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今回はみんなの党だ(2013年参院選)

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左上のエリアにいる党の政策だと財政破綻一直線確定。

小室淑恵氏がスズカンのネット番組で対談しただけで参院選中のNHK出演禁止処分となったように、日本は民主国家のはずが、誰かを支持していると疑われるだけで仕事を剥奪されるため、こずるい評論家らは中立を装って誰への支持も表明せず、結果、ネット選挙が解禁されたのにネット上の議論が盛り上がらない。

言論人なのに政治意思を表明できない人は、何も考えてないか、中立を装って世論誘導を図る卑怯者だ。日米の新聞の違いもそこにあり、日本の新聞はありもしない公正中立原則を掲げ、誰も応援していないふりをするため、何を言ってるのか意味不明な無価値の論説が並ぶ。一方、米国の新聞は社説等で支持政党を明確にする。

私は前回(2007年参院選)は「東京選挙区は川田龍平へ 比例は民主党」と表明したが、今回も川田氏が入党したみんなの党を応援したい。

■既存政党は終わっている

いつもの枠組み(右上図)で説明すると、旧来の政党は、全て財政破綻ゾーン(左半分ぜんぶ)へまっしぐらである。

安倍政権はTPP参加など経済活性化の必要性は理解しているが、「第3の矢」は何と薬のネット販売といったほとんどマクロ経済には影響ない微小なものにとどまり、不発。農業・医療・電力など巨大マーケットは既得権に敗北し斬り込めなかった。一方で、国土強靭化の美名のもと、支出を減らすつもりは毛頭なく、キックバックを得た(=収賄)。今後も、左上のゾーンへと引っ張られていくはずだ。

縦軸は、再分配の度合を示す。上が大きな政府、下が小さな政府。安倍政権を真ん中(約40兆円の税収で約90兆円の歳出)とすると、社民・共産の「正社員既得権はそのままで、非正規は全員正社員に」は単純な総人件費アップなので、その分、企業利益が減り、法人税収が減り、企業が海外移転するので失業率も上がり、所得税は減り…と負のスパイラルが止まらない。

さらに該当者全員を生活保護で甘やかしたいらしいので(そんな余裕はどこにもないのに…)、社会保障費もガンガン上がり、3年後には税収が30兆ほどに落ち、歳出は120兆くらいに膨らみ、財政破綻→大増税&ハイパーインフレで国民の大半が貧困に陥る社会となる。

政権をとったあとに「事業仕分け」で国民の目をごまかしつつバラマキで歳出を増やし続けた民主党も、旧田中派を中心とする自民党族議員系(農水族、土建族、厚生族…)も、伝統的にバラマキ大好きな公明党も、基本的に同じ結末に国を導く。その蓄積が現在の「国の借金1000兆円」なのだ。

■改革政党は維新西軍とみんなの党

維新の西軍(橋下代表)は歳出カットや規制改革をよく分かっていて期待できるが、現状、東軍(石原代表)の幹部(=片山虎之助、平沼赳夫…)がグローバル化や規制改革を全く理解できておらず、むしろ反対であり、橋下氏は国会議員でないため機関決定できる立場にもない。

よって維新全体としては左下のゾーンに収まり、歳出は自己責任論から生活保護費カット、社会保障費カットなどで80兆くらいに減らせても、歳入のほうも経済縮小で30兆くらいに減るため、やはり借金が増え続ける縮小スパイラルコースで、近々の財政破たんという結末は同じである。

期待できるのは、維新西軍とみんなの党で、どちらも農業既得権に斬り込むTPPに賛成しており、「安倍政権の第3の矢では規制改革が全く足りない」「行革も社会保障改革も、ぜんぜん足りない」という、至極真っ当な政策を主張している。10年以上先の日本を心配する若手・中堅ビジネスマンのほとんどは、維新西軍かみんなの、いずれかを支持するのが、当り前すぎる結論だ。

内政では一致する両党だが、維新西軍は外交問題(従軍慰安婦)で暴走し、みんなの党が選挙協力を解消した。現在の国民の期待は外交ではなく経済にあるだけに非常に残念である。

みんなの党は「電力、農業、医療という3つの規制改革」という極めてわかりやすく正しい政策を繰り返し発信している。こうした改革で経済規模を拡大し、GDPと税収を増やし、一方で行政をスリムな体質にして、財政再建しつつ、余裕が出てきたら道州制へ、そして総額として再配分が強化される方向へ、というのが私の考えなので(緑矢印)、今回は意見が完全に一致する「みんなの党」を支持したい。

■選挙区は難しい

僕は東京選挙区なので、みんなの党だと、桐島ローランド氏が候補者である。演説や政見放送を見たが、これは失敗だと感じた。自己PRも志望動機も曖昧で、企業の採用面接なら一次落ちだろう。

なぜ政治家にならねばならないのか、いくら聞いても理由が伝わってこない。川田龍平氏が医療行政を変えたいという動機は心底からよくわかったが、ローランド氏が政治家にならねばならない必然性は、彼の経歴から、どこにも見当たらない。

みんなの党としては、これ以上、論客を増やしてしまうと収拾がつかなくなるので門外漢のイエスマンが欲しかった、という事情もあると思うが(党内上層部もそうまとまりがよくないらしい)、特別な実績があるわけでもない写真家を、親の7光による芸能人的な知名度から擁立するというのは、明らかに失敗だ。

おそらく現職の人たちも、内心は「違うんじゃないのか…」と思いながら、組織人として応援に借り出されていて、ツラそうに見える。

■選挙区は山本太郎、比例区は川田龍平

僕は経済成長の点からTPP賛成なので、その点では山本太郎候補を全く支持できないが、「反原発の人はなぜかセットで反TPP」という残念な傾向があることから、知識のない分野に周囲から吹き込まれただけだろう。

一方、原発については、僕は早期撤退・発電自由化促進なので、自民の監視役としてもっとも適任な山本太郎氏を推したい。俳優を事実上廃業してまで活動する姿勢が、川田龍平氏とダブって、ホンモノに見えるからだ。あの活動は、演技ではできない。

民主党政権がSPEEDIの情報を隠ぺいした件についても、山本太郎氏が現場にいたら、役人的な手続きを無視して、職を辞してでも住民に公開しただろう。吉田所長が本店の指令を無視して海水注入を続けたのも同様であるが、そうした国民を守るための行動力、決断力が、政治家にとっての重要な資質なのである。

結論として、参院選投票先の1枚目は、やや消極的な支持ながら、山本太郎。2枚目は、積極的な支持で、川田龍平(みんなの党)ということになる。

■雇用・労働政策の答え

僕は雇用・労働分野を取材しているため、以下の政策が必要だと思っている。これらを実現すると、ブラック企業問題や非正規の格差問題は解消される。みんなの党と維新の公約は、これらに近く、違和感はない。

①同一労働同一賃金法(雇用安定性、社会保障、時間給での、正規・非正規間差別禁止)により、フェアな労働市場にする。

②従業員100人超の会社に対し、労働環境に関する情報開示(3年離職率、残業時間実績、休日取得実績、有休消化率、全労災認定案件、休職者人数と理由、36協定、平均賃金)を義務付け、WEBで公開。

③解雇時の労働者の権利を保証する(整理解雇時の割増金を勤務年数によって決め、重い罰則をつけ中小企業にも均しく守らせる=2年以上勤務で年収1年分割増、5年以上で2年分割増など)。

これらの政策は予算措置も不要でやる気さえあればできるが、真っ向から反対するのは、正社員既得権の死守を掲げる連合である。

 民主党政権の3年間でわかったことは、労働分野に関しては、最大の既得権団体である連合がバックについた政党には、何1つ本質的な改革は不可能である、ということだ。僕は、連合を支持母体とする政党には、もう二度と投票しないだろう。日本を救うのは非自民・非連合の政治力だ。みなさんも、これを肝に銘じて投票に臨んでいただきたい。

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payequity12014/03/28 22:27

【渡邉正裕】民主党政権の3年間でわかったことは、労働分野に関しては、最大の既得権団体である連合がバックについた政党には、何1つ本質的な改革は不可能である、ということだ。僕は、連合を支持母体とする政党に

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中澤康人2013/07/19 17:29
2013/07/17 01:34
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