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官僚主権の象徴「審議会」改革で「公職コミッショナー制度」を導入せよ
イギリスの公職任命コミッショナー制度を解説した「審議会革命」(日隅一雄編訳・青山貞一監修・現代書館、1050円)。オリジナル原文も収録。

 審議会のあり方を変えない限り、政治主導は実現できない。役人に都合のよい政策にお墨付きを与えるため、御用学者・業界人・元官僚らが闇の中で勝手に答申を決めるのが、分科会数、実に900にも上る審議会の実態だ。委員の選任、討論内容などはほとんど公開されず、有権者・納税者・住民は不在のまま。この審議会政治を変革するには、英国で実施中の「公職コミッショナー制度」が参考になる。同制度にいち早く着目し、日本での実現を訴える日隅一雄弁護士に聞いた。


【Digest】
◇「消費者委員会」の選任に疑問
◇政府と官僚の胸先三寸で決まる審議会委員
◇宮内義彦オリックス社長は審議会で何をやったか
◇御用学者を増殖させる審議会
◇「放送とネットを政府が規制するのは常識」という審議会の非常識
◇審議会の闇を取り除く「公職任命コミッショナー制度」
◇制度の核=「任命綱領」により不正は不可能
◇徹底した記録保存義務と情報公開義務
◇独立行政法人の独立と天下り防止

◇消費者庁を監視する「消費者委員会」の選任に疑問
 日隅一雄弁護士が解説する。
 「9月1日に消費庁が発足しました。ここがしっかり仕事をしているかチェックする機関が消費者委員会です。この委員長に、『行列のできる法律相談所』に出ている元検事の住田裕子弁護士が選任された、とだいぶ前に報道されました(結局、一身上の都合で辞退)。

 この方が消費者のために何か継続的にやってきたということは聞いたことがありません。しかし、ここでの重要な問題は、委員会が発足する前に委員長が選任されていること。委員長は委員の互選なので委員が選ばれる前に委員長が選任されることは、ありえないはずです」

 委員の互選により消費者委員会の委員長を選任することは、消費者庁及び消費者委員会設置法12条で明確に規定されているので、住田裕子弁護士の任命は明らかにこの規定に反する。政府や官僚の意向に沿った委員の人事がなされれば、消費者の視点から消費者の利益の擁護を目的とした同庁や同委員会の設置の趣旨に反する。この例のように委員長や委員の政治任命が普通のことになれば、政府や官僚が望む答申が出てくるのは、当然だ。

 「しかも住田弁護士は(消費者問題の)専門家ではないのに、なぜ委員長に選ばれるのか、と複数の弁護士会が反対意見を出しています。(編集部注:住田弁護士の所属する法律事務所の複数の弁護士が、消費者金融側の代理人になっていることも問題視された)。札幌・秋田・仙台・新潟・群馬・東京・愛知・京都・兵庫・福岡・佐賀の弁護士会が(8月上旬時点で)反対意見を出しているのです。

 たとえば東京弁護士会は、≪消費者委員会の委員長は、法律上委員の互選により選任されるのであり(設置法12条)、政府が消費者委員会の意向を無視して適任者を予め示唆して委員会を主導することはあってはならず、その選任過程は透明である必要がある≫としています。

 これだけ多くの弁護士会が反対しているのは尋常な事態ではなく、大変なことです。ところが、こうした事実が報道されません。審議会委員にはマスメディア方も多いというのが関係しているのかもしれない」

 日隅弁護士が指摘するように、マスメディア関係者が委員に選任されることは多い。消費者委員会の委員には、TBS解説委員・元報道局政治部の川戸恵子氏がいる。他の審議会でも同様で、たとえば財政制度審議会。その財政制度分科会の名簿(2009年7月17日現在)を見ると、以下のメディア関係者がメンバーとして参加している。

委員
 榧野信治 ㈱読売新聞東京本社論説副委員長
 玉置和宏 ㈱毎日新聞社特別顧問

臨時委員
 板垣信幸 ㈱日本放送協会解説委員
 岩崎慶市 ㈱産業経済新聞社論説委員
 川崎隆生 ㈱西日本新聞社代表取締役社長

専門委員
 五十畑隆 ㈱産業経済新聞社客員論説委員
 田中豊蔵 元(株)朝日新聞社論説主幹
 渡辺恒雄 ㈱読売新聞グループ本社代表取締役・主筆


 審議会で決定された方針に反する報道は不可能どころか、決定を積極的に推進する方向に向かわざるを得ない。官僚側からすると報道各社社員の委員選任は、“口封じ”の側面もある。上にあげたのはほんの一例で、900近くある分科会(実質的にこの段階で方針が決定される)とメディア関係者の関連を全面的に調査することも必要だろう。

◇政府と官僚の胸先三寸で決まる審議会委員
 「では、審議会で話し合われた答申を基に立法されるのは当たり前なのか、ということを考えてみたいと思います。内閣府の調査(2007年10月1日)によると、審議会総数は116。その分科会部会は900近く。これに対して国会議員の総数は720人です。議員の総数を上回る審議会がある。

 ここで、法案を検討したりして日本の政策が決められていきます。(編集部注:内閣提出の法案となり、国会での審議を経て成立する。)もちろん、法案だけではありませんが。

 いずれにせよ、独立した審議会で法案が検討されるのなら問題は少ないでしょうが、実際には独立性がない。

 現行の建て前上の審議会の法的根拠は、昭和23(1948)年に施行された国家行政組織法第8条。設置するにあたって、審議会の役割は次の四つとされました」

① 国民各層の意見を反映させる。
②多様な意見を取り入れることによって行政過程を公正なものにすること。
③専門的知識を取り入れること。
④各種の利害を調整すること。

税制制度審議会の分科会では、一般市民を代表する人の参加はゼロ。これでは公正な答申が出るわけがない。

 「これが、審議会を設置するときのタテマエですね。しかし先ほどの消費者委員会の件でもわかるように、この③の専門的知識を取り入れるということはない。審議会の根拠とされるものに反することが行われているわけです。

 それでも最初は、法律によって審議会が作られていました。国家行政組織法第8条を根拠として、昭和58(1983)年までは法律による設置のみが認められていたのです。当初は審議会の設置そのものが『国会の機能を奪う恐れがあり、憲法違反の恐れがあるのではないか』とさえ指摘されていました。

 ところが、そのうちに審議会の設置が安易に、そして簡単にできるように変わっていきます。その後、政令によってもできるようになり、さらには抜け道として『私的諮問機関』が多用されるようになってしまいました。これなどは法律も政令もいらない。勝手にできるようになったのに、あたかも法律によって設置されているかのように思われてしまうのです」

◇宮内義彦オリックス社長は審議会で何をやったのか
 「では、そのように安易につくれる審議会で何を決めてきたのか。言い換えれば、審議会を隠れ蓑に政府は何をやってきたのか、ということです。たとえば宮内義彦オリックス社長が議長であった『総合規制改革会議』です。

 平成16(2004)年3月、改正労働者派遣法が施行されましたが、この「総合規制改革会議」の答申を受けたものです。それまで一部の職種に限られていたものが拡大されたり、従来1年に制限されていた派遣受け入れ期間制限を撤廃しました。派遣期間を最長3年にすることも撤廃しました」

 宮内 義彦オリックス株式会社取締役兼代表執行役会長・グループCEOを議長とするこの総合規制改革会議(答申を出した04年3月に廃止)の主要メンバーは以下のとおり。

奥谷 禮子(株式会社ザ・アール代表取締役社長)
河野 栄子(株式会社リクルート代表取締役会長兼CEO)
佐々木かをり(株式会社イー・ウーマン代表取締役社長)
古河 潤之助 (古河電気工業株式会社代表取締役会長)
村山 利栄(ゴールドマン・サックス証券会社マネージング・ディレクター経営管理室長)
森 稔 (森ビル株式会社代表取締役社長)

 このほかに学者も複数含まれている。成功したビジネスパーソン、財界関係者が多く占め、労働組合や市民団体関係者などは皆無である.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



審議会委員のざっと3人に一人が兼職で複数の審議会委員を務める。政府に気に入られた学者や財界人らが政策決定のための答申案をつくるということだ。委員は専門性が要求されるにもかかわらず、専門以外のテーマでも選任される問題は大きい。

公職任命コミッショナー制度の全体像。審議会委員や公的機関の役員の募集・人選・面接・決定などのプロセスにおける文書化が義務付けられ、情報は公開される。さらに決定への不服申し立てや独立した監査者による監査もうける。この制度を導入すれば、政策決定のプロセスが大幅に改善されるだろう。

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 内閣府と総務省に、審議会委員の全体数と報酬額を問い合わせたら「全体を把握していない」「人数は各審議会の定数を足してください」「報酬はそれぞれの審議会に問い合わせてください」とのことだった。

 116審議会、約900の分科会を全部調べるのは時間がないので、データは古いが2004年の共産党の発表と同年10月18日の朝日新聞記事を引用した。

 朝日新聞の記事は、社として情報公開請求した結果を記事化したものだ。情報公開をするとき、役所から細かく分散して請求するように言われる場合がある。そうすると印紙代が高くなり、公開されたときのコピー代をあわせるとけっこうな額になる。

 なるほど、フリーランスに対する兵糧攻めか。なんとか方法を考えて、私は審議会を調査し、とくに「御用審議会」におけるマスコミ人の実態をあぶりだしたいと考えている。

公職コミッショナー制度の導入も必要だが、情報公開法の抜本改正も大切だと思う。

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文系の学部の廃止を  11:55 10/08 2009
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日本の「文系エリート」全般の低学歴と低教養が続くかぎり、公職コミッショナー制度を導入しても大した変化は起きないと思われます。語学以外の文系学部(法学、経済学、経営学、商学、社会学、教育学)を廃止したほうが良いんじゃないでしょうか。それらは学部から必修で勉強するほどの内容がないので、大学院があるだけで十分です。
匿名希望  09:34 10/03 2009
 審議会に関する記事はとても大切だし、もっと知られるべきだと思います。  民主党の城島光力さんの日記、2009年2月 3日 (火)分に「総合規制改革会議議長・オリックス宮内会長、奥谷禮子氏とのバトル」とあり、詳しく書かれていました。