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人員の不良債権処理

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久米宏『テレビってヤツは』はウラの報道ステーションよりずっと面白い。

以下の、竹中氏がテレビで言っていたことは全くその通りだと思う。私が主張してきたことと同じだ。まさに答えはそこにある。

氷河期世代を救い、労働市場を正常化する政策提言 (昨年5月の記事)

この改革を、在任中の規制緩和(2004年の製造業派遣解禁)とセットでやらずに先送りしたことが今日の非正規問題につながってしまった点の責任は免れないが、とにかく、早期に実現させねばならない。

「正規と非正規の間に、明らかに法律的な格差がある。よく競争が格差を作っているというが違う。制度が格差を生んでいる。テレビ局の正規雇用の人はテレビ局が潰れる直前まで絶対にクビにならない。1979年の東京高裁が出した判例があるから。

そうすると企業はおのずと身を守るために非正規を増やしてしまう。だから裁判所がそういう解釈をするならば、政治が法律で、同一労働同一賃金にしろ、正規も非正規も解雇について同じにしろ、と。

 そういうことを議論するのが政策論なのであって、市場原理主義はダメだとか言っていても何も議論は進まないと言っているんです」
 この竹中氏の言う高裁判決というのが、東洋酸素事件において1979年10月29日に下された東京高裁判決であり、有名な「整理解雇の四要件」が示された。
整理解雇の四要件
1.「整理解雇の必要性」 人員整理をしなければ、どうしても企業が倒産するなど経営危機が差し迫っているのか

2.「解雇回避努力」 新規採用をやめるとか希望退職を募るなど会社が経営上の努力をしたか

3.「解雇手続きの適正」 労働組合や労働者に十分説明をして労働者の納得を得る努力をしたか

4.「人選の適正」 誰を解雇するかの基準がはっきりしていて、その基準が適正で、基準の適用が正しくされているか


東洋酸素の解雇は有効とされたが、その際に、整理解雇が許される場合の四要件が示された。それが上記である。

90年代の銀行の不良債権処理と同じで、企業が人員の不良債権を処理できないことが、若い人からチャンスを奪い、結果的に、日本経済の潜在成長率を高めるうえでのボトルネックになっているというのが私の考えだ。

その点で、竹中平蔵が不良債権処理を進めたように、この解雇法制の均等化を断行し、不良人員(=貰いすぎ正社員)の処理を進められる政治家が出てくるまで、日本経済は浮上しないだろう。経営というのは、付加価値の創出だから、働かないのに給与だけ高い正社員がいればいるほど、その会社は利益を圧迫され、法人税収も減り、国の経済は悪化する。

最悪なのは、それが世代間格差を深刻化していることだ。年配正社員の既得権が守られ過ぎているために、若い人ほど非正規社員の比率が高くなっており(半分を占めるまでになった)、若い人に技術が蓄積されないということは、すなわち日本経済の未来が成長に向かうはずがないのだ。

残念ながら、連合の支援を受けている小沢民主党政権にはこの改革ができない。だから、これから2番底を見るのは確実である。選挙が9月にあるとして、小沢政権が公約どおり農村などにバラマキを始め、これは何の乗数効果もないし高齢化した農家の平均65歳の人たちにバラマくことで、世代間格差はさらに拡大する。当然、経済は底抜けする。

明けて2010年、株価が6000円前後を底ばいし、失業率が10%を超えたころ、やっと過ちに気づき始め、「上げ潮派」を中心に政界再編へ。労働者の均等待遇を公約に掲げた政権が秋口に発足すると、その他の規制改革政策や投資減税政策で間違わなければ、2011年の半ばから、経済が上向きに転じる。

これが考えうるもっともましな最短シナリオで、ダウンサイドリスクとしては、政界再編でも与謝野、谷垣、伊吹、町村といった過去官僚系とその仲間たちがしぶとく政権に生き残り、「バラマキ公明党」も連立で政権に居残って日本のタイタニック化を進め、2番底割れ、どん底へ突進、というシナリオも十分ありうる。

 とにかく、経済・経営が分かっている人に政治をやってもらいたい。

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payequity12014/05/23 22:11

【渡邉正裕】年配正社員の既得権が守られ過ぎているために、若い人ほど非正規社員の比率が高くなっており(半分を占めるまでになった)、若い人に技術が蓄積されないということは、すなわち日本経済の未来が成長に向

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boshi2009/02/05 19:27

2番底!/そうですね、ロジカルに考えればそうなります。日本を出る準備を始めましょう(笑)。

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読者コメント

2009/02/06 16:32
松本孝行2009/02/05 10:58
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