編集長ブログ一覧
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マーヴェリック善美氏が「やりがいある仕事」を「市場原理のなかで」実現できるワケ野党が出した解散要求決議案に賛成した渡辺善美氏。(『報道ステーション』12/24)2009/01/11
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夢のある政策を議論しろ国会では「定額給付金を受け取るか」と「内部留保があるのに派遣切りはけしからん」という精神論が議論されている。なんと低レベルな国だ、とあきれてしまう。グリーンニューディールで立て直すと言ってるオバマみたいな夢のある政策議論をなぜできないのか。受け取るか受け取らないか閣僚全員に聞くマスコミのアホさも、つまらない喜劇を観ているようで嫌になる。国会議員とマスコミ社員の日本一高い人件費がこんな下らない質疑応答に費やされているのだ。法律家のキャリアで経営を理解していないらしい枝野氏が派遣切りを批判していたが、派遣を規制しても、規制前の元の状態には絶対に戻らない。失業率が上がるだけ。2004年の派遣法改正がなくても日本の非正規社員は一貫して増え続けているので、派遣法改正がなければ、派遣ではなくてパートや契約、請負になっていた。どのみち全員正社員体制では国際競争力がないのだ。派遣法改正は、ルビコン川を渡ってしまったのだから、戻しても労働者全般の利益にはならない。私は非正規に置き換えるコンサルを5年やっていた。正社員を派遣/パート社員に置き換えると、大企業では1人あたりのコストが約3分の1になる。しかも製造業ではパートでもできる仕事が多く、ある業界最大手企業の品質管理部門では、65人の正社員のうち31人をパートと入れ替えても業務が回ってしまうという調査結果を出したこともある。派遣を禁止しても、パート社員や請負会社が入るだけで、正社員に戻ることはありえない。無駄に高いだけで経済合理性がないのだ。ただでさえ日本の正社員はこの円高でほぼ世界一の高賃金を得ている。平均を上げれば国際競争力が落ちて日本の製造業は泥舟化するだけだ。過去には、人手不足の経済成長期に人材確保のため正社員を雇っていただけで、今は逆に人あまりになっている。しかし、菅代表時代に政調会長をやっていた枝野氏も製造業への派遣解禁は間違っていたと明言し、テレビ番組でこの問題を聞かれ「もちろん禁止によって全員が正社員に戻るとは考えていないが、一定程度は戻る」から2004年以前に戻すべきと言っている。このコンビは、政権とったら、本気でやる気だ。だが、パート・請負・期間工といった、他の形態の有期雇用に置き換わるだけである。企業に正社員として雇う義務を課せる訳がない。菅直人氏の名言「企業はリストラできるが、国は国民をリストラできない」はそのとおりだが、企業が成長しないと雇用は増えないのであって、菅氏が成長戦略を語ったのを見たことがない。市民運動出身の菅氏と弁護士の枝野氏という「経営はよく分かりませんコンビ」が民主党の政策立案の中心にいて政権をとったら、日本経済は泥舟化して沈没するだろう。企業内同一労働同一賃金を法制化し、解雇法制から不利益変更まで、正規も非正規も均等待遇にする(つまり正社員の過剰保護をなくしフェアな労働市場にする)のが、何よりも先である。そのためには正社員の利権集団である「連合」の既得権を打破すべきなのであって、民主党は、派遣規制強化法案ではなく均等待遇法案を提出しなければいけない。2009/01/10
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京セラがmynewsjapanを接続禁止サイトに京セラの「賞与支給式」なるものをアップした。京セラ“賞与支給式”で全社員に明細手渡し「貰えることに感謝しなさい」関係者によれば、京セラは「最近、この手の情報に会社側が非常にナーバスになっている」そうで、mynewsjapan.comには、以前はアクセスできたのに、前回の記事がアップされて以後、会社からサイト自体にアクセスできなくなったそうだ。「社員のアクセスログも取っているようですし、メールも検閲が入ってるような気がします」。メガバンクや富士通並みの厳しい情報管理である。京セラのような有名企業にNGサイト認定されるとは光栄だ。「やりがいある仕事を市場原理~」(光文社)のなかでも書いたが、グーグルやオーバーチュアもうちのサイトをNG認定していて、検索連動広告を打てない。グーグルは「企業名は商標用語だから企業の許可が必要だ」(ウチのサイトは企業の悪いところも書くから許可される訳ないんですけど)、オーバーチュアは「コメント欄に誹謗中傷がある」と訳の分からないことを言ってきた。要するに、グーグルが中国政府に反体制派の情報を渡すのと同じで、「supercapitalism」(ロバートライシュ)のよい例だ。カネ儲け主義を義務付けられている上場企業に人間が持つモラルを求めてはいけないことがよくわかる。■手渡し会が「歴史」になる日なお、大手渡し会は、キヤノンでもやっている。こちらは現生だからすごい。「感謝しろよ」という押し付けがましさすら感じる。本来、雇用関係は対等なはずだが、到底、そうは思えない。キヤノン厳しさ増す昇格スクリーニング、若い人ほど狭き門にキヤノンでは年末、ボーナスやサラリーとは別に、「お祝い金」が出る。その日は、「ご苦労様でした」というCEOメッセージがイントラに掲示され、夕方、派遣社員が帰ってから、手渡しされる習慣がある。部長が課長に、課長が平社員に、封筒に現金を入れて、手渡す。給与明細も、毎月、全社員が手渡しで貰う習慣がある。ボーナスも、御手洗会長が自ら、約800人の部長級以上の幹部に対して、手渡す。メディアの取材に対し「最後のほうになると手のひらが痛くてたまらなくなる」と述べている。御手洗氏は、手渡しにこだわりを持っているようだ。特許が評価されたときなども、現金(5~10万円)が手渡されるという。こうした“昭和企業”は、いずれも終身雇用を維持している。キヤノンも京セラも「社員は家族」だからリストラしない、そして、一体感を確かめるために「手渡しの儀式」に労力をかける。果たして、今回の不況を生き延びることができるのか。為替が1ドル70円までいって1年続けば、「トヨタ・キヤノンついにリストラ」のニュースが流れるだろう。リストラの開始とともに、手渡しの儀式も過去のものとなるだろう。「そんなことやってる場合じゃないでしょ」の空気に支配されるはずだから。2009/01/08
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永田氏も30代だった飯島愛に次いで、また30代の永田寿康氏が亡くなった。先が見えてきて、再チャレンジが効かなくなる30代の苦しさ。特に真面目な人ほど、生きる希望が失せるのだと思う。再チャレンジを許さない日本のカルチャーを元国会議員が証明したかのようだ。永田氏は東大→大蔵省→国会議員で、結婚もしている。客観的に見ると恵まれすぎだ。私の周りにも慶大生のなかには、全てにおいて(頭脳、家庭、容姿、就職…)恵まれすぎていて、オマエ少しは苦労しろよ、と言いたくなる人は珍しくない。私のように挫折だらけで会社と裁判やるほど悩めとは言わないが、「努力なんて報われないし、やってらんねぇなぁ」と思うことは多い。だが、“生まれつき要因”で若い時分に「恵まれすぎ、順調すぎ」の人は、30代以降に深~い落とし穴に落ちることがあり、しかも耐性がついていないから這い上がるのはさらに大変、というのが、いささか単純化した今回の事件の見方ではないか。偽メール事件のときの永田氏は、それまで順調過ぎたからか、明らかに調子に乗っていて、国会を軽くみていたと思う。だから、努力が報われずに苦しむことは、そう悪いことでもない。先憂後楽なのだ。そうとでも思わないとやってられない…。■同様に、生まれつき恵まれている人が多いのが、大企業である。似たような構図(恵まれすぎ、耐性ナシ)はおおいにあるとは思うが、それにも増して「働かせ過ぎ」問題のほうが大きい、というのが私の結論である。300人近くの正社員総合職を取材してきたが、いつも話題として盛り上がるのが、社員の精神疾患とその最悪のケースとしての過労死、自殺。それも、30代が多いのだ。トヨタ社員の自殺の件は単行本『トヨタの闇』にもリアルに書いたせいで社内で問題になったらしいが、こうやってジャーナリズムが報道しないと問題がなかったことにされてしまうのだから、問題を顕在化させるために、私は使命感で淡々と報じている。ジャーナリズムが存在しない既存マスコミは「スポンサー降りるぞ圧力」に負けて、電通過労死事件のように、遺族が裁判を起こさない限り書かないという大本営発表ぶりだから、私がやるしかない。ソニー若手社員の独身寮での首吊り自殺については、幻冬舎が「本のイメージにかかわる」などと渋り、単行本『これが働きたい会社だ』では削除されてしまった。同期入社の社員から直接聞いた話が嘘の訳ないでしょう、嘘つく動機がないでしょう、と説得したのだが、残念だ。「隣の室の室長が自殺した」(三井物産)、「自分が所属していたパソコン誌の編集長が突然、自殺した」(朝日新聞社)というように、まあとにかく聞けばポンポンと、身近な人が、どうみても仕事上の理由で逝ってしまった話をリアルに聞ける。隣の部署まで広げれば確実に1人は現役社員が亡くなっている、という程度に身近だ。会社は表面化しないよう、全力で握り潰すべく、ウラで緘口令を敷く。よって厚労省はもちろん把握していないから、その深刻さに気づかず他人事だ。だが、事件は役所ではなく現場で確実に起こっている。→三井物産→朝日新聞ファイザーのMRによれば、「だいたい10人に1人くらいはいて、毎年1人くらい身近で知ってる人が精神疾患になっている。十数人の営業所でも2~3人経験者がいる」というから、かなりの高確率だ。取材しても精神疾患の話が出てこないのは、“のんびり公社体質”が残るNTTや独占企業の東電くらいである。■原因は、正社員の働き過ぎ。しかもほとんど裁量労働制になっているから時間では計れないし、社員が出世のために、自ら「過働き」に応じる。過労を拒否するということは、即ちその会社での出世を諦める、ということ。その場合、外の世界に魅力的な選択肢があればよいのだが、流動化が不十分なために、ないと思う人が多いのだ。たとえばトヨタで「過働き」に応じなければ、和を乱した、KYだ、という烙印を押され、30代以降の出世は絶望的となる。そして、愛知県でトヨタといえば最良の会社であり、家族でもいようものなら、辞めるなどとは言い出せるはずもない。以下のリポートは、そのトヨタ自動車に20年以上勤め数年前に辞めた総合職社員を、昨年、私が直接取材して聞いた貴重な話だ。この証言では、亡くなった人数が計7人にものぼる。89年、90年ごろのバブル期、1ヶ月以内に立て続けに起こったのでよく覚えているのですが、3人が亡くなったんです。「人が足りないから仕事をしすぎる」という状況は、今に似ています。①明知(みょうち)工場で、石を粉砕する砂を作る機械に人が巻き込まれて、ミンチになってしまった。社内報には「過労のため」とだけ出ていました。②技術部の建物増築で、工事部の人が転落して、鉄筋に刺さって亡くなりました。③高岡工場の2Fで、フォークリフトで作業をしていて、1Fにフォークリフトごと転落して亡くなりました。その後、94年、円高で業績が厳しかったときのことです。私の知っている範囲で、半年の間に、43歳の社員が2人、35歳の社員が1人、亡くなりました。43歳の人は、1人が肝炎、もう1人がラグビー部出身でした。35歳の人は、海外企画部の人で、過労だった。今の渡辺社長が、コーラス部で、追悼の歌を歌っていたのをよく覚えています。私が会社を辞めた後、去年10月にトヨタ市に行ってメールボックスを開けたら、同期が亡くなった、今夜が通夜で、明日告別式だから来い、という案内が入っていました。人事部の基幹職3級の人で、単行本『トヨタの闇』に出ていた、朝の挨拶を指導していた人です。朝の5時に車に乗って行きました。火曜日でした。告別式のとき、宮崎という人事部長が「2級への昇格をお知らせします」と挨拶していた。「そこで言う話か!」と思いましたよ。退職金の算定などで有利になるから誠意を見せたのでしょう。同じ年の8月、自分より10歳若い人が、急性脳梗塞で独身寮で倒れ、半身付随になっていたので、見舞いに行ってきました。まだ33~34歳です。「だからあんなに働くなって言っただろ」って言いました。自分が知っているのは、せいぜい1000人くらいの範囲です。全体は7万人ですから、70分の1のなかでも、これだけのことが起こっているわけです。私が知っているある海外部門の部署では、今でも40人中、6人が会社を休んでいるそうです。2009/01/04
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久しぶりに面白い「Nスペ」討論年末年始の番組では、NHKスペシャル「激論2009」(元旦夜)が抜群に面白かった。スタッフィングが絶妙だ。この面子はNHKのブランドがないと揃わないと思う。このカードより面白いのは池田信夫VSリチャード・クーくらいだろう。竹中平蔵・八代尚宏ペアVS金子勝・斉藤貴男ペアのダブルスだった。(オマケで山口二郎、外交枠で岡本行夫、女性枠で勝間和代)急進構造改革派VSイチャモン派、の印象。後者は対案が見えず「週刊金曜日」的だ。漠然と社会民主主義がいいと言って批判するのは簡単だ。どうすべきだったか、これからどうすべきかを徹底的に言えばよいのだが、問題だ、問題だ、とばかり騒ぐ。両者は“宗教”が違うので噛み合わないと思われたが、実はそう違いはないと感じた。私は「修正八代・竹中派」で、「経済・雇用の構造改革大賛成、だがセーフティーネット整備とセットでの実施が必須」派。■八代:「規制緩和で非正規社員が増えたのは何の検証もなしに言われていることで、経済の長期停滞が原因である」→これは違和感。2004年の製造業への派遣解禁で明らかに増えた。規制緩和で雇用が増え、失業率を下げたのは確かだが、非正規社員が増えていないというならば、相当な根拠の説明が必要である。■竹中:正規雇用が日本では恵まれすぎているから新しいこと(=派遣)に逃げざるをえなくなった。雇用は守るのではなく、作るものだ。→まったくその通り。■竹中:同一賃金同一労働のためのオランダ型の労働市場改革を、小泉政権から安倍政権に引き継ぐとき、やろうとした。それを財界も労働組合も反対した。改革を中途半端に止めてしまっているからこういう事態が生じている。■金子:同一労働同一賃金の話なんて、実際に出てこなかった。小泉政権のときの年金改革でも一元化は先送りになった。医療改革でも、低所得者ははみ出てしまう。→その通り。ココがこの議論の最大のポイントだった。つまり、同一労働同一賃金、年金、医療といったセーフティーネットの構築が必要であることについて、出席者の全員が完全に合意している。だが本来、セットで同時期に行うべきだった(またはセーフティーネットが先!)改革なのに、郵政や派遣の規制緩和・構造改革だけを先行して行い、あとは放ったらかしにしたことが、今日の非正規労働の悲惨な状況をもたらしている。それは竹中も内心分かっているのだろうが、それを潔く認めてしまうと自分の功績・人生を否定することになり、ひいては小泉に傷をつけてしまうので、「財界と労組が反対して安倍政権が改革を続けなかったから」と他人のせいにしている、というわけだろう。そこを金子・斉藤ペアがザクっと指摘すればこの議論は綺麗に終わったのだが、2人にはその力量がなかった。竹中に言わせれば、「セットの片方だけでもやったんだからオレはエラい。1つでも前に進んだんだ!オマエら外野の評論家どもに政策決定の大変さなんて分からないだろう、批判ばかりしやがってラクな商売だよな!」と言いたいだろうし、金子・斉藤ペアに言わせれば、今日の格差社会は経済・労働の規制緩和だけを先行してやりすぎたせいだから、それを主導した竹中・八代ペアの責任は重い、となる。つまりこれは、為政者の結果責任をどの時点で判断するかという話なのであり、政治家は歴史が判断するというならまだ判断は早いが、今時点で判断するなら、小泉政権発足時と、その結果おきた今の状況(責任の半分は安倍福田麻生にあるが…)を比べると、経済も社会もあまりよくなっていない。竹中は2005年は株価が42%上がったというが、今は下がっている。後世にツケ回しした株価上昇など意味がない。まあ、この勝負、5分5分というところだろうか。結局、竹中は官僚(郵政、国交省)、道路族議員の既得権改革(公共事業削減)は確かにやったが、経団連・連合の既得権には切り込めず、未来の若者の雇用を犠牲にした。その罪は権力者として背負わねばならない。全て自分が正しく間違いはなかったと言い張るよりも、認めるべきところは認めたほうがカッコいいと思う。グリーンスパンだって認めているわけでね。個人的な心象としては、実行者のほうが評論家よりも格上なので、実行者としてできたこと、できなかったこと、をはっきり言ってくれれば私の評価は高い。2009/01/02
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「ビッグマック指数」の見方ビッグマック2009/01/02
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「労働市場最適化」で膿を吐き出し、再生せよ希望退職者の結果(レナウン)2008/12/31
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飯島愛と「自分自身の人生」話題になっている『金スマ』。無視できない証拠映像だと思う。いつ放送の映像なのだろうか。いずれにせよ、人生において、ある程度の節目のスケジュールは決まっていて、なかなか自力では動かせないのだな、と思わせるものである。寿命も、かなりの程度は決まってしまっていて、避けられないものなのではないか。飯島氏の場合も、そういう宿命だった、ということではないか。それが、みえる人にはみえてしまう。それが何によるものなのかはよく分からないが、そういう「超能力」的なものを持っている人が存在している、ということは、私も取材で実感している。→第2の江原を探せ!(amazon.co.jp)それにしても、30代で普通に亡くなるものだ。アンディフグとか、本田美奈子とか。自分の努力とか健康管理とかとは関係がない、どうしようもない世界があるということ。だから、サラリーマンみたいな、がんじがらめの「他人の人生」を生きてる余裕なんかないはずで、「自分自身の人生」を生きないといけない。2008/12/27
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連合・高木氏のあつかましさ時事通信によれば、高木氏は相変わらず自分の責任を棚に上げて労働者の味方を気取っている。内定取り消し企業公表を=首相に雇用対策要請-連合会長 麻生太郎首相は4日午後、首相官邸で連合の高木剛会長と会談した。高木会長は景気後退に伴う厳しい雇用情勢を踏まえ、「雇用対策に万全を期してほしい」と要請。新卒者らの内定取り消しで悪質な企業は公表すべきだとの見解を示した。これに対し、首相は「できるだけ知恵を絞りたい」と述べ、近く打ち出す新たな雇用対策で全力を挙げる考えを強調。内定取り消しは「もってのほかだ」と述べた。企業は景気が悪くなると、バイトを切り、派遣社員を切り、契約社員(期間工)を切り、そして新卒内定者を切り、翌年の新卒採用予定を凍結する。順番としては、内定者を切るのは最後のほうだ。それほど余裕がないということである。高木氏の言うとおりに内定取り消しは悪質だから、と内定を復活させたら、そのしわ寄せは、間違いなく未来の非正規社員にくる。少し業績が回復しても、人員余剰感があるから、非正規は当分、採用しない。正規と非正規は、常にトレードオフの関係にある。内定取り消しを悪質だというなら、それ以上に悪質なのが、高木会長が手掛けてきた正社員の過保護だ。仕事をしない正社員の給与を少し減らせれば、非正規社員をたくさん雇える。どうして、企業業績が悪化しているのに「自分の取り分だけはびた一文減らさない」というずうずうしい姿勢を崩せないのか。社会全体をよくしようとか、公共心みたいなものはないのだろうか。あつかましいにもほどがある。全労働者の3分の1にもなる非正規労働者の最大の敵は、まさにこの連合の高木会長なのだから、非正規の全国組織を作って対抗すべきだ。絶対に手を組んではならない。はっきりいって、デモなんていくらやっても、何も変わらないですから、雨宮さん、湯浅さん。だって、それを報道するのは新聞社やテレビ局の正社員なんだから、ヤバくなったら報道やめます。また、人数としては正社員のほうが2倍も多いうえに、非正規は平均年齢が若いから投票にもいかないので、政治家はほうっておけば、連合の言いなりでしょう。だから、本当に問題を解決するためには、モリタク氏でも会長にかつぎだして「非正規雇用連合会」を組織して、民主党にマニフェストで約束させて、政治力を行使するしかない。貧困は、まさに経団連と連合の結託による派遣法改正などによって政策的に作られてきたわけだから、政策的に解決させるしかないわけです。2008/12/05
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社名出さない『報道ステーション』NEWS23より。2008/11/29
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『報道特集NEXT』で報道されなかったこと最終的に責任を負うべきなのは個人ですから、「こいつだ」というのを特定しないといけない。2008/11/23
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厚労次官報道でマスコミの伝える民意は誤報こんな情報提供があった。厚生次官殺害問題でネット上で意見募集などが行われていたが、そのうちの一つのBIGLOBEのサイトでは、昨晩、嬉玉として書き込まれたコメントだけが、一方的に次々と削除される異常事態がおこった。この投票では、嬉玉の投票と、怒り玉の投票結果が、それぞれ約2500位でほぼ同数で拮抗していた。投票総数の約半分が、事件を天罰などと、肯定的にとらえていた。そのため、同様の事件の発生を恐れた警察からの圧力で、嬉玉のコメントだけ削除されたようだ。意見募集自体も、世論の半数近くが厚生省に批判的であったためか、数時間で削除されてしまった。昨日の午前0時くらいまでは、次のアドレスに存在していました。https://news.biglobe.ne.jp/topics/satujinnjikenn/CGUhbIfMgk3YgaKAb22W/index.htmlところが、今みたら、完全にこのアドレスから削除されていて、ビックリしました。質問の存在自体を消してしまった訳で、国民として、帰ってこちらの方が恐怖を感じます。情報提供者によれば、昨日の午前0時くらいまでは存在していたが、翌日夜には完全に削除されていてビックリしたという。これは、たぶん事実だと思うが、画像保存などの証拠がないのでよく分からない。今後はちゃんと保存してください。ビッグローブのコメントビッグローブは、現在もいくつか関連のコメント受付をやっている。終了した「元厚生次官夫婦、殺害される」(左記画像)を見ると、「怒り玉」が一番多く、次が「嬉し玉」。「嬉し玉」のコメントはなんと1つを除いて全部削除されているから、昨日は両者が拮抗していて、最後はまるごと削除されたのだろう。厚生労働省は、薬害エイズ、薬害肝炎から、有害物質の類(合成着色料やアスベスト)の規制の意図的な遅れまで、すべて政治家・業界とつるんで合法的な殺人を延々と繰り返し、今なお国民を苦しめているのは疑いのない事実で、さらに年金問題をはじめ、ほとんどまともな仕事をしていないのにトップは天下りで莫大な富を得ている。まあ常人なら、本能的には「嬉し玉」を入れて当然だろう。論壇で「希望は、戦争」と主張する人が支持を得ているわけだし、世論の大半は、普通に合法的な活動をやっているうちは、この国はいつまでも変わらないダメな役人天国だと感じているのだ。だから、この事件で単純に本音で怒る人というのは、ちょっと正義感がなさすぎて信用できない人か、まったくの世間知らずな政治オンチかの、いずれかである。事実として、莫大な数の国民を殺してきているわけだから、そのトップが報復にあって天罰だと思うのは、古今東西ごく普通の感情で、国民一般の本当の本音の本音だと思う。それが「建前」というベールに包まれた社会人が本名を明かして投票すると、「怒り玉」になる。私も名前を出して今ここで投票せよとなったら、もちろん怒り玉にする。だから、ネットの無記名投票のほうでは「嬉し玉」がトップにならなければ、裏で操作されていると考えてよいだろう。一方、新聞・テレビが建前の話ばかりを延々と流して、番組を降ろされたくないタレントやみのもんたなんかが心にもないことを言って演技で怒ってみせるものだから、逆にネットのほうで本音が報道されないとバランスがとれないのだ。真実を伝えているのはどちらかといえば、明らかにネットのほうで、マスコミが伝える民意は誤報なのである。■この議論の本質は、報復や敵討ちを是とするか否とするか、というテーマと同じだ。光市母子殺害事件を思い出してもらえばよいが、オススメの社会派映画でいうと、ジョディ・フォスターが製作総指揮・出演した『ブレイブワン』(TheBraveOne、2007)がある。これは要するに、ジョディが目の前でチンピラに殺された婚約者の敵を討つ物語で、人間社会を維持するための法律と人間の本心の葛藤を描いている。法律では敵討ちは禁止だが、悪いやつはやっぱり悪い。裁判などだらだらやっているうちに寿命が尽きてしまう。この映画では、はっきりいって、敵討ちを肯定的に描いていた。今回、「嬉し玉」がトップになる心情と、まったく同じだ。いくら合法的であろうが、やっぱりろくに仕事をしないで天下って10億円もらって、みたいな世界は、敵討ちの対象になっても仕方がない。人間の心のなかには正義心があり、それは法律ではどうにも抑えがたい、解決できないものなのである。ヤフーで支持されているコメント■なお、ヤフーのほうにも似たようなコメント投稿と評価の機能がある。トップの評価を得ているのが右記。これは削除を避けた、うまい書き方をしていて、なるほどな、と思った。「ざまぁみろとは思わない」「お気の毒」「暴力による攻撃や、ましてや殺害なんかは決して許されない」などと、前後に優等生的な予防線を張りながら、「善良な小市民が同じ被害に遭ったときほどの憤りや哀しみは浮かばない」などと、うまい形で嬉し玉を表現している。これだと、実社会のなかで建前で洗脳されている人も投票しやすいし、サイバー社会で本音を言いたい人にも響く。これは選挙でも同じで、「中位投票モデル」という。中間的な表現をしない限り、投票数を最大化できないのだ。ネットで偽善的な管理者に削除されずに、本音をなんとか残す技術。意見を表明し共感を得るには、そんなテクニックも必要な時代になったということか。2008/11/20
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筑紫哲也氏の停職処分を受けるイレギュラー人生を見習うべし2006年5月22日の「ニュース23」2008/11/08
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政治力がないベンチャー仕事がら、本屋には2日に1回くらい行って1~2冊買ってるかんじ。買うものは店頭以外では、ブログ書評家の書いてる情報からがほとんど。雑誌や新聞の書評は利権だったり無能だったりで全く役に立たない。新刊が出ると、どこに並んでるかとか、本屋まわりも楽しい。紀伊国屋にいったら、東洋経済がフェアってて、昨年出した本が久しぶりにヒラ積みになっているのを見た。大手から出すとこういうメリットもある。この本は、内容も出版社も装丁もタイトルも万全を期したのに、7刷2万9千部しか売れていない。価格(1680円)と分厚さ(336頁)がマイナスに働いたかな。5万部は売れてほしかった。まあ新書換算だとそのくらいか。紀伊国屋は私の新刊をベンチャーに分類していて、ベンチャーコーナーとビジネス書新刊コーナーの2箇所。1階にはなかった。幻冬舎の本は、しょーもない新刊でも1階に並んでるから、やっぱり営業力すごいね、あの会社は。福家書店に寄ると、ビジネス書の一番はしっこ、ベンチャーや芸能人のなりあがり本の一番端っこに4冊ヒラ積みに。木村祐一とか橋本ひろしとかの隣で、ものすごい違和感が。ようするに勝間本とかから一番遠いところに配置された、というわけ。結局、今回の本は、本屋の認識ではベンチャーという扱いにされている模様。日本でベンチャーといったら、なんかはぐれものというか、とにかく尊敬されない。一発逆転にかけた変わり者、みたいな。芸能人と一緒にしないで欲しいね。この本は、論理的に詰めてキャリア設計してけば普通にやりがいある仕事を実現できる、という本なんだから。■構造改革なくして経済成長なしベンチャーは政治力がない。不況になっても、中小企業支援策ばかり議論されているし、倒産が増えるとすぐに問題だ、問題だ、という報道ばかり。古い中小企業はガンガン潰れなきゃ、構造改革、進まないでしょう。どんどん古い会社が潰れて、ベンチャーが生まれるから、構造改革が進んで、経済が活性化されるのだ。たとえば建設会社なんて、今の半分くらいでいい、と竹中が昔、言っていたが、まったくその通りで、その分、新しい分野の会社ができて入れ替わることが、すなわち構造改革となって日本のためになるわけだが、集票力・政治力でなかなか減らない。テレビも政治家も、企業の99%超を占める中小企業を敵に回すと視聴率や票にかかわるから、衆愚テレビ、衆愚政治になる。そして、それに洗脳される国民たち。こうして、ベンチャーは活性化されず、日本経済はどんどん衰退し、国が滅びていく。本当は、会社が倒産するたびに「これで一歩、構造改革に前進です!」とファンファーレを鳴らすくらいの報道でないといけなくて、今月の倒産件数と今月の新規開業件数の両方のギャップ値こそ、報道しないといけない。現状、ベンチャーのIPO、新規公開数が半分以下(今年は40社とかでは)に減ってるんだから、そっちの対策のほうをやって、むしろこの機会に、思い切って、中小企業の生命維持装置は積極的にはずしてラクにしてやるべき。セーフティーネットとしての生活保護をしっかり運用する前提でね。もっと新産業育成とか、経済の生産性向上に資する対策をやらないと、税金をドブに捨てるようなもの。だって、信用保証協会の保証を100%にすれば銀行はノーリスクだから貸すけど、結局、焦げ付いたら税金が投入されるわけだから、税金が銀行(利子をとる)に投入されてるのと同じだ。生命維持装置に税金を使わないでほしいね。後ろ向きすぎる。もっと未来に税金を使わないと。たとえば、・売上1千万以上から消費税払え、というのはやめて、1億円以下は免除とか。うちくらいの規模だと年度末の消費税支払い負担がバカにならない。独立すると1億円以下の規模までは消費税分トクだと思えば、国の意志として独立を奨励していることが伝わる。・IT投資減税。これは確実に経済効率を上げるので、5年で償却じゃなくて1年一括償却アリにする。銀行から借りてきて500万投資しても年間100万ずつしかPLに乗せられないんじゃ、初年度400万に対する法人税分120万くらいを払わなきゃいけなくて、でもキャッシュは移動してるんだから、また借りてこなきゃいけない。それは無理だから投資はやめよう、となるわけです。こんな国民を苦しめるアホな税制、やめてほしい。・新たにオフィスを借りても、礼金が一括償却できない。24ヶ月で均等だって。アホか。これもキャッシュは手元にないんだから。一括償却か均等か、選べるようにすべきでしょう。償却できないと、法人税払うためにまたカネを調達しなきゃならなくて、スタートアップしたベンチャーをどんどん苦しめていく。このように、積極的に経済活動をする人を苦しめる税制はおかしくないか。右肩上がりの時代は、売上げが上がるから支払いに困ることはなかった。でも、今はもうそういう時代ではない。つまるところ、経済は効率です。効率を上げるための経済活動を阻害するような会計制度はやめるべきで、少なくとも、このように(IT投資したり新規でオフィスを借りたり)積極的に動く経済行為に対して「リアルタイムキャッシュフロー税制」を適用すべき。2008/11/02
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新刊発売&ブログはじめました10/23、「やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!」(光文社)発売となりました。夏にずっと書いていたものです。【絶版となってしまったため、全文PDFダウンロードできるようにしました。会員ログイン後、以下をクリックして下さい】→絶版本につき、全文PDFダウンロードはこちらをクリックしてお読みください(※全ページ一括につき、重いファイルとなります)これ、ものすごい重要なテーマだと思うんだよね。あくまで市場原理のなかで、意義深い仕事をやる。やりがいとカネ儲けは、二律背反じゃない。諦めるな、と。サラリーマン社会にいると、会社が諦めさせようとするから。「おまえ、給料もらってんだから、やれ、仕事なんか面白いわけないだろ、給料は我慢料なんだから」みたいな。そうなったら、いやだよね。外資金融とか、いくらカネ貰えても、一日中カネのこと考えてたら人間からっぽになりそうだし。だからといって、やりがいだけあっても生活の糧がないと生きていけないし。ようは、「わたしの仕事館」じゃなくて「キッザニア」の時代だよね、と。政治とか行政とかNPOとかやりたければ、20代に市場原理の荒波で鍛えろ、短絡的にNPO行っても自己満足のイタい人になって、役たたずになるだけだよ、ということ。有料ニュースサイトで成功したのは日本の歴史上初めてだから、ウェブのビジネスに興味がある人には参考になると思う。これから不況で、どんどん広告費削られて、広告モデルのビジネスはキツくなるよね。あとは、仕事のやりがいや、NPO系の志向を持つ人にも読んでもらいたい。若いうちの苦労は買ってでもする。だから、大企業サラリーマン安定万歳!な人には、つまらない本でしょう。これはまあ、たくさん売れるとは最初から思っていなくて、むしろ私のブランディング&会社のPRに役立つので、出せてよかった。事業が一段落したこのへんで一度まとめて、次に進むか、という感じ。デザインは店頭でもWEBでも圧倒的に目立たないけれど、スタイリッシュで美しくて、非常に気に入っている。編集の槌谷昭氏が去年からうちのビジネス面に興味を持ってくれていて、このほどちょうどタイミングとして、このあたりでまとめておくか、ということで出版することになりました。興行的には儲からなくても、価値あるものは出すという姿勢がすばらしい。最初の仮タイトルは、「売れそうにないモノを売る発想法」-Webの有料ニュースビジネスでなぜ儲けられるのか-みたいな感じだった。で、光文社の営業がそれでは売れないのでは、ということで、もともと本文のなかにあった文章からとってこのタイトルに変更し、アマゾンが800部注文してきたということで、初版7千部になった。7割(5千部)売れれば元はとれるそうなので、まあ1回は重版してほしい。アマゾンのバイヤーの見立てで初版部数が決まる時代。紀伊国屋以上の存在感ですね。けっこう、タイトル気に入ってます。2008/10/30