My News Japan My News Japan ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

衆院議員の所得は平均2697万円 優雅な“世襲ボンボン議員”たち

情報提供
ReportsIMG_J20090303122743.jpg
衆院所得ランキング30位
(2008年7月公表分)
 最新の議員所得ランキングを詳しく調べたところ、衆院議員は、平均2,697万円の所得を得ていることが分かった。麻生首相の4,439万円をはじめ、3千万円以上の所得があった優雅な議員は56人。その内容は、遺産の売却、土建屋などの“名ばかり役員”としての報酬、株式配当などだった。2世3世のボンボン世襲議員が多く、本来の議員歳費以外で多額の不労所得を得ている現状では、利益誘導も疑われかねない状況だ。(全衆院議員の所得一覧表付き)
Digest
  • 後ろめたいから「見せるだけ」
  • 政治家の3つのビジネス
  • 一等地「白金」の土地売却で15億円  松野頼久氏(民主党)
  • ストックオプションで節税失敗
  • 立体駐車場で不動産ビジネス
  • 「部落解放の父」譲りのゼネコン、不動産、株でボロ儲け
  • 「同一住所の6社」からの役員報酬で5千万円以上稼ぐチルドレン
  • 富士急を代々世襲
  • 沖縄で不動ビジネスを展開
  • 未公開株で3572万円民主・川内議員
  • 麻生・小池・山岡は印税1000万円以上
  • 所得上位7人中6人が世襲のボンボン議員

後ろめたいから「見せるだけ」

国会議員は、政治資金収支報告書に記載される政治資金とは別枠で、当然ながら個人としての収入がある。通常は、議員の給料である年2,193万円(2007年度歳費)から各種控除を行った1900万円程度が最低の所得となり、株式や不動産投資などに励まず議員活動に打ち込んでいれば、2000万円前後になるはずだ。

では、税金で一律支給される歳費以外の収入を得ている人はどのくらいいるのか。そこで、最新の衆院議員の所得状況を調査・分析した。今年は解散総選挙が行なわれる年であるが、候補者が何でいくら稼いでいるのかを知ることは、有権者が投票する上において判断材料の1つになるので、ぜひ記事末尾のエクセルデータで、地元候補者の所得とその内訳をチェックしてほしい。

調査は、最新(2007年)の「所得等報告書」「資産等補充報告書」「関連会社等報告書」をもとにした。「所得等報告書」で衆院議員の所得金額をチェックし、議員の資産を記した「資産等補充報告書」と、会社役員の就任状況を記載した「関連会社等報告書」で所得の内容を分析した。

【ランキング作成の詳細】

上記文書は法律に基づき、毎年、確定申告に準じた前年の所得の情報が7月頃に公開される。文書は衆院の第2別館で閲覧した。本来なら、これらの文書は、すべてWEBで公開して当然の情報にもかかわらず、なんとコピーすら禁じられている。情報を極力閉鎖して、いちいち書き写さねばならない仕組みにしている点からみて、収入に後ろめたいものがある政治家がよほど多いに違いない。

「所得等報告書」がどのように記載されているかというと、たとえば、議員の収入が「給与所得 27,922,526円 歳費等、会社役員報酬」、「不動産所得 2,054,413円 不動産賃貸」、「配当所得 4,633,592円 株式の配当」といった具合に、主に給与、不動産、配当所得の3つに分類して記載されている。

ただし、議員によっては、会社役員の給与を給与所得とは別の「雑所得 顧問料」として記載するなど、報告書の記載方法は厳密に決まっているわけではない。そのため、役員給与が雑所得に分類されている議員については、「給与所得」に付け替えた。また、不動産の売却を「長期譲渡所得」に換算している議員については「不動産所得等」に置き替えた。「利子所得」や「年金」「印税」などは「株式配当等」に分類した。こうして議員の所得を、「歳費・役員」・「不動産等」・「株式配当等」の3つに再分類したものが、上記の表である。

なお、ランキングの順位の集計方法は、昨年7月1日付の各紙(朝日・読売、毎日、日経、産経)に、各衆院議員の所得金額が「選挙区ごと」に一覧で載っていたため、その数字をエクセルで再入力して、「所得金額上位」の順に並べ替えた。そして、そのうち上位30位については、上述のように、「所得等報告書」をもとに、所得を3つに分類して分析した(金額は千円以下切り捨てで集計)。

所得ランキング上位の議員については、国会の議員事務所に問い合わせて事実確認する作業も行なった。こうして調査した結果が上記の「衆院議員所得ランキング上位30位」である。

 下記「全衆院議員の所得ランキング」については、31位以下の全議員の所得の内訳を、2008年7月1日付の読売新聞の「所得一覧表」を参考に集計した。各紙で所得の分類方法はまちまちだが、読売は「給与」「不動産利子等」「事業その他」に分かれており、所得の仕分け方が筆者と近かったためだ。

ReportsIMG_I20090304013331.jpg
衆議院議員の所得分布

政治家の3つのビジネス

こうして議員所得を調査分析したところ、全体の平均は2,697万円と、歳費のみの場合に比べて平均およそ800万円もオーバーしていた

この先は会員限定です。

会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。

  • ・本文文字数:残り3,792字/全文5,541字

上:民主党の松野頼久議員が15億円で売却した「白金」の土地下:松野議員の白金の土地が「森ビル」に売却されていたことを示す謄本。

衆院議員所得31位以降のランキング。全議員ランキングは記事末尾からダウンロードできる

公式SNSはこちら

はてなブックマークコメント

プロフィール画像
japonium2009/03/04 11:43

公開すべきソースを有料にしたら世論に喚起出来んだろ。

もっと見る
閉じる

facebookコメント

読者コメント

望む2009/04/02 09:49
有能な政治家ならば2009/03/07 11:24
同感2009/03/07 11:11
真実はこういうこと2009/03/07 10:29
どうでもいい2009/03/07 04:52
アンチ世襲2009/03/04 16:52
※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。
もっと見る
閉じる
※注意事項

記者からの追加情報

本文:全約5,900字のうち約3,900字が
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい

新着のお知らせをメールで受けたい方は ここでご登録下さい (無料)
企画「納税者の眼」トップページへ