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街中、毎日が縁日なハノイ

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大衆食堂で2杯食べる。使い放題のライムが嬉しい。大衆食堂の多くは、歩道でも営業している。左上は食べ終えた1杯目。

昼間は街をひたすら歩き、腹が減ったらフォー・ボー(牛肉入りベトナム麺)を食べ、喉が乾いたらヌックミア(搾りたてさとうきびジュース)を飲み、疲れたらカフェで本でも読みながらベトナムコーヒーを飲み、暗くなったらホテルで夜中まで執筆・編集をする。そんな毎日を送るつもりでやってきた。

ハノイは日本でいうと5月下旬から6月上旬くらいで、20度前後と過ごしやすい。旧市街を1日4~5時間も歩いていると、2日目の終わりには両足裏に大きなまめができた。履き慣れた靴なので、これは防ぎようがない。まめの水を抜き、翌日にはまた歩き出す。

東京は私にとって、もはや歩くほど不愉快になる街だが、異国の街歩きは、なかなか飽きない。足腰は丈夫らしく、足の裏が痛いのを除けば、延々と歩き続けられる感じだ。

学生時代に来たときとの違いは、バイクの激増。旧市街もバイクだらけで、気を抜いているとひかれそうだ。ほとんどの交差点に信号がないのだが、うまいこと行き交っている。

旧市街は約1千年の歴史があり、もともとバイク時代など想定していない街作りなので、歩道はバイク置き場と化し、狭くなった道を歩く人はバイクにぶつけられそうで、排気ガスも充満している。

ようは、今や「エンジン付きの代車」(ターレ)が人力の代車に代わって行き交うようになった築地市場内と同じで、機械化を想定していない道幅のため、狭すぎて危険なのだ。そういえば旧市街は街中が専門店街の市場なので、かつて活気があった頃の築地に似ている(うちの実家は鮪の仲卸業である)。

バイクの激増と反比例してシクロ(人力車)は激減し、ほとんど観光客向けの乗り物になった感がある。乗っているのは欧米の「いかにも」な観光客ばかり。

シクロに乗った白髪の中高年観光客を見るに付け、自分の足で世界中を見て回れるのは、40代が限界だろうな、と感じる。となると、時間は迫ってくる。『噂の真相』の岡留編集長は25年も編集長をやってから、沢木耕太郎のような放浪をしたいと述べていたが、60歳では難しいだろう。シクロを見ていて、体力があるうちに自分の足と目で世界中を見てみたい、という思いが募った。

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完全な屋台。なぜかプラスチックのちっちゃなイスと机が定番。

途中、街のはずれの、屋外の完全屋台で、フォーを食す。1杯1万5千ドン(100円くらい)。これが相場らしい。

屋台は、歩道を完全に占拠して経営されている。歩道はもはや、人が歩くところではなく、屋台かバイク置き場になっている。

歩道には、ママゴトで使うようなプラスチックのイスと机が必ずあり、昼間からそこらじゅうで皆が飲み食いしている。このママゴトセットは、政府が支給しているのだろうか?と思うほど、そこらじゅうにある。軽くて丈夫で清潔で、かなり機能的な代物だ。

それにしても、店を仕切っている“テキヤ”のおばちゃんはともかく、この人たち(客)は仕事をしないのだろうか。ひまわりの種を撒き散らし、お茶を飲み、歩道で一日中すごしている。

屋台だらけなので、見た目、街中が、日本でいう縁日のようで見て歩くには楽しい。バイクをよけ、屋台をよけ、巨木をよけ、破壊された道に注意しながら、まっすぐ歩くことができないのだが、興味はつきない。

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屋台のフォーは15000ドン。ヌックマム(魚醤)と赤味噌もいい味でてる。

フォーやコムは屋台では1万5千ドンなので、ただみたいなものだ。

外国人旅行者が多いホアンキエム湖周辺の大衆食堂(半分屋外だが)でも、ビール(ビアハノイ)とフォーで4万ドン(250円くらい)だったから、フォーは2万ドンくらいのものだろう。

「PHO24」という外国人向けのフォーのチェーン店(!)だと、屋外と店内がやっと仕切られて清潔で落ち着けるのだが、1杯3万8千ドンもする。

一番おいしいのはだんぜん屋台で、一番まずいのはホテルだった。値段が安くなるほどうまいのは、屋台のほうがターゲット顧客数が多く、生き残りをかけた競争が激しいからだと思う。

体重計に乗ると、4日めには3キロ太って62キロになっていた。足首は筋肉痛だ。これだけ運動しているので、健康的な太り方である。

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延々と歩道を占拠して夜中までたむろしている。路上営業の権利関係とか、どうなってんだろうか。

一方、さとうきびの生ジュースを飲ませる店は、ずいぶん減った。まだ夏ではないからだろうか。スーパーでは、グアバジュースが600mlで10500ドン(70円くらい)で売っていたので、とりあえず買ってホテルで飲むことにした。

物価で圧倒的に高いのは、タクシーだった。市内にかなりの台数が走っているが、初乗り10万ドン(700円弱)と日本並み。しかも1万ドンずつ、1分置きくらいに、どんどん上がっていく。

シクロも外国人向けに交渉が厳しくなっており、20分程度の距離で5万ドンを譲らなかった。

 あと10日くらいいてもいいな、と思っていたら、予約していた飛行機の時間が過ぎてしまっていた。

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