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『山陽新聞』販売会社社員が自殺 遺書に「未集金60万円超」、販売ノルマ苦か
山陽新聞社の社屋(岡山市)。岡山県で最大の部数を誇るが、多数の押し紙(部数水増し)がなされているのではないか、との指摘がある。筆頭株主で会長の佐々木勝美氏は新聞協会副会長を務めたこともある。

 今年3月、岡山で最大の部数を持つ山陽新聞社で販売を担当していた子会社社員のAさん(40歳代)が自殺した。現場の社員寮には新聞代金の領収書の束とサラ金会社などのカード、そして「60万円以上の未集金がある、申し訳ない」(趣旨)との遺書が残されていた。新聞販売のノルマに追われるあまり自腹を切っていた疑いが濃厚だ。しかし新聞社側は、詳細を語らない。小学生のころから山陽新聞の新聞配達をしてきたという30年に及ぶ新聞人生の結末はあまりに悲劇的だ。「聞きたいことはたくさんあるが、聞いても帰ってくるわけでない」と力を落とす遺族に代わって、社長にアポなし取材を敢行した。

【Digest】
◇ 集金締め日の朝に社宅で自殺
◇「未集金60万円」のメモ
◇「領収書の束」は何を語るのか
◇「架空契約」「自腹切り」が状態化か
◇ 給料すべて注ぐ者、サラ金で借りる者
◇「そういうのがあったかもしれません」
◇新聞配達少年に仇で報いる『山陽新聞』

◇ 集金締め日の朝に社宅で自殺
 岡山県でもっとも多くの発行部数を持つ『山陽新聞』の子会社「山陽新聞東販売株式会社」(本社岡山市)社員の男性Aさん(40歳代)が、職場だった支店の社宅で自殺したのは今年3月15日午前のことである。Aさんは支店の次長で、新聞勧誘や集金業務を担当していた。
 
 Aさんは地元岡山の出身で、実家は岡山市から数十キロはなれた山村にある。今年7月、筆者はそこを訪ね、実母に話を聞いた。Aさんの父親はすでに亡くなっているとのことで、母は一人暮らしだった。70歳をすぎ、体も具合が悪い。わずかばかりの年金が頼りだという。力を落とした様子で縁側に座り、ときおり涙をこらえながら亡き息子のことを語った。
 
 「(Aさんが自殺した)3月15日、私はちょうど、危篤だった兄(Aさんの叔父)の見舞いに行って留守にしていました。家に戻ったのが夜8時。そうしたら近所の人があっちこっち私を探しまわっていたんです。山陽新聞から電話がかかってきて、様子がわからずに出ました。『兄が病気だったもので(留守にしていた)…』と言いかけたら、電話の相手は『いやそうじゃないんです。A君が自分で命を絶ちました』と…」
 
 突然もたらされた息子の訃報に動転したことはいうまでもない。
 
 「本当に、叫びました…。『明日警察に遺体を引き取りにきてくれ』と(山陽新聞社員から)言われて…もう何がなんだか分かりませんでした。危篤の兄が亡くなったら休みをとって葬儀に帰ってくる、つい数日前にそう電話で話していたんです。妙な様子はまったく感じませんでした。」
 
 なぜ死んだのか。わけがわからない。それでも少し落ち着いて考えてみると心当たりがないでもなかった。
 
 「いま思えば、おかしな(変な)、いうんですか。次々に、お金貸してほしいといってきてたんです。5万とか10万と借りにきたんです。それで私は『お前、お母さんに何ぼ貸してくれいうとんのわかっとるんか』と。息子は『わかっとる』と言いました。ひとりの生活でなんでこんなにならにゃいけんの、いうたりしていました」
 
 Aさんは生前、母親にたびたび金の無心をしていた。何のための金なのかは決して言わなかったという。
 
自殺で亡くなったAさんが働いていた山陽新聞東販売株式会社。販売店主の証言によれば、新聞購読の数字を出すために社員が自腹を切るのが状態化していたという。
◇ 「未収金60万円」のメモ
 死の原因を知る手がかりは多くはない。

 山陽新聞が遺族に説明したところでは、自殺の第一発見者は同僚社員だ。Aさんが住む独身寮は支店の3階にある。この日朝、午前9時を回って仕事の時間になってもAさんは職場に下りてこなかった。不審に思った同僚が部屋に行ってみると、変わり果てた姿となっていた。すでに手遅れだった。死亡推定時刻は午前11時ごろとされる。
 
 事件後に寮の部屋を訪れた母親によれば、食事の支度をした痕跡があったという。
 
 「ご飯を余計に炊いて一食分だけが冷凍庫に入っていて。洗濯物もかごにいっぱい入っていました。だから、部屋で発作的に自殺を図ったんじゃないだろうか、そう思うんです」
 
 Aさんが未明に起床した気配もあった。 
 
 「目覚まし時計が4時に鳴るようになっていました。早朝に起きて配達の手伝いをやり、いったん部屋に戻ったんじゃないだろうか。そう思います。『配達の人が休んだときには配達もやらなきゃいけないんだ』と話していましたから」
 
 そして遺品の中からは、サラ金や信販会社など何枚ものカードが出てきた。多重債務状態だった。家族のまったく知らない事実である。

 趣味は釣りをやるくらい。酒もそんなに飲んでいたとは思えない。ギャンブルもしない。しかも独身で家賃がタダ同然の寮にいるのだから、通常なら生活費に困る状況ではない。
 
 なぜ借金をしたのか。ヒントは遺書にあった.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



販売店に向けて次々にトラックで運び出される『山陽新聞』の朝刊。このうちの多くは配られないまま廃棄されている、との指摘がある。一方で新聞社側はこれを否定する(午前零時すぎ、岡山市の山陽新聞社新聞製作センター)。
山陽新聞東販売株式会社。Aさんが自腹を切っていた可能性について刈田社長は取材に対し「そういうのがあったのかもしれません」と述べた。だがそれ以上の詳しいことは明らかにされていない。
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斜陽産業の実態が酷い  18:11 01/10 2011
自分は新聞関係者ではないし、新聞も購読していないが、新聞業界の斜陽産業っぷりが酷すぎて見ていられないですね。 ネットの発達した現代で、莫大なエネルギーを使って紙に印刷し人力で配達している事自体がおかしい事に気がつかないといけないのでは?
合同店主  20:19 11/25 2010
排除はされてません。表向きは注文部数制度となってますが、注文部数を本社に送れば定価の改正やチラシ減、店の改廃等で経営できなくなる圧力が生まれています。合同の定価設定はむごいですよ。
大分合同さんへ  20:01 11/19 2010
大分合同新聞は、かなり前に共産党の支援で押し紙を排除したはずですが、どうなってしまったのでしょうか?
合同店主  19:40 11/17 2010
大分合同新聞もかなりヒドイ状態です。黒藪さんに取材して頂きたいです。
アホか  21:33 11/12 2010
(「公査」の対応の手口)は日本ABC協会は過去の経験で知りつくしている。「提出された資料で判断するので、こちらとしてはどうしようもありません」とは開いた口がふさがらない。日販協からの半世紀以上にわたる新聞族議員への献金の圧力とおこぼれによってまじめに己の仕事をしていない事実はいまでは多くの者が知っている。
日本ABC協会職員  09:32 11/12 2010
岡山県の山陽新聞社に公査に入ります。浦安販売センターです。かなり部数改竄をするとの情報です。しかし、提出された資料で判断しますので、こちらとしてはどうしようもありません。
不信  21:31 11/11 2010
日本ABC協会職員と名のって述べているが、万が一そうならば、山陽新聞など地方紙の「押し紙」(残紙)を問題にするよりも、桁違いに多い全国紙をなぜとりあげないのか?