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05/11 2012
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『週刊朝日』1997年5月2日号より

 

 

 

 「新型うつ」や「入社3年以内で精神疾患で労災認定、過労自殺」などNHKが連日、若者の労働問題を特集している。僕は、なんでも社会(親や会社を含む)が悪いと考える派だ。自分自身を振り返っても、ずっとそう思ってきた。政治や政策を大学で学ぼうと思ったのも、社会が悪いから自分が変えたいと思ったのである。

 <やめようと思ったことはない。(上司を)やめさせてやろうと思ったことは何度もある>

 「会社をやめようと思ったことはあるか」という質問に対して、私は入社2年目に、こう答えている。そして、そのまま実名入りで『週刊朝日』に掲載された(左下)。朝日の市川裕一という記者が「匿名にしましょうか」と電話で弱気なことを言ってきたので、「実名で構わないですよ、何も後ろめたいことはないですから」と告げたためである。

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これは大学の講演で「SFC生はどう見られているのか」という事前リクエストがあったので作成した資料である
 実際、何が悪いのだ。新聞記者が寄って立つところの言論の自由とは、堂々と皆の前で実名で意見を表明できることにある。そういう社会がよい社会だと今でも思っている。この記事では社名すら出ていないので会社に不利益は一切ない。

 ところが、本社から連絡を受けた部長は、記事に出ていた私のHPの閉鎖を命じ、この問題の処理を誤った結果(私にウェブ利用の規定を作ると言っておきながら作らなかった)、2年後に再び発見して、裁判闘争になった。会社に僕の才能を活かそうという発想がないことが分かったので、活かすためにさっさと転職した。会社に残っていたら、ベストセラー作家どころか、本の一冊も出せなかっただろう。

 僕は自分のサイトを閉鎖するつもりは当時から毛頭なかったので更新を続け、今ではこのMyNewsJapanで自由に書きたいことを書き、日経の役員よりもずっと稼いでいる。もし会社の言いなりになって社畜になっていたら、今の私はない。信念を曲げてはならず、会社の言うことを聞いてはいけない、というよい見本である。

 ところが最近報道される新入社員は、精神的に参ってしまうらしい。NHKなどを見ていて思うのは、社会が、親が、会社が、正社員という型にはめこもうとし過ぎ、若者の側も、それをまに受けてしまっている、ということだ。

 会社の言うことが正しい、上司が正しい、正社員として働き続けるのが正しい、それに従えない人、付いて来れない人は間違っている…。そんなわけが、ないのである。ワタミも、ユニクロも、労基法を守れない違法企業であることは考えればすぐわかる。

 自分の頭で考える教育が日本の義務教育にはないので、優等生的な日本人は、答えは1つしかないと洗脳されている。だが、今でも僕は、会社(日経)は時代遅れで間違っていたと思っているし、上司の対応は間違っていたと思うし、それに盲目的に従おうとした親はバカそのものだと思っているし、正社員などというポジションに居座るのも間違っていると思っている。だからぜんぶ逆のことをやって、今の自分がある。

 ぜんぶ、社会が悪いのだ。でも、だからと言って何もしなくていい理由にはならない。思考停止してはいけない。自分のほうが正しいのだから、間違ったことをしてる奴らより成功して当然だ、と考える。お天道様は必ず見ている。悪い奴らには天罰が下る。そう思って反対の道で頑張ればいい。

 「自分が間違っている、会社についていけない自分が悪い」などと思うから鬱になるのである。まずは正しいのは自分だ、という信念を持とう。日本の教育も、親も、会社も、正社員の既得権を守る国も、間違いなくぜんぶ間違っているのだから、そんな間違ったものに自分を合わせようとしたら、まともな人間である限り、精神的におかしくなって当然なのだ。

 自分の頭で考えて、自分のほうが正しい、社会が間違っている、と思えばラクになる。そして、正しいことを実践する。社会のせいにして、他人のせいにして、怠けろ、と言っているのではない。

 若いうちは失敗してもやり直しが利くのだから、試行錯誤を続けるのだ。豊かな社会になって食うに困ることはない。若者はもっと、社会的洗脳から解き放たれて、「なんとなく正しいことだと思わされている嘘」とは反対の道を突き進んでほしい。

 
08:58 05/11 2012 | 固定リンク | コメント(1) | アクセス数(8545)


05/09 2012
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『21世紀のキャリア論』(高橋俊介著)

 

 

 最近、熟読した一冊。この分野の第一人者である高橋俊介氏のキャリア論は異論がなく、もっとも参考になるのでコンプリートしている。ここ数年は軽い本が連発されていたが、今回は内容が濃かった。

 アカデミックな世界から出ず、鉛筆一本売ったことがない人のキャリア論は想像の世界に過ぎず、地に足が付いていないが、第一線で稼いできた高橋氏は説得力が違う(外資エグジット組の1人)。

 面白いのは、キャリパーの調査結果だ。中国、インド、日本、アメリカの動機調査結果が比較されている(左下図参照)。

 ややもすると、「主張力」は弱いが「感応力」が強い日本人が中国に行って、「主張力」は強いが「感応力」が弱い中国人に指示命令をしなければいけないという場面がビジネスでは出てくるわけで、これは非常に厳しい状況になってしまう。中国人には何度もいわないと伝わらない。相手のことを理解するより、自分が主張したいのだから。
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 これは実際に中国・インドを旅したり現地の人と働いたりした人には納得の結果だと思う。歴史的背景から、日本人とは「動機」が違う人たちなのだ。
 日本人が中国人より圧倒的に強い動機要因は、「感謝欲」と「徹底性」である。人に感謝されたいという「感謝欲」はおもてなしに、手を抜かないという「徹底性」はものづくりに向いた特性である。これを海外でどう伝え、どう再現するのか。日本人とは違う動機要因の環境でうまく再現するには、派遣されるリーダーに十分な支援が必要だろう。
 僕は『10年後に食える仕事食えない仕事』のなかで、インド・中国の特徴として以下5点を挙げた。
・日本など全く話にならないほどの「超・格差社会」の容認。

・人材の流動性が異常なほど高く半年~数年で転職するのが当り前の「短視眼的キャリア」。

・男女の差なく向上心もハングリー精神も旺盛な「超キャリアアップ志向」。

・チームワークが苦手でチームワークに意義を見出さない「超・個人主義」。

・顧客サービスの概念がほぼ存在しない「身分&階層社会」(中国の共産党支配や戸籍制度、インドのカースト制度)。

 そのうえで、
 したがって、インド人・中国人に共通する「弱み」の部分で、かつ日本人にとっての「強み」の部分にフォーカスをあてて伸ばせば、それがすなわち、「日本人メリット」になる。上記のなかでそれを見出すと、最後の2つ、すなわち、「チームワーク力」と、「顧客サービス力」である。

としたが、それを裏付けるような調査結果と言える。チームワーク力=ものづくり(徹底性)、顧客サービス力=おもてなし(感謝欲)、である。

 このように、中国インドとは違うわけだが、本書によると、実は、日本と欧米とは、歴史的な背景や原因は違えど「仕事観」が似ているのだという。

 文明の生態史観からいうと、日本と欧米はむしろ「仕事観」は似通っていて、その間にある新興国が異質世界である。キャリパーの四か国比較のグラフを見ても、実は日本とアメリカは近く、中国やインドとの違いのほうが目立つ。日本と欧米という見方をよくするが、新興国に出ていくときに重要なのは、日本や欧米のいわゆる旧大陸の両側の価値観でできあがった社会と、新興国の社会は違うという認識である。
 この仕事観についての論考はかなり面白かった。原因の違いは、ヨーロッパではカルバニズム(死後の世界で神に救われるには、神から与えられた仕事を一生懸命やって勤勉と貯蓄に励め)であり、日本では儒教(儒教のなかの朱子学が江戸時代に政治主導で導入され、「孝」=家庭より「忠」=会社という本来の儒教とは逆転した価値観が根付いた)だったことだ。

 ヨーロッパと日本はこの仕事観において近く、インド中国の新興国の人たちは日本から遠い。この仕事観の違いは、今後の労働市場グローバル化の流れを考える際に、インド中国インパクトから我々日本人がどうやって参入障壁を築くか、「彼らの弱みで、かつ日本人の強みは何なのか」を考える際に参考になるので、私の本と併せて是非お読みいただきたい。

 
06:59 05/09 2012 | 固定リンク | コメント(0) | アクセス数(3338)


05/07 2012
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SFCの「Ω」教室にて
 先月(4/23)SFCで行った学生向け講演では、事前にリクエストがあったため、外資で働くことについても話した。90年代に外資で働くというと、かなりの「変わり者」であったが、今では以下のような外資が人気の就職希望先になっている。

【IT】アップル、マイクロソフト、IBM、グーグル、アマゾン…
【コンサル】マッキンゼー、BCG、アクセンチュア…
【金融】ゴールドマン、モルガン、メリル、シティバンク…
 それぞれ個別企業でのキャリアについては企業ミシュランを見ていただくとして、ここでは、日本人が外資で働くことの意味について、改めて述べておこう。

 私自身は、IBMのコンサル時代、コンサルタントというのは仕事がら、際限なく仕事ができてしまうので(仕事内容を定型化できず、際限なく品質を高められる)、報告会の前などは徹夜になるわけだが、

「こんなに仕事をして、クライアントの評価が高くなって、継続プロジェクトになって、バカ高いチャージレートでフィーを貰ったところで、そのカネはどこにいくんだろう?」
と考えると、バカらしかった。

 外資の100%子会社だから、利益は、第一に外国の株主、第二に外国人経営者、そして第三に米国の法人税収となって米国の道路や福祉や軍事兵器の財源となる。残り(税引き後利益)も結局、株主のものだ。

 コストのほうの人件費の配分も、米国本体の社員がそもそも高く、優先される。日本企業がリストラする際に海外の子会社の人たちから切っていって本体社員が(人件費が高いにもかかわらず)最後になるのと同じだ。ぜい肉や手足から削いでいくのは当然で、頭脳の部分は、最後まで残るわけである。

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外資で働く意味

 

 グローバル企業の「頭脳」部分は、もちろん、本体の本社にある。

 左記図でいえば、左上の「無国籍ジャングル」が頭脳にあたり、戦略、企画、開発、設計など、バリューチェーンの上流工程を担当する。ここに日本人は、ほとんどいない。

 日本法人(子会社)の出番は、その次の工程にあたる、サービスの執行や製品の販売だ。これらはすなわち、グローバル企業における「日本支店業務」である。サービスや製品の日本語化を行い、日本市場向けに日本語で売り込む。右上の「グローカル」業務である。

 日本支店業務のなかでも、より単純労働となる日本語で日本人に販売する店員(アップルストアなどに勤務)が右下「ジャパンプレミアム」にあたり、製品の製造は左下「重力の世界」業務でホンハイ中国工場の中国人などが担当する。


 お気づきのとおり、給料は、上流へ行くほど高い。一番高い、おいしいところ(左上の頭脳部分)は、すべて外国人がもっていくわけだ。

 外資で働くということは、外国の税収、外国人経営者、本体の外国人社員、外国の株主に、せっせと仕送りをする行為に等しい。

 当時、マネージャーのチャージレートは月400万円(定価)だったが、私の年俸は900万円台だったから、8割がピンはねされるわけだ。コンサルの仕事に物理的な設備投資はいらず、PC1つだけ。オフィスには決まった机もなく(フリーアドレス)、ロッカー1つだけ与えられる。僕は中途入社なので、新入社員が行っているような海外研修などのコストもかからない。このままでは、外国人に搾取されているだけではないか。

 「眼を覚ませ、僕は日本人だ」--そういう思いが強まり、まず辞めることを決め、会社を設立し、「疲れたのでキャリアを考える時間が欲しい」として半年間の休暇を貰い、今の仕事を進め、出版企画を通して、半年後に有休を使いはたして退職した。今年のMyNewsJapanの売上は5千万円を超えるので、IBM時代の月400万×12と同じ水準になっている。

 TVでちやほやされている原田泳幸氏(アップルの日本法人代表などを務めた)など、外資をわたり歩くことを本業としている人たちは、どういうモチベーションで働いているのだろうか。「日本支店長としてたっぷりアメリカに貢献しました」というのが実態であるが、それは日本人として誇れることなのか。

 仮に1億円年収をとれたって、本社には、その10倍は儲けさせている。それを超えるだけの日本人消費者利益があると思えるから?自分さえ稼げればいい?そもそも、「人類みな兄弟」で、国籍意識など消し去っているのか?だったら、どうやって消した?

 外資というのは、私のように、スキルアップの手段として限定された期間在籍するのは有効であるが、そこから先、本業やライフワークにしてしまう人の本心について、ぜひ聞いてみたいものである。


(2014年12月追記)最近の動きを取材して、さらに外資の意味を実感した。

日本IBM(コンサル&SE職) 住宅補助廃止、下がる給料、遅れる昇進、若手でも当日解雇…「本当の外資になってしまった」

日本IBM(営業)、マーティン体制下で強まる「アングロサクソンの手下」感

 
15:10 12/17 2014 | 固定リンク | コメント(0) | アクセス数(10564)



ココで働け! “企業ミシュラン”

渡邉正裕(WATANABE Masahiro)
(株)MyNewsJapan代表取締役社長/編集長/ジャーナリスト。ほぼすべての主要企業内ホワイトカラーに情報源を持つ。現役社員への取材に基づき企業の働く環境を一定基準で評価する「企業ミシュラン」を主宰。日経新聞記者、IBMのコンサルタントを経てインターネット新聞を創業、3年目に単年度黒字化。
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