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震災影響、下請けは軒並み年収200万割れ 第33回「トヨタ総行動」

情報提供
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集会には、愛知県内を中心に東京や福井からも集まり、約810人が参加した。
 2月11日、トヨタの下請け業者らによる第33回「トヨタ総行動」が豊田市内で行われ、約810人が参加した。現場で話を聞くと、大震災の影響で下請は一時7割が操業停止となり、地元の零細下請け経営者は軒並み年収200万円を割るなど『トヨタピラミッド』の底辺では悲鳴が溢れていた。消費税が上がれば、下請けは増税分を価格に転嫁できないと言われており、廃業が加速する。一方、トヨタ本体は電力不足を理由にピークシフトのため割引がある土日操業を行い、電気代を8億円近く稼いだという。消費税も、輸出分は「輸出戻し税」制度があるため、10%に上がっても現状の2倍(4千億円超)がトヨタに還付される。
Digest
  • ここ4年で最悪のトヨタピラミッドの底辺
  • 土日操業で8億円近く電気代節約 働く人は大混乱
  • 消費税率が2倍になれば4000億円超がトヨタに転がり込む
  • 内部留保13兆8630億円の1%活用で雇用4万6千人創出 
  • 末端業者社長は軒並み年収200万円未満
  • ブラジル人労働者の復職要求裁判で勝利

ここ4年で最悪のトヨタピラミッドの底辺

愛知県豊田市の中心街から少し離れた河川敷の公園で、集会は始まった。33回目を迎えたトヨタ総行動は、トヨタグループが抱える労働問題の解決や下請孫請け業者が不公正な状態の改善を求めるために、実行委員会主催で、毎年開かれている。

気温は低いがよく晴れわたった会場には、労働組合の旗やノボリがはためく。約40分の集会後はデモ行進・・というプログラムは、一見するとありきたりの労組関係の集会に見える。

しかし、この「総行動」では、トヨタグループ内で起きている具体的事実が公表され、しかも問題を抱える当事者が来場しているので、きわめて重要な集会だ。

そのため4年連続で筆者はこの集会に来ているが、トヨタピラミッドの下請企業や非正規労働者の実態は最悪になっているとの印象を受けた。

まず、実行委員長である愛労連(愛知県労働組合総連合)議長の榑松(くれまつ)佐一氏があいさつを兼ねて全体状況を話した。

「昨年の2月11日は大変な大雪のなか総行動が実施され、一か月後の3月11日に東日本大震災が起き、一部の部品が入らないだけで愛知県内の7割の下請企業が操業停止になりました。安いところ安いところと言ってばかりいるトヨタのおかげで、ほんの一部の部品が入らないだけで7割の下請企業が被害をこうむったのです。

土日操業で8億円近く電気代節約 働く人は大混乱

「トヨタは節電のために土日操業を実施しました。中小下請け企業ではとても対応できず、保育園に子供を入れようと思っても預かってくれるところがない。入れたら1万円2万円の出費になってしまいます。

運送会社では、トヨタだけの仕事をしているわけではないから(他の日を)休みにすることはできない。非常な負担が市民にふりかかりました。

私は中電(中部電力)にも行きましたが、中電は、わが社はトヨタに土日の操業を依頼したことはないと言っていました。これはあきらかに、トヨタが土日操業して電気代を節約したということ。

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ムシロ旗風のプラカードもあれば、愛レンジャーも登場した。会場には、これまでマイニュースジャパンで取りあげた人々も参加していた。

私が計算したら、7億円か8億円くらいになる。中電は公表しないが、ある会社の電気代から計算するとそのくらいになります。つまりトヨタだけが電気代を節約できたのです。

ところが、中小下請けはそんなことはできません。パートさんが土日出てこないところでは、工場長社長が土日に残業してなんとか間に合わせる。こういう負担を下請に強いたのも、トヨタの儲けのためです」

電力会社もトヨタなどの企業も個別の契約内容を公表していないので、集会後に榑松氏に土日操業の電力料金値下げについて聞いてみたところ、次のような事情だった。

土日操業の負担が、働く人や末端業者にのしかかるので、榑松氏らは中部電力や、経産省などに問い合わせをしたが、答えてくれなかった。

そんななか、共産党愛知県委員会・本村伸子常任委員がトヨタなどの土日操業を問題視して経産省で話していたときに割引について質問すると、経産省担当者は「土・日操業で電気料金が平日に比べ6~7割に安くなる企業もある」と回答したという。(『しんぶん赤旗』2011年8月9日より)

榑松氏が説明する。

「トヨタグループの有力企業デンソーの年間電気料金が100億円以上という中日新聞(11年6月30日)をもとに、企業規模の差を考慮して、トヨタの1日の電気料金を仮に1億円としました(デンソーを1年365日で単純計算すると1日2740万円)。

土日操業で3割から4割電気料金が安くなると言った経産省担当者の話をトヨタに適用してみました。夏の3か月の土日操業は24日間。1日1億円と仮定した場合に24億円ですから、この割引を適用してみるとざっと7億円から9億円超になります。

このような大幅な割引は、トヨタやせいぜいグループ上位に位置するデンソーやアイシンなどには適用されるかもしれませんが、末端業者などはこんな恩恵にあずかってはいない

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集会のしおり。B4判二つおりの資料のなかに、大切な内容が含まれている。

利益の蓄積である内部留保を有効につかえばさまざまなことが可能になる。上の表は国交労連が試算したもの。

原案通りに可決された集会決議。

集会終了後はデモに移った。手前は東京大気汚染訴訟の原告団。

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wataken442012/02/28 23:06

読める分だけ読むと微妙に一方的な記事。東電圏内にある他の自動車会社に合わせてトヨタも休みをずらしたんじゃなかったっけ。うろ覚えだけど 震災影響、下請けは軒並み年収200万割れ 第33回「トヨタ総行動」

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dnsystem2012/02/28 13:16

トヨタ滅びろ

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wideangle2012/02/28 12:58

ひどい…

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読者コメント

TCS2012/04/11 09:20
よた2012/03/17 00:41
名無しさん2012/03/13 22:40
名無しさん2012/03/06 18:23
でんきや2012/02/27 11:43
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 トヨタ大儲けの輸出戻し税制度ほか不公平税制の実態が詳しく書かれているのは 『庶民増税によらない社会保障充実と震災復興への道』(富山泰一=不公平な税制をただす会事務局長、あけび書房)