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渋谷のブックファースト
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年末に渋谷の本屋を徘徊したところ、
10月に出した本が、最大手の紀伊国屋で売り切れ。マークシティの啓文堂でも売り切れ。ブックファーストは前の本がずいぶん売れたから担当者が分かっていたとみえ、まだヒラ積みだった。これは例外。
たった2ヶ月余りで綺麗さっぱり、リアル本屋からはなくなるんだな、と実感した。ほかの六本木周辺の本屋3店ほども定点観測しているが、同時発売の『ちくま新書』5作品のうち、売れ残った3~4作品くらいが棚差しになったままで、僕の本だけは一向に補充されないのだ。5作品のうちで一番売れているのは担当者にも聞いて確認している。
何が言いたいのかというと、本屋にはマーケティングの概念がなさすぎて、こんなことしてたら、とても生き残れないだろう、ということ。僕が本屋の経営者だったら、間違いなく逆にする。3ヶ月たって売れ残ってる作品は返品して、売れてしまった作品を補充すれば、売れる可能性が高いじゃないか。
しかも、これはデータが全て個店ごとにあるわけだから、機械的に行うだけの単純作業である。マーケティングというほどのものでもない。限られた店頭のスペースで、売れた実績のある本を店頭にいれ、売れ残ったものと入れ替える。それだけ。
正直、紀伊国屋クラスでさえ、同時発売のうち、僕の本以外の売れ残り作品だけはしっかり棚差しになっていた。啓文堂でも同様だった。これって、明らかに経営として間違っている。読者も書店も著者も、三方一両損。これじゃ、アマゾンの独壇場になって当然だ、とつくづく思った。ブックファーストだけは例外として…。