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やはり大問題を起こしたトヨタ-5 やはり今回も反省はなし

情報提供
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豊田市内の工場
©S.Remael / MYOP
 米国でのリコール問題を受け、豊田章男社長が「今後は、消費者による苦情など、お客さまの視点を入れていく」と何度も語ったのが印象的だった。なにしろ、「消費者」や「お客さま」という言葉は、これまでのトヨタの辞書にはない言葉であり、もっとも軽視されてきた視点だからだ。何か少しでも消費者の視点でのカイゼンが行われたのか、本当に苦情を聞き入れる姿勢はあるのか。
Digest
  • 「お客さまの視点」カイゼンなし
  • 国交省のほうを向いて、顧客のほうを向いていない
  • 「マスコミ向けにですか?」に唖然
  • 役人に取り込まれた前原大臣

「お客さまの視点」カイゼンなし

それを確かめるため、「お客様相談センター」に、元トヨタリコール車ユーザーの1人として、3年ぶりに電話してみた(2010年3月24日)。

--私は重傷事故を引き起こしたハイラックスと同型のリコール車に乗っていた者です。2007年の6月時点で、16万台も修理されずに放置されていましたが、これは現時点でどのくらい改善の実施が進んでいますか?豊田社長が顧客の視点を入れていく、と明言していたものですから、もしかしたら対応していただけるかと思いまして。

「少しお待ち下さい、確認いたします。(しばらくして)改修率は公開していないようです」

--どうしてですか?安全に関わる最も重要な情報ですよね、実際に重傷事故を引き起こしてるわけですから。理由を教えてください。

「はい、少々お待ち下さい」

ここで、最初に出た女性から、Kさんという男性に代わった。

「さきほど申したとおり、実施率は公開しておりません」

--公開しない理由のほうを尋ねています。社長がリコール問題を受けて顧客の視点を取り入れると言っているのですから、顧客が求める安全情報を公開しないのは、おかしいのでは?

「ご案内できる情報は、ございません。理由もお伝えできません。」

国交省のほうを向いて、顧客のほうを向いていない

--では、今回の事件を受けて、消費者向けに、何かここが変わった、と言えることは1つでもありませんか。お客様相談センターだから、顧客対応の最前線で、一番ご存知のはずですよね?

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トヨタ自動車本社工場
©S.Remael / MYOP

「現在、『ここが』と、ご案内できる情報はございません」

--国交省に3ヶ月ごとに提出しているリコールの改善実施進捗データを、消費者に公開するつもりはないのでしょうか?国交省のほうを向いていて、顧客のほうを全く向いていないと感じます。もっとも安全に関わる情報じゃないですか。ハンドルが利かなくなるということでリコールになった車ですから、歩道に突っ込んでくる可能性がありますよね?

「個々に公開することはしておりません。おっしゃっていることは、理解できますが」

--個々ではなくて、全員に公開すべきだと言ってるんです、ウェブ上で。ほかの危険車の名前も教えてほしいのです。つまり、リコールの改善実施率が低い車種を知りたいのですが。

「現状では、公開できる情報はございません」

普通は、ご意見を担当部署に伝えます、くらいは言うものだが、一切、自分たちのやり方は変えない、というスタンスがいかにも傲慢で自己中心的なトヨタらしい、と思った。これでは、単なる“ガス抜きセンター”だ。相変わらず、消費者軽視の姿勢である。

--トヨタにとってはチャンスのはずです

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豊田市内の工場©S.Remael/MYOP

本記事は文庫版にも収録した

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村田広樹2012/04/01 20:35
masa2010/05/20 14:21
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