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ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

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地震・水害・土石流などの大規模災害現場や新型コロナのワクチン接種など、近年、活躍の場面が広く知られるようになった自衛隊。その公共的な役割の重要性は疑う余地がない。だが、その閉鎖的な組織風土には問題が多く、日々、陰湿な事件が起きている。MyNewsJapanでは、その事実を明るみにして共有することで改善につなげるべく現場からの情報提供を求めている(info@mynewsjapan.com)。
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自衛隊の闇記事一覧
空自「セクハラ"被害者いじめ"10年」の陰湿に国賠訴訟で猛反撃――もみ消し、加害者支援、悪評ばらまき、昇任遅らせる
「胸あるのか」「お前チンコついているだろ」。毎日のように職場で年配の男性隊員からセクハラ発言を浴びせられた航空自衛隊の女性隊員が上司に被害を申告したところ、もみ消しをはかられたばかりか、組織ぐるみで報復される。そんな事件が発覚した。▽被害者である女性の実名を書いた資料を配布して噂の餌食にする。▽セクハラを裏付ける上司の調書を民事裁判で証拠提出したことに難癖をつけ、個人情報保護法違反だとして刑事処分を科そうと企てる。▽刑事事件化作戦が不起訴になって失敗すると、内規違反だとして訓戒処分をする。▽成績優秀なのになかなか昇任させない。▽「厄介者」扱いする――。女性は今年2月、加害者だけの問題ではないとして、国を相手どった国賠訴訟を東京地裁に起こした。一連の事件から浮かぶのは、自浄能力を決定的に欠いた文字どおり「絶望の自衛隊」だ。
上陸止め2ヶ月、毎日反省文3ヶ月超——新隊員を自殺に追いつめた海自"監獄護衛艦”の殺人的いびり文化
だれかがやらねばならない仕事だーーそんな志を持って自衛隊に入る若者は毎年1万数千人。しかし、劣悪な労働環境やパワハラ、セクハラの横行を目の当たりにするなどして失望し、中途で辞める者は年5千人を超す。そして、心身を病み人生に絶望する者が後をたたない。2021年2月、またひとつ、将来ある若者が命を落とす事件が起きた。新人海上自衛官の西山大弥さん(海士長、20歳)が、配属されていた護衛艦「あけぼの」(佐世保基地所属)の艦内で自殺した。自衛隊の内部調査では長時間の超過勤務による過労死とされたが、遺族の調査で浮かんできたのは、先輩や上司による陰湿なパワーハラスメントだった。
昼は部下いびり下ネタ乱発、夜は酒盛り性犯罪――陸自「大砲部隊」おぞましい現実 若手幹部パワハラ自殺の松山、女性隊員がセクハラPTSD発症の郡山
陸上自衛隊の大砲を運用する複数の部隊で深刻なパワハラやセクハラが横行している実態が、自殺した隊員の遺族が起こした裁判や、性暴力が原因で退職した女性元隊員が国や加害者を訴えた裁判で、続々と浮き彫りになっている。郡山駐屯地の部隊では、野外演習のたびに連夜テントの中で酒盛りが開かれ、酔った男性隊員らによる強制わいせつ行為が衆人監視の中で繰り返された。松山駐屯地の部隊では、上司に嫌われた中堅幹部が、射撃訓練の報告をめぐりその上司から常軌を逸した「指導」を受け、月200時間に迫る長時間労働を強いられた挙句にうつ病を発症、追い詰められて自殺した。
『絶望の自衛隊』刊行 隊員虐待や自殺が多発する実態をレポート 日本帝国陸海軍から受け継いだ無責任の構図
本サイトで継続的に報告してきた自衛隊の虐待問題や劣悪な労働環境問題、そして輸送艦「おおすみ」事故をめぐる疑問と検証記事をまとめた単行本『絶望の自衛隊―人間破壊の現場から―」(花伝社、本体定価1700円)が12月5日、刊行された。2013年以降に起きた10件の事件を追ったルポで、筆者の自衛隊シリーズ第5作。頻発する虐待や自殺、各種不正を前に、政府・防衛省が本気でそれらを無くそうとしていない実態が浮き彫りとなる。末端の隊員や中間管理職の責任は追及しても、幹部たちが決して責任をとらない構図は、旧日本帝国陸海軍から受け継いだ無責任の構図そのままだ――約20年におよぶ取材を振り返って筆者はそう感じている。
教官の“靴磨きイジメ”で教育隊入校中の陸自隊員が自死 国に賠償命令も、遺族が納得できず争う理由
2015年10月、陸上自衛隊の第5陸曹教育隊(佐世保市相浦=当時)で入校中の学生隊員(享年22)が自死する事件が起きた。教官のいじめを訴える遺書があったことから、遺族は国などを相手どって国家賠償請求訴訟をおこす。2年あまりの審理を経て今年(2022年)1月、熊本地裁が言い渡した判決は、国に賠償を命じる原告勝訴だったが、その金額はわずか220万円。なぜか。判決では、亡くなった隊員が生前受けた苦痛に対してのみ責任を認め、死亡については「予見可能性がなかった」として責任を否定したからだ。納得できない遺族は控訴し、福岡高裁で審理が続く。「業務」と称して教官の靴磨きを命じ、その手順をめぐって理不尽な「指導」を繰り返す。裁判で浮き彫りになったのは、帝国陸軍を彷彿とさせる自衛隊の陰湿かつ幼稚で残酷ないじめ文化だ。深く病んでいる今の自衛隊で、日本社会を守れるのか。
残業代なく休暇もなし、果てしなく働かされる自衛隊の「ブラック企業」体質に異議あり――元海上自衛官が提訴
自衛官(定員25万人・現員23万人)の年間採用数約1万5千人のうち、5年以内に退職する自衛官が約5千人にのぼるという。安定した公務員であるはずの自衛隊はなぜ不人気なのか、その理由が明るみになりつつある。元海上自衛隊3曹の男性が、休みの取得を不当に拒否されたとして国を相手に国家賠償請求訴訟を起こした。男性は艦船乗員として長期の海外出航に連続して従事するなど過酷な任務に携わったが、年休や代休の取得を認められない環境に疲労困憊し、心身がもたないと退職を余儀なくされた。せめて退職する際くらい代休と年休を消化したい、と上司に求めたが拒絶された。退職届に「休みがとれないため」と本心を書いたところ、「キャリアアップしたい」などと書き直させられた、という。「海上自衛隊のブラック企業体質は知れ渡っている。実態を知ってほしい」と男性は訴える。
空自幹部はなぜ自死したのか――「上司のパワハラが原因」と遺書で告発、精神科治療妨害の疑い 国賠訴訟で国は遺族と全面対決
「指導という名のパワハラが私の自殺の原因です」。直属の上司を告発する遺書を残し、2018年3月15日未明、航空自衛隊小松基地(石川県小松市)に勤務する男性2等空尉(享年31)が自殺した。部下の面前で叱責する、発言させないなど、人格否定型の精神的「パワハラ」を直属の上司から受けて苦しむ様子が、遺書には生々しくつづられていた。決定的なのは治療を妨害した疑いだ。男性は不眠など体調の異変を自覚して精神科を受診、適応障害と診断されて休職する。だが上司は「毎日の病状報告」を命じた上に通院にも同行して「監視」、男性は「症状はよくなった」と事実とは異なることを医師に申告せざるを得なくなり、病気が癒えないまま復職する。そして再び「パワハラ」に苦しみ病状が悪化、絶望したとみられる。命と引き換えの告発だが、証拠が少ないことをいいことに自衛隊は責任を全面的に否定、死人に口なしといわんばかりの態度を取っている。
海自輸送艦おおすみ事故、新事実発覚で浮上する「死人に口なし」責任転嫁工作疑惑 海自艦側の”あおり航海で追突”が真相か
5トン足らずの釣り船「とびうお」の後ろから、8900トンの巨大な自衛隊艦船が接近、ぶつかった海自輸送艦「おおすみ」事故(2014年1月15日午前8時ごろ岩国沖付近の瀬戸内海で発生、「とびうお」船長ら2人死亡)。常識的にみれば自衛艦の追突事故で、自衛隊の責任が重く問われるはずだ。しかし「釣り船が急に右転した」という、にわかに信じがたい理屈で自衛隊が免責され、釣り船のほうが悪者にされてしまった。この奇妙な「釣り船右転説」の矛盾と破綻を決定的にする新事実が、広島地裁で続く国家賠償請求訴訟で明るみになった。法廷に開示された捜査記録のなかに「おおすみ」艦橋(指揮所)内の会話を詳細に記録した文書には、「おおすみ」が、前を行く釣り船は自分でよけると過信したまま汽笛も鳴らさずに接近、そして衝突した状況が、生々しく記録されていた。死人に口なしとばかりに責任転嫁工作がなされた疑いがある。
「絶望の防衛大」を元学生が提訴 上級生から罵倒され続けること数年間、精神がボロボロになり声失う
「指導」にかこつけて毎日のように呼び出しては、暴言を浴びせる、無視する、反省文を書かせては破り捨てる、といったイジメを上級生から受け、言葉を発することができなくなるほどの精神的ダメージを被った防衛大学元学生の男性が、上級生の男(現・陸自幹部)と国を相手に訴訟を起こした。教官は上級生のイジメを黙認し、やがて同級生らも加担する陰湿な集団イジメにエスカレート。元学生の訴えから浮かぶのは、“国を守る”という掛け声とは正反対の、傷ついた仲間を攻撃してうさ晴らしをする防衛大学の醜い内幕だ。大学の内部文書によれば、服務規律違反者は、約1400人いる学生のなかで毎年150人前後に達し、うち20人〜30人が刑法犯相当だと報告されている。2019年12月には、女子小学生への強制性交容疑で防衛大学生の幹部自衛官(30歳)が警察に逮捕された。今回の裁判で表面に出た「イジメ」も氷山の一角にすぎない可能性がある。
海自輸送艦おおすみ衝突事故5年目の真相 「釣り船が急に右転」の目撃証言に重大矛盾(下)
穏やかな真冬の瀬戸内海で突如発生し、一般市民2人の命を奪った海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と釣り船「とびうお」の衝突事故。その調査を行った国交省運輸安全委員会と海上自衛隊は、いずれも先行していたのは「とびうお」だった、と断定した。しかし、その上で「とびうおが直前に急に右転したため衝突した」という"新説"を打ち出し、「おおすみの追突」を否定。納得できない生還者や遺族は、国家賠償請求訴訟を起こして法廷での真相究明にかける。そこで浮かび上がったのは「とびうお右転説」の脆弱な論拠と矛盾の数々だった。「右転」の事実を裏づける重要な証拠とされたのは現場の真西約1~1・5㌔にある阿多田島からの新目撃証言だが、「とびうおが左舷側に転覆するのが見えた」など、物理的に見えるはずのないものを見たことになっているなど、信頼性に疑問が出てきた。
海自輸送艦「おおすみ」衝突事故5年目の真相 海自の責任を不問にした奇妙な「釣り船が急に右転」主因説(上)
本来国民を守るはずの自衛隊が、国民2人を死亡させ責任をとらないとしたら、存在意義に関わる大問題となる。2014年1月15日の朝、広島沖の瀬戸内海上で、小型の釣り船「とびうお」(全長7・6㍍、5㌧未満)と、全長がその23倍にあたる海上自衛隊の護衛艦「おおすみ」(全長178㍍、基準排水量8900㌧)が衝突する事故がおきた。「とびうお」は転覆し、乗員4人が真冬の海に投げ出され船長ら2人が水死。「おおすみ」が「とびうお」の後方から追いつく形で起きた事故で、常識的に“追突”が疑われた。しかし国交省運輸安全委員会と海自は、いずれも「釣り船が急に右転して自衛艦に突っ込んだ」と結論づけ、「おおすみ」の責任を実質不問にした。唐突に出てきた「とびうお右転説」に生還者や遺族らは「右転などしていない。する理由もない」と当惑、防衛省(国)を相手どって国賠訴訟を起こした。はたして、審理のなかでは、数々の疑問が出てきた。「とびうお右転」は事実なのか、本当に自衛艦に責任はなかったのか――事件を検証する。
上級生が風俗行きを強要「拒否すると体にアルコールかけて燃やされました」――虐待横行する防衛大学の絶望的な日常
毎年3月、防衛大学校(神奈川県横須賀市、國分良成校長)の卒業式は、マスコミでは定番のニュースだ。帽子を投げるシーンが、写真や映像で報じられる。しかし、その内部では陰惨ないじめが横行している。「卒校式前夜は厳戒態勢でピリピリしています。いじめられてきた下級生が上級生に報復する唯一のチャンスですから。重傷者が出たこともあります」。そう打ちあけるのは、元防大生のAさん(21歳)だ。上級生らの陰惨な虐待に嫌気がさして、防衛大を途中でやめた。そして今年3月、国や先輩学生を相手取り、損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こした。意味もなく殴る蹴る、体にアルコールを噴霧して燃やす、理不尽な「反省文」を執拗に強要する――Aさんが防衛大で体験したのは、門をくぐるまでは想像だにしなかった、人権無視の無法地帯だった。
ラーメンたかる、靴磨きさせる、性的虐待、金品盗まれても「お前が悪い」…自衛官が生徒を奴隷扱いする陸自高等工科学校
「シメ」と称する私的制裁、風呂は30秒、髪の毛は0・5ミリ、「職員(自衛官)には逆らわない」という私的宣誓の強要。学業のほうも、腕立て伏せやランニング漬けで疲れ果て、大半の生徒が授業中に居眠りし、学力は低下の一途。カップ麺を生徒にたかり、靴磨きさせる自衛官までおり、生徒から集めた各種費用は使途不透明で、性的虐待まで起きた。高い競争率をくぐって入った陸自高等工科学校は、「少年院」と揶揄されるほど荒んでいた、と元生徒のAさん(18歳)は証言する。暴力など理不尽な仕打ちに納得できず、「おかしいのではないか」と異を唱えたところ、返ってきたのは陰湿な報復だった。階段で後ろから蹴られる、終日悪口を言われる…といったイジメで精神的苦痛を受け退学に追いやられた、として国賠訴訟を闘うAさんに、その実態を聞いた。(末尾に訴状PDF付き)
競争率16倍の難関・陸上自衛隊「高等工科学校」は暴力と腐敗に満ちた“学力降下校”だった!
「陸上自衛隊高等工科学校」という防衛大臣直轄の機関がある。中学校を卒業した少年が入校し、高校の勉強をしながら自衛隊の訓練を行う。卒業後は中堅幹部にあたる「3等陸曹」に昇任する。入学試験の競争率10数倍という狭き門の中堅エリート養成学校だ。しかし同校出身者によれば、教官である自衛官らのモラルは低く、陰惨ないじめと暴力が横行しているという。その荒廃ぶりは、「学力低下学校」「武山(たけやま)少年院」と内部でささやかれるほど。高等工科学校の前身である少年工科学校では1968年、完全武装で池を渡るという無謀な訓練を強行した結果、13人が溺死するという大事件が起きた。命を軽んじる校風はいまも改まっていないようにみえる。執拗ないじめで精神的苦痛を受け、退校に追いやられたとして国家賠償請求訴訟を起こした元生徒の青年を取材した。
「自衛隊はブラックでした」窃盗、強姦、脱走、自殺…就活失敗でやむなく入隊して知った“人間破壊工場”の実態
内閣府の調査によれば自衛隊に対して好感を持つ国民は9割にのぼるという。だが、隊員自身がどう思っているかは別だ。関西在住のAさん(24歳)は、私大新卒で企業就職を目指したがうまくいかず、当座の仕事にと一般入隊枠から海上自衛隊に入った。だが、そこで見たのは想像を超す「ブラック」な世界だった。直接的な暴力こそなかったものの、狭い艦内で先輩から胸倉をつかまれてすごまれるなどの仕打ちを頻繁に受け、精神的に追い詰められた。窃盗や強姦、自殺といった事件がありふれる異常な環境。「このままでは精神が壊れてしまう。無職でもいい」と逃げだすように退職し、人間らしい暮らしを取り戻した。自衛隊に行こうとする若者や、自衛隊を美化する風潮に、Aさんは警鐘を鳴らす。「自衛隊はやめたほうがいい。どうしても入るのなら必ず逃げ場をつくっておけ。そうしないとストレスで死んでしまう」
元隊員が語る「自衛隊に入るのはやめたほうがいい」――証拠なしでも「ウソ発見器に出ている」と自白迫る陸自警務隊の人権蹂躙
広島市の市街地で大規模な土砂崩れが起き、自衛隊の災害出動がなされているさなかの8月24日、陸上自衛隊の富士駐屯地(静岡県)で、実弾44トン使用、費用3億5000万円の派手な「富士総合火力演習」が行われた。だがその陰で、同駐屯地では、深刻な人権侵害が進行していた。元1等陸士のAさん(28歳、今年3月に退職)に対して、「部隊への嫌がらせのために同僚隊員のヘルメットを盗んだ」という疑いがかけられたのだ。Aさんは身に覚えがないと否認。指紋や目撃者といった客観証拠もなかった。それでも「ポリグラフ(ウソ発見器)に反応がある」「白状しないと(窃盗の時効の)7年間取り調べを続けることになる」などと脅しともとれることを言われ、退職から5カ月を経た今に至るまで、休日を拘束され、明に暗に自白を迫られ続けているという。「僕はやっていない。自衛隊はふざけている」とAさんは訴え、こう続ける。「自衛隊に入りたい人に言いたい。やめたほうがいいです」
いじめ抜いた挙句に精神病棟送りにして使い捨て――自殺寸前に追い詰められた現職海曹が告発する「絶望の自衛隊」
海自護衛艦「たちかぜ」の新人隊員が古参隊員から虐待を受け、2004年に自殺した事件をめぐる国家賠償請求訴訟で、東京高裁は4月23日、自衛隊側の責任を全面的に認めて遺族に7330万円の賠償を命じた。陰惨な虐待を裏づける内部文書を海上自衛隊が7年間にわたって隠蔽してきた事実も認定、防衛省に広がる深刻な腐敗を浮き彫りにした。判決確定後、河野克俊海上幕僚長は遺族に謝罪した。だが表になっているイジメと不正隠しは氷山の一角だと現職3等海曹のAさん(20歳代)は言う。先輩や上司から肉体的精神的な虐待を受け、激しい退職強要を受けた挙句に精神疾患を発病した。イジメた本人の責任は不問。公務災害の受付けすらしない。苦しくて何度も死のうと思ったという。Aさんは訴える。「隊員は使い捨て。苦しんでいる隊員や、自殺した隊員はたくさんいる。イジメをなくすにはオンブズマン制度(第三者による監視制度)しかありません」
好きなダンスの道を進ませていれば…「水たまりでもすすっておけ」と虐待され自殺した2等陸士・小川賢二さんの遺族が悲痛な訴え
2013年の年の瀬。特定秘密保護法の成立や生活保護費削減、沖縄県知事による辺野古埋め立て承認に、自民党議員や高級官僚らは喜んでいるかもしれない。一方で、国を守る立派な仕事だと聞かされて自衛隊に入った子供を突然失い、悲しんでいる人たちがいる。北海道で自営業を営む小川透さんの息子・賢二さんは、陸上自衛隊に入隊した1年目の秋、2012年11月28日に自殺した。享年19歳。「水たまりでもすすってろ」「(倒れても)肩貸すな」「E.T.(イーティー)」。ケガと病気、そしてフィリピン系の顔立ちを理由に、陰湿ないじめを受けていた疑いが濃厚だが、自衛隊は、膝の怪我はダンスが原因、無視や暴言も事実無根、かつ「業務と関係のないこと」と責任を否定。まるで他人ごとのような扱いで公務災害(労災)は適用されない、とした。「本当はプロダンサーになりたかった。それをあきらめさせて自衛隊を勧めた。悔やみきれません」。悲痛な心のうちを、遺族に聞いた。
秘密保護法成立なら闇から闇  ヒゲ隊長・佐藤正久参院議員の“選挙演説”33回に血税から謝礼
特定秘密保護法案は、ある日突然、全ての人が罪に問われる可能性があり、国会議員も例外ではない。同法案では、国政調査権で得た情報を国会議員が有権者に伝えても懲役5年以下の刑に処せられ、国権の最高機関たる国会の国政調査権を事実上無効にし、行政の独裁を可能にする。その例として、自衛隊のイラク派遣で有名になった佐藤正久参議院議員が初出馬時に自衛隊施設約113か所で講話したうち33回は税金から謝礼が支払われた事実を報告する。筆者が防衛省に情報公開請求すると不開示決定で資料はゼロだったが、国会が国政調査権を行使すると、選挙直前の講話に謝金が支払われている事実が判明、数百枚の証拠類が出たのだ。特定秘密保護法案が通ると、国会における行政可視化機能まで奪われてしまう。(証拠類は記事中と末尾でダウンロード可)
「裏金でトナー購入の歴史」証拠改ざんで隠蔽 裁判所も堂々とだます自衛隊の本当の怖さ
「カラ出張はもうやめる」―そう決心した陸自古河駐屯地会計隊長の加藤好美さんは、それまで裏金をあててきたコピー機(非官品)のトナー費など予算のつかない経費について、自ら身銭を切ってこれを埋め、業務を回してきた。その後会計監査隊に異動し、古河駐屯地業務隊長の「汚職」を摘発。処分がうやむやになったその直後、加藤さん自身が「公金横領」というあらぬ疑いで警務隊に逮捕される。証拠不十分で不起訴になったものの懲戒免職に。「横領などしていない。皆わかっているはずだ」。汚名を着せられて組織を追われた加藤さんは、名誉挽回をかけて裁判に挑む。10年に及ぶ法廷闘争のなかで明らかになったのは、証拠を改ざんし、供述をねじまげるという自衛隊の無法ぶりと、真相に目を閉じる裁判官の姿だった。(判決文、上告理由書等はPDFダウンロード可)