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03/20 2015
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左:東洋経済、右:THE21
 発売中の『THE21』4月号の「これから10年、伸びる業界・沈む業界」という記事で取材協力した。先月の『週刊東洋経済』に続き、またも『10年後に食える仕事 食えない仕事』で示したフレームワークの図を使いたいというので載せた。

 もう刊行から3年が経ったが、単行本自体が10万部売れて、この図も様々な雑誌にいまだに取り上げられ続けているのは、これが、日本人の仕事の未来を考えるうえで、極めて有効なソリューションだからだ。一言でいえば、「使える」のである。

 私は2004年まで5年ほどコンサルティング会社に勤務し、様々な分析手法に触れた。2011年に中国とインドに計2か月ほど滞在し、「グローバル化が進むと、日本人としての特殊性を活かせるかどうかが生き残りのポイントだな」と思うに至り、帰国後、講演資料として作成したのがこの図だった。

 コンサル会社はPPMのようなフレームワークを使って分析する。独自性の高い説得力のあるフレームを考え出し顧客を納得させることができると、「高いバリューが出ている」という評価になる。その点で、僕は社会に対して高いバリューを出した。しかし、コンサル会社が行う入社面接では、こういった能力はほとんど見ようとせず、即興の「ケース面接」ばかりで判断する。だから僕は戦略コンサル会社11社から不採用通知を貰っている。

 まったく同じことを思ったのが、ディベートについてだ。大学のディベートサークルに入ったら、いきなり即興ディベートばかりをやらされるので、こんなものは意味がない、と思って辞めた。その場でお題目を考え、すぐにYES/NOに分かれてディベートを始めても、じっくり調査したり考えるインプットの時間がないので、よいディベートなどできるわけがない。僕はものごとをじっくり考えてソリューションを考えたいし、本来、ディベートは物事の裏表を多面的に考えるためにやるのだから、即興ディベートなどゲームでしかなく、何の役にも立たないのだ。

 即興ディベートとケース面接は、その点で極めて似ている。どちらも、ものごとの本質はそこからは見えてこないし、より有効な問題解決にもつながらない。コンサル会社は、あの頭の回転速度だけを試す採用面接方法は、やめたほうがいい。即興型ではなく、僕のようなじっくり深堀型の人材こそ、コンサル会社で本来、使えるはずなのだから。


 以下、『THE21』4月号の私の原稿部分を転載しておく。

あなたの仕事はどう変わるのか?これから10年、伸びる業界・沈む業界
■キーワードは「IT」「グローバル」「高齢者」
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『THE21』4月号
 国内の産業はどうなっていくのか? 『10年後に食える仕事、食えない仕事』で日本人の仕事を論じたジャーナリストの渡邉正裕氏は指摘する.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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計6ページ

 
03:31 03/20 2015 | 固定リンク | コメント(1) | アクセス数(3384)


03/09 2015
 ユニクロ新卒採用900人についてのツイートが拡散され表示回数が20万回超となっている。ずいぶんとこの問題(新卒大量採用の本当の意味)には、世間の関心が高いことがわかった。

 柳井社長が国内長者番付1位の資産家であることが、ちょうど先週報じられた、というタイミングもあっただろうし、先月、来日したピケティ教授がメディアに出まくって格差問題が意識されていたこともあるだろう。

 この日、一斉に各局の報道番組で流された「ユニクロ900人入社式」のニュースについて、それだけ多くの人が、胡散臭さを感じたわけである。「若者を使い捨てていく経営者が資産を増やしていく社会って、何かおかしいんじゃないか」と。

 私も、このような、スポンサー企業側からの一方的な視点でしかない報道姿勢にはうんざりしている。このニュースには、働く側の視点が全くない。他のコーナーでユニクロの大量離職問題が報道されることも全くないから、バランスが最悪だ。これは、多様な視点を求める放送法にも抵触している。

 しかし、柳井社長はもちろんそれを知っている。テレビ局が、巨大広告主である自分を批判できないことも知っている。だから、この「情弱使い捨て戦略」は、ユニクロにとって、極めて合理的なのだ。そんな労働環境でも、入社式にカメラマンの入場を許して報道させておけば、来年もたくさん採れてしまうんだから。

 マスコミは、情弱を洗脳する手段として、ユニクロの人事戦略に組み込まれているようなものだ。900人入社の報道を見る情弱は「成長が続いていて、ずいぶん景気がいい会社だ」としか思わない。入社数は報道されるが、離職率は一秒も報道されないからだ。

 ユニクロにしてみれば、ごく少数のスーパーマンだけが幹部候補として残ってくれればよく、残り大多数は、給料が安い20代後半までに辞めてくれて、また安い新人と入れ替わったほうが人件費を抑えられる。店舗仕事はマニュアルでガチガチに縛られた肉体労働だから、若くて体力があるほうが望ましい。オヤジもオバサンもいらない。

 使い捨てられることを知らずに入社する若者には気の毒だが、9割は使い捨て要員とみてよい。裁判でも認定されている通り、ユニクロは労基法を守らないし、「絶対にサービス残業はなくならない仕組み」(複数の元社員)だから、普通の体力しかない社員は疲弊し、持ちこたえられない。

 ユニクロは正式に最高裁がブラック労働を認定し、私も数多くの社員(ほとんど有名私大卒)を取材して、実態を報じてきた。ただ、弱小なニュースサイトの報道は、残念ながら情報弱者には届かない。

離職率3年で5割、5年で8割
ベテラン社員が語るサービス残業&うつ病
「柳井正は人として終わっている」
「これは軍隊以上だ」
ユニクロのバイオレンス経営
ブラック認定されたユニクロ
ジーユーもブラック

 この会社は、国内4182人の社員(別途、非正規が17708人)で国内831店のユニクロを回しているわけだが、しばらく国内は増やさず850店程度を維持する見通しのなかで、国内900人もの新卒正社員を採ったということは(海外は別途現地採用している)、離職率の高さを見越していることになる。

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有価証券報告書より
 パートを「地域限定正社員」に入れ替えていくために多めに採ったにせよ、非正規の人にだって生活があるので、勝手に辞めさせるわけにもいかない。

 既存社員の一部を海外展開要員として送り込むにせよ、そのようなクラス(SV以上)の人材は既に大量出店が続く海外に出ていて手薄だ。

 結局、大多数の新人は、数年で心身をすり減らして辞めていく人の穴埋め要員として活用され、自分も数年後に、部品のように取り替えられる。ツイートを見た社会人は、自身の経験からそのカラクリに気づいているから、ユニクロのPRでしかない入社式のニュースに違和感を感じたのだろう。

■「あと1人ずつ増やせれば」
 ユニクロは働く人から見たら、9割以上の人にとって、間違いなくブラック企業であり、ごく少数の超人的にタフな人にとってはよい会社である。

 一方で、ユニクロは消費者から見ると、100点満点な会社であり、私も高く評価している。完璧に訓練された社員による、完璧なオペレーション。店にはゴミもなく、品切れの補充も迅速で、レジのスピードも超トップ、店員は私語もなくキビキビ動き、店にはほどよい緊張感がある。製品は頑丈で日本人の体形にぴったり。ZARAやH&Mなど話にならない(→ユニクロはファッション店?)。

 まるでトヨタの工場なのだ。真面目で几帳面で手抜きをしない日本人の強みが如何なく発揮されている。ユニクロの後に訪れれば、アローズやGAPの店は、あらゆる点で二流に見える。

 しかし、そのレベルを保つための社員の労働強度は、半端ないものがある。過労死が多発してきたトヨタの現場と同じようなものである。常に120%で動いても終わらないだけの業務量が課され、普通に働くことは許されない。

 だから、取材の際に社員が口々に言うのは、「あと1人ずつ、各店舗に人を増やせるなら、すべてがうまく回るのに」という話だ。1人ずつ増やしたところで、利益は十分に出る。それで、働く人も、消費者も、株主も、オーナーも、十分にハッピーではないか。しかし、それを許さず、利益を極限まで追求するのが柳井社長なのだ。この手加減を知らない強欲ぶりだけは、残念でならない。

■情報ギャップを埋める法整備を
 問題の本質は、両者の情報ギャップにある。学生は、その企業の労働条件が全くわからないなかで、選択を迫られる。会社に離職率や有休消化率を聞いても、人事部はもちろん教えない。それどころか、×をつけられて不利になるはずだ。

 そもそも職歴のない学生が、百戦錬磨の人事に、強気で聞けるわけがない。ただでさえ大企業は、交渉力が強いのである。これは、全くフェアではない。

 だから、以下情報を、ウェブ上に開示するよう義務付けるべきだ。それで全てはカイゼンに向かう。労務部門が持っている情報をウェブにアップするだけだから、追加コストも一切かからない。政治家が法律を通すだけでよい。

 ・新卒の3年後離職率
 ・平均の残業時間
 ・平均の有給休暇取得日数
 ・休職者の数と理由
 ・労災認定数と内容

 それを見て、それでも働きたい人はユニクロで働けばよい。僕が取材した限りでは、ユニクロは、すべてこれらの数字は最悪に近いが、それでも店長の給料は業界トップだし、業界トップ企業のノウハウを身に着けて転職なり独立なり、次のステップに進みたい人もいるわけだから、そういう人は入社すればよいと思う。

 ただ、情報が開示されると、それまで押えつけられていたマスコミも、合法を盾に報じやすくなる。テレビや新聞はともかくとして、東洋経済やダイヤモンドのような経済メディアは、就活シーズンに見やすいランキング表を作成して特集を組む。そうすると、下位の企業にはブラックなイメージがついてしまうため、ユニクロとしても数字をカイゼンせざるを得なくなることは確実である。

 この情報開示義務は、過労死防止にもダイレクトにつながる。経団連は人件費増につながるために絶対反対だ。業界団体のための政治なのか、働く国民のための政治なのか、日本の国のかたちが問われる。

 残念ながら自民党は戦後一貫して、国民・生活者よりも、企業利益を優先させてきた。途上国の開発独裁型政党から脱皮できない今の自民党には、全く期待できない。ただ、次の時代を担う政権は、こういった情報開示の法律を公約に掲げられる政党以外は、ありえない。これができないのなら、自民党と同じであり、存在価値がないからだ。

 
11:08 03/09 2015 | 固定リンク | コメント(3) | アクセス数(5917)



ココで働け! “企業ミシュラン”

渡邉正裕(WATANABE Masahiro)
(株)MyNewsJapan代表取締役社長/編集長/ジャーナリスト。ほぼすべての主要企業内ホワイトカラーに情報源を持つ。現役社員への取材に基づき企業の働く環境を一定基準で評価する「企業ミシュラン」を主宰。日経新聞記者、IBMのコンサルタントを経てインターネット新聞を創業、3年目に単年度黒字化。
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