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11/13 2012
 プロと考える仕事の未来という対談の連載が始まった。これは『10年後に食える仕事とは何か』をさらに徹底的に突き詰めて考えていくという目的があり、ミッションは明確。また、私がやるということは、すなわち「ぶっちゃけ本音対談シリーズ」にしかならないわけで、編集長インタビューにありがちな、うだうだしゃべくったものを文字にしてみました、というなぁなぁの対談モノとは全く違ったものにするので、ご期待いただきたい。

 1回目は、藤原和博さん。65冊も本を書いているので全てではないが、主要な本の大半を読んだうえで臨んだ。それでも、今回出てきた話は本に書いていないことばかりで、情報編集アップデート力の高さを実感した。

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藤原和博(ふじはら・かずひろ) 杉並区立和田中学校・前校長  東京学芸大学客員教授 1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。
2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。
08~11年、橋下大阪府知事ならびに府教委の教育政策特別顧問。

 

 

 今後、グローバル化が進んでいくと、グローバルエリート:コミュニティ貢献者が1:99になる――という藤原さんの見通しは、方向として、その通りだと思う。去年、「We are 99%」デモが日本以外の先進各国では盛んだったが、日本にも当然、やってくる。藤原さんの言うグローバルエリートとは、すなわち無国籍ジャングルで戦う人たちだ。

 僕は『35歳までに読むキャリアの教科書』では、それでも親世代の生活水準を維持するために個人としてどうすべきか、という往生際の悪い話を展開したのだが、国民の大半にとって重要なのは、むしろどうやって普通の99%の人たちが仕事を得て食べていくのか、という話であろう。

 いま、急速にグローバル化を進めるユニクロは、「1:99の世界」の象徴といえる。トップの柳井社長はもちろんグローバルエリートであるが、106億ドル(8400億円)の資産家で、被災地にポンと10億円寄付できる余裕がある。その一方、ナンバー2以下の雇われ役員たちはその1千分の1の資産もなく、明日クビにされるかもわからない。

 末端の店長や社員たちは年収400~500万円で入社2年後には半分が激務から辞めざるをえないほど働きづくめ。その下の年収200~300万円のパート社員も含め、人間の使い捨て状態にある。そしてトップだけがますます潤っていく。1:99どころか、1:9999の世界が、ユニクロの現実である。似たようなことが楽天でもグリーでも進んでいる。10年後は、そういう労働社会が加速する。

 問題は、「死ぬほど働かされて500万円」くらいの人たちが精神を病んでドロップアウトしても、日本国内には「次の仕事」がなくなっていくことだ。現在7割を占める左下の「重力の世界」の仕事群は、中国・インド・ミャンマーといった国外に出て行かざるを得ないからだ。今後、失業率は徐々に上がっていく。

 ではどうするか、ということだが、藤原さんはコミュニティー(地域社会)で吸収する仕組みを作るしかない、という。それは何かというと、たとえば藤原さんが実践してきた学校を中心とする地域本部(学校支援本部)での仕事。ドテラ(土曜寺子屋)は、地域の大学生や社会人がナナメの関係で中学生を教えるかわりに、1回数千円のフィーを得る。また、その事務局業務を行う。年収300万円くらいの準教員、準公務員を増やしていくのだ。

 民間でも、ネットインフラを活用して、ある専門領域(たとえばネット上の花屋)で200万くらい稼ぎつつ、あとは有償ボランティアで被災地コミュニティーに貢献する、といったコントリビューターを増やす。そのために、有償ボランティアを根付かせる。これら地域貢献に寄する仕事は年収200万円くらいで、ワークシェアのようなものだ。

 今後、住居費が、ある段階でガクっと下がり、200万×夫婦でも生活が成り立つ社会の前提条件が揃ってくる。あとは、それでも必要となるであろう、国が出す原資だ。

 僕は柳井社長などの資産家に資産課税をかけるべきだと考えているが、藤原さんも、1500兆円の個人金融資産の1%でもとること、さらに宗教法人の活動と課税を変えること、など様々なアイデアを持っている。それらは、連載の次回以降で、議論される。

 これから顕在化してくる現象は、1:99の社会になっていくスピードに比して、既存の制度の変革が追い付かないことから来る社会の様々な軋みであろう。既得権者(既存の公務員など)の抵抗は計り知れず、変革は進まない。

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競争と分配のポジショニングマップ(これは古いバージョンなのでマップの軸だけみてほしい)。残念なことに、右上を志向する政治団体が存在していない(現在では維新の会が近いと思われる)
 政治に必要なのは、懐古趣味で「3丁目の夕日よ、もう一度」と、東京スカイツリーを作るのではなく、ファンタジーから抜け出し、まずは現状を認識し、確度の高い未来予想図に合ったヴィジョンと制度を提供することだ。

 野田首相が「分厚い中間層の復活」を掲げてきたのは、無知な国民を相手にする選挙戦術としてはわかるのだが、実際にはそんなものは既になく、一部の勝ち組を除いて、全体が下がりつつある。

 そういう身も蓋もない現実を認識し、我々はどこを目指すのかを明確に国民に提示する時期にきている。藤原さんは、私と同様、左記図の右上を目指すべきだ、という考え(競争はさせる、資産家からはとる)である。

 
06:56 11/13 2012 | 固定リンク | コメント(1) | アクセス数(6009)



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渡邉正裕(WATANABE Masahiro)
(株)MyNewsJapan代表取締役社長/編集長/ジャーナリスト。ほぼすべての主要企業内ホワイトカラーに情報源を持つ。現役社員への取材に基づき企業の働く環境を一定基準で評価する「企業ミシュラン」を主宰。日経新聞記者、IBMのコンサルタントを経てインターネット新聞を創業、3年目に単年度黒字化。
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