶対に変えられない。「お涙ちょうだい」のストーリーが最初から決まってる。

 あとはその定型的な「結論」に、聞いた話のなかから、都合のいい事実を当てはめたり、強引に言わせてるだけ。たぶんこの記事も、そうとう「言わされた嘘」が混じっているはず。特捜検察のやり方そのもの、なのである。

 それどころか、家のローンや子供2人のくだりは、いかにも定型であるがゆえに、作り話の臭いがプンプンする。僕は、このベテラン副操縦士なる人物は、実在しない可能性が高いと思う。毎日は会社として、取材実態があるかを調査したほうがいい。そのくらい、どこかで聞いてきたようなリアリティーのない作文にしか見えない、ということだ。

 つまり、自民党(経団連)と社会党(連合)による55年体制が、毎日新聞のなかではまだ終わっていない。天然記念物級といえる。

 驚くのは、これが朝日や日経のような高給社員ではなく、食べていくのがやっとのはずの薄給・毎日記者による記事であること。JALの52歳副操縦士がどれだけ裕福な労働貴族であるかくらい、知っていて書いているはずだからだ。

 JALの年間賃金は年功序列で、2009年度実績で、40代で既に1700万円を超えている。来期は約1200万円にカットされるが、それでも52歳だから、このベテラン副操縦士は、残れば1300万円ほど。辞めても、来年は53歳、会社都合だから退職金も満額出るし、割増も税金から6ヶ月分プラスまでされる。もとがべらぼうに高いため、退職金は1億円前後になってもおかしくない。退職金なくたって、もう十分、資産を築いてるよ。

 そういう基本的な数字をちゃんと確かめたうえで記事書いてるの?山田君は。あまりにも非常識だ。労組がゴネまくってパイロットの異常賃金を改革できなかったことが倒産→税金1兆円投入の一因になっていることは間違いないのだが、去年まで年収1800万円ずつ支払われていた超富裕層であることに何の疑問も呈さず、1つしかない文脈で意味不明な記事を捏造する。こんな欠陥記事、よく売るものだ。

 JALの副操縦士らが加盟する「日本航空乗員組合」は特に強硬で、2005年には事業改善命令を受けてから、わずか5日後にストを通告するなど、世間知らずの強欲ぶりは目に余っていた。

 機長になるための国家資格についてのくだりも意味不明だ。その費用を自費で出したわけでもなく、それさえも会社持ちという恵まれた環境であるところが、他の資格とも決定的に違う。弁護士や会計士は資格の勉強が全て自費であり、さらに合格まで何年もの機会費用まで支払うが、パイロットは高給を貰いながら社費で資格をとらせてくれる優遇ぶりである。

 もしJALの「逃げ切りパイロット」に同情が必要だとしたら、年収803万円のスカイマークのパイロットなんて、どうすればいいのだろう。アメリカの航空会社だって1千万円で働いている。世の中の労働者の99%超に同情しなきゃいけない。

 毎日もJALも、規制に守られ、世間常識から乖離したイタい会社になっている点が、きわめて似ている。毎日新聞は、自分たちのJAL化が進んでいることに少しは気づいたほうがいい。再販規制さえなければ既に存在しないゾンビ企業を、これ以上、政府の規制によって延命させるのは、それこそ悪夢だ。さっさと規制を撤廃し、潰すべきものはしっかり潰すべき。JALにしても、毎日新聞にしても。

 
03:19 10/25 2010 | 固定リンク | コメント(1) | アクセス数(1179)


10/13 2010
 先日、『POSSE』という学生NPOから「ブラック企業」について取材を受けた。若者の「働くこと」に関する様々な問題に取り組む団体で、若年労働者の労働相談と季刊誌発行がメインの活動だという。志は買いたい。

 僕は、問題の現状認識を述べたうえで、解決策を2点述べた。

 まず、本当に問題を解決したければ、相談業務をいくらしても無駄だ。むしろ問題の解決を先延ばしにする。モグラ叩きにしかならず、解決に向けて前進はしない。「いいことしてる感」に浸ることはできるが、それだけだ。

 厳しいことを言うようだが、問題の本筋から逃げている。中高年正社員の既得権を守りたいロビー団体「連合」が、非正規労働者相談窓口を作ってお茶を濁しているのは、ご存知だろう。連合を最大の支持母体とする民主党政権も最近、追加経済対策の一つとしてハローワークに新卒者専用の相談窓口を設置することを決めている。

 相談窓口の設置というのは、既得権者たちが問題の本筋から逃げる場合によく使う、弾除けの盾だ。本当の改革者は、マシンガンで盾を突き破り、病巣ごとふっ飛ばさないといけない。抗暴である。そして、それをできるのが若者の爆発力であり、特権だ。行政のまねごとをいくらやってみたところで、既得権者たちは裏で笑っているよ。

 論壇誌の真似事も同じ。問題を解決したいのなら、議論ではなく、特定の意志を持って実行に移さないとダメである。本当の改革には、常に既得権者の流血がともなう。論壇誌が100創刊されても、相談窓口が日本中にできても、ブラック企業経営者は困らないし、非正規労働者と正社員の格差にしても全く埋まらない。

■ブラック企業への抗暴
 そこでコンサルタントとしての僕が解決策として提示したのは、第一に、ブラック企業の情報共有インフラ整備だ。現状、求職側と経営側で情報のギャップがあり、それを埋めるのは信憑性の低い『2ちゃんねる』くらいしかなく、機能していない。

 だから、ブラック企業の経営者は自社の評判を考えることなく、やりたい放題になる。サービス残業を強要して社員を過労死させたって、鬱で入院せざるをえなくなったって、外部に情報が漏れないことをいいことに、次々と新しい人材を採用できて「使い捨て」ができてしまう。

 そして、あろうことか、日本国政府はブラック企業の味方となり、情報公開請求に応じない。問題解決志向のMyNewsJapanは、もちろん情報公開法に則って開示請求を出しているが、拒否されている。たとえば残業代が不払いだったり、過労死を発生させたり、内定を取り消したりするブラック企業を、政府がかくまっているのが現状だ。

過労死発生の企業名を非開示 厚労省「出すと会社の不利益になるから」

「きれいになったから」と残業代不払いの企業名を非開示 厚労省

厚労省、内定取り消し企業名を全面不開示 「法人の権利害する」

 これらは公開されれば間違いなく問題発生の歯止めになる.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
asahi.com『ウェブ論座』にも出した)

 
12:22 10/13 2010 | 固定リンク | コメント(1) | アクセス数(1022)


10/10 2010
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『暴走する資本主義』(ロバート・ライシュ)は33枚(66ページ)も書き込んだ箇所があった示唆に富む異例な良書

 

 

 

 

 

 僕には決まりきった通勤がなく、電車に30分以上乗ることもないので、ケータイやipad、キンドルを持ち歩いて電子書籍を読みたい、というニーズがない。本は、自分で思いついたことや思いついた概念図などを余白に書き込みながら、折り目をつけて、読む。どれだけインスピレーションがあるか、示唆を与えてくれるか、こそが僕にとっての本の価値だ。

 この著者は、なんでこんなこと言ってるんだ、下手くそな論理展開だな、とかいろいろ考えながら、著者の経歴を見て、ああ現場を知らない学者か、サラリーマンやったことないから分からないんだな、とか、コンサルだから文章が下手なのか、とか、自分で書いてないな、とか、章立てが分かりにくいんだよ、とか、勝手に著者と対話しながら読む。文句は書き込んでもしょうがないので、書き込まない。

 だから、何も書き込むことがなかった本は駄作であり、さっさと捨てる。そして、自分の書き込みがある貴重なページだけはかけがえのないものだから、デジタル化して永久保存するため自宅へファクス。せいぜい5~10枚だ。ファクスはデジタル化され、ファイル名に日付が自動で入って、添付ファイルとしてメールで届く。原本は捨てる。

 200ページの本なら、通常は95%(190ページ)はゴミなので、ゴミを自宅に持ち帰るという愚かなことはしない。自分にとって価値のある情報なんて、そんなもんだし、10ページも著者とブレーンストーミングができたなら、十分に買ってよかった、と思うべきだ。

 そう思うと本は安いし、山の手線の内側に住んでいると大きな本屋まで20分だから、いつでも買い直せる。カネで買いなおせるものは捨てる。これがモノを増やさない生活のルールだ。

 したがって、僕にとっては、書き込めることが書籍の価値のほとんどすべてだから、自由にメモを書き入れられない電子書籍なんて困る。

 電子書籍のメリットとしては、「あの本にあの件で面白いことが書いてあったな」という曖昧な記憶がある場合に、PCでキーワード検索できる機能があればいいと思う。現状の電子書籍は『アゴラブックス』はじめ、未だに検索ができない。それがデジタルの強みなのに、強みを活かさないのは経営として間違っている。

 たとえば、僕が今回出した本でいえば、そういえば会社を入社1日で辞めた人がいたな、と。沢木耕太郎と落合信彦だ、と。ここまでは自分の読書のなかで記憶にある。そこで確認したいけど、どの本に書いてあったかまでは覚えていない。

 沢木は思い出してすぐ見つかった。『深夜特急』だ。なにせ10年以上前に、自分で打ち込んだものがウェブ上にある。電子書籍で検索できれば、こんなことする必要もないわけだ。

 落合は覚えてない。こういうとき、電子書籍で調べられれば、便利である。一冊1000円くらいなら、30冊くらい普通に全部購入して、検索をかけたことだろう。結局、著作があまりに多すぎて人海戦術では無理だったから、書名の引用は断念した。

 逆に言えば、電子書籍のメリットというのは、そのくらいしかない。記憶探索機能、というのかな。検索ができないことに以前から不満があったので、僕の本9冊については、全てMyNewsJapanに全文をあげており、会員は検索コーナーでキーワード検索できるようにしている。

 新書のように価格が安く、amazonが当日配送してくれ、本屋まで20分で自宅の書庫代わりに使える東京では、好き好んで目に優しくない画面で読書したい人が、どれだけいるんだろうか。少なくとも一読目にざっと読むときは、紙のほうがいい。だから、検索できない電子書籍なんていらない。

 
17:02 10/10 2010 | 固定リンク | コメント(2) | アクセス数(813)


10/09 2010
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35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書』。タイトルも副題も帯文も帯の背景写真も、僕が考えた案を採用して貰った。ちくま新書を選んだのもデザインが圧倒的に洗練されているから。従って、僕の美意識のなかでは、この表紙は、まさに「完璧の出来栄え」と言える。なんと美しいパッケージであろうか。

 

 本が出ると、本当に並んでるのか、売れてるのか、気になるもんなのさ。なにせ、たとえば大学教授や経営者が片手間で、オマケや趣味のノリで本を出すのとはワケが違って、物書きを本業としている僕にとっては、これが全く受け入れられないなら死活問題であり、何のために仕事してんだよ、という話にもなるわけで。

 だから発売日には本屋に行くんだ。まず、品川インターシティの「くまざわ書店」。ここは店頭入り口の嫌でも目に入る目立つところに、発売と同時に新書を並べる店なので、反応をダイレクトに知ることができる。さっそく、発売日(7日)の夕方に行った。

 いきなり見当たらないので書名を伝えて店員に尋ねると、「売り切れた」という。

 「いや、今日が発売日のはずなんで、あるはずなんだけど」

 「あ、うちは昨日の昼から店頭に出してますから。5冊ずつくらい入って。ほら、これも1冊しかないでしょ。来週、また入ってくる感じだと思います」

 確かに、同時発売の5作品のうち『電子書籍の時代は~』も見当たらないから、それも売り切れた模様。あとは3冊、3冊、1冊と残ってる。なるほど1日余りのうちに、そのくらい減るもんなのか。だったら、もっと入れればいいのに。でも、ちょっと嬉しい。そういうもんなんだよ、著者は。

 今回、はじめて新書というパッケージで出したのだが、ちくまは毎月、5作を同日発売する。で、通常、1つの書店では同じ冊数が同じ場所に並べられるので、露骨に、明らかに、売れ行きの差が見てとれてしまうのだ。

 単行本だと、いつ発売されたかも知れぬ隣の本との減り方の差なんて気にならないけど、この“減り方競争”は新書ならではで、面白くもあり、冷徹な現実を突きつけられる場でもあることが分かった。

 というわけで、ますます他店での状況が気になるのだった。

 汐留の2店(リブロ、芳林堂)は誰も気づかないような新書コーナーにひっそりと5冊、2冊ずつ並べてあり、いずれも1冊ずつしか減ってなかったが、他の4作品も減り方がゼロか1かで差がつかず。せめて新書の新刊コーナーにヒラ積みにしてくれないと目に入らないんだな、これじゃ。

 仕入れ数が多そうな大型店に行こう。

 銀座ブックファーストへ。ここは10冊ずつ入ったらしく、9冊も残ってた。他の4作も似たり寄ったりで、10冊丸ごと残ってる作品もあった。冷酷な現実である。ま、でも、誰も好き好んで「ちくま新書」のコーナーなんて行かないからね。そもそも僕のは、銀座で売れる本じゃないし。思ったとおりだ。

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三省堂有楽町店。箱の上に6冊残ってた。

 

 

 有楽町の三省堂へ。ぱっと見、あんまり差がついてないな、と思ったが、さにあらず。『快楽の効用』は19冊残っている一方、『デジタル時代の著作権』は残り9冊になっていた。つまり、20冊ずつ入った、というわけだ。

 そして僕の本は・・・上げ底のための紙箱の上に、6冊残っているだけで、一番減っていた。つまり2日間で14冊売れたわけか。売れすぎても『バカの壁』みたいでダメだし(想定読者層から外れる)、このくらいが「いい売れ方」といえる。よろしい。いい子だ。納得。

 僕の本は売れる場所が決まっていて、東名阪、なかでも首都圏の中核都市。とりわけ渋谷、恵比寿、品川、有楽町、池袋、新宿など、都内で若手サラリーマンがたくさん徘徊してる本屋である。逆に、地方都市でグリーやモバゲーにハマっちゃってるようなガテン系が多い街道沿いの本屋では置くだけ無駄。地方では全然減ってないんだろうな…。

 だから、最初から強弱つけて配本して集中投下すれば売上を最大化できる訳だけど、出版業界はマーケティングの概念が幻冬舎を除いて欠落している。だから旬を逃して本が売れないんだろう。僕の本も情報は日に日に古くなっていくわけで。

 というわけで、新書特有の「減り方競争」見物、という楽しみ方が分かったのだった。

 今回、売り場を歩いて改めて思ったのは、日本の新書マーケットというのは、とんでもなくよくできてる、ということだ。800円前後という超安価で、コンパクトに情報が詰まった美しい装丁に、趣向を凝らした鮮やかな帯までついた本が、これだけのペースで、こんなに大量の点数が踊り出て所狭しと並び、減り方競争を繰り広げる。

 こんなレベルの高い国って、ほかにありえないだろう。究極まで来てしまっている、と感じる。紙市場がこれだけ完成度が高いと、電子書籍に、これを越える魅力を感じさせるのは難しそうだ。もう、おなか一杯、という感じ。

 正直、著者としても、こんなに時間と労力をかけて作った作品を800円余りで売っちゃっていいのか、というくらいの思いがある。そのくらい、日本の新書というのは、お買い得だと思う。  

 
01:01 10/09 2010 | 固定リンク | コメント(3) | アクセス数(909)


10/05 2010
 昨日、某ベンチャー企業社長と神保町でランチして、三省堂で1冊、『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』という本を買って喫茶店でだらだらと読みふけった。僕はあくせくスケジューリングしてせわしない毎日を送るのは嫌いで、予定は1つしか入れないことにしている。

 とりあえず散歩でもして帰るか、と後楽園方面に向かっていると、日が暮れてきた。「そういえば、この辺に立花隆の事務所(通称ネコビル)があったっけ」と思いつき、カンで探してみることに。どこに住み、どこにどういう事務所を構えるか、は僕の解決すべきテーマの1つとして、いつも頭の片隅に横たわっている。

 大前研一は麹町、猪瀬直樹は西麻布、田原総一朗は佃、佐野眞一は流山。みんなそれぞれ、なるほど、というところにいる。それぞれ、作品や活動内容、ワークスタイルとオフィススタイルは深く関係している。風水とか気とか、信じているわけでもないが、そのテの影響も間違いなくあると思う。

 で、立花隆は、東京ドームを北上し、文京区役所を過ぎた小石川界隈。「こんにゃくえんまの北側あたりだったな」。以前、グーグルマップで調べたときの記憶だけが頼りだった。

 近づくと、暗くなっていた。はじめて歩く土地だ。しかも、考えてみれば、ネコビルって、雑誌で見た限りでは真っ黒のはず。こりゃ、見つからないな・・と思って引き返そうとしたら、正面から小太りの年寄りが歩いてきた。一瞬、おばさんなのかおじさんなのか分からない。だが、茂木健一郎風な天才特有のボサボサな髪形で白髪、片手に手提げ袋。すぐに、立花隆さんだと分かった。

 僕は『知のソフトウェア』『アメリカジャーナリズム報告』『エコロジー的思考のすすめ』など、立花氏のかつての著作が好きで、影響も受けている。秘書が書いた『立花隆秘書日記』も面白かった。『ぼくはこんな本を読んできた』など90年代の絶好調なころも、リアルタイムに読んでいる。

 だが、さすがに癌を患って復帰した今は、田中角栄の金脈を調査報道した往時の覇気は感じられず、左右にえっちらおっちらと揺れながらのんびり歩く普通の70歳のおじいさんに見えた。やはり人間、第一線にいられるのは60代までだな、と強く思った。これは小沢一郎(68)や大前研一(67)、田原総一朗(76)などを見ていて、強く思う。逆に言えば60代までは十分やっていけるのだから、まだ先は長い。

 本人なら話は早い。すれ違って、きびすを返し、少し離れて後ろから現地まで案内してもらうか、と勝手に思ったところ、角を左に曲がったらすぐ、ネコビルが見えた。なんだ、こんな近かったのか。本人が中に消えたあと近くで見ると、地形は細長く、まさに猫の額ほどの面積で4階建て。なるほど、仕事場として「篭る」には十分かも。住むには明らかに狭いなぁ…。名前の由来は、立花さんが動物のなかでネコが一番好きだからだとどこかで読んだ。

 それにしても、これは偶然なのだろうか。僕は、別に待っていたわけでも、探し回っていたわけでもない。カンで大通りから曲がって、数十秒ほど、はじめての土地を歩いただけだ。立花さんが1日2回出入りするとしても、ばったり出会う確率は、0コンマ何パーセントという世界だろう。偶然じゃないな。共時性(シンクロニシティ)について、再び考えてしまった。

 読んだばかりの『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』(橘玲)によると、世界的なベストセラー『ザ・シークレット』が、人生を変える偉大なる秘密として「引き寄せの法則」について書いているそうだ。

 引き寄せの法則の原理は、「ひとは自分に似たひとに引き寄せられる(自分に似たひとを引き寄せる)」というものだ。この原理は古くから「類は友を呼ぶ」として知られており、その正しさは子供を観察することで誰でも確認できる。
 僕は、立花さんに引き寄せられるようにして出会ったのかもしれない。

 しかも、これを書いていて気づいたのだが、この本の著者は橘さんで、しかも立花隆の本名は「橘 隆志」と漢字まで同じ。数時間前に1冊だけ買った本なのに。これもシンクロしている。意識はしなかった。けっして橘という人の本を読んだから立花事務所へ、と考えたわけではなかった。だが、無意識下では、そういうことが起きたのかもしれない。実際、私はそのように歩いて向かったのだから。

 人間の意識って、いったい何なのか、と考えてしまう。

 映画を観る→無意識のうちに涙が出る→あ、自分は感動したんだな、と意識上で自分の感情に気づく。それと同じで、人間という生物個体の本質は無意識にあって、思考とか感情などという表層のものは後付けに過ぎないのだ、ということに改めて気付いてしまった。ある人の本質は、無意識にこそある。

 そして、無意識下と外部の世界はつながっていて、無意識のうちに引き寄せられるように立花さんに出会う。そうでなければ確率的には起こりえないことが発生している。おそらくこのようにして交通事故も起こるのだろうし、宝くじも当たる。スピリチュアルの世界でも「偶然」はなく、すべてが「必然」である。

 それがどのような意味やメッセージを持っているのかは、僕はユング心理学などを勉強不足で、まだよく分からない。だが、人間の意識よりも深いところで、何かしらの法則によって人間は動かされているのだ、ということを実感し、怖いものを感じるのだった。

 
21:19 10/05 2010 | 固定リンク | コメント(1) | アクセス数(1033)



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渡邉正裕(WATANABE Masahiro)
(株)MyNewsJapan代表取締役社長/編集長/ジャーナリスト。ほぼすべての主要企業内ホワイトカラーに情報源を持つ。現役社員への取材に基づき企業の働く環境を一定基準で評価する「企業ミシュラン」を主宰。日経新聞記者、IBMのコンサルタントを経てインターネット新聞を創業、3年目に単年度黒字化。
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