Ba 普通の企業
(仕事3.0、生活3.7、対価2.8)
|
4月3日、横浜DeNAベイスターズの本拠地開幕戦。1ヶ月ほど前からDeNA社内で募った200人の無料応援ツアーは数時間で満席となり、打ち切られた。本社のある初台から5台のバスで行く観戦ツアーは17時集合とあって「そんな時間に仕事が終わるのか」との声もあがった。『モバゲータウン』の大ヒットで売上・利益ともに2012年3月期までの3年間で3倍増を超える見通しとなり、ライバルのグリーも持たないプロ野球チームも買って、順風満帆に見えるDeNA。だが、会社の生死に直結する決定的な弱点を抱えている点はグリーと同じ。いわゆる「ガチャ規制」である。
【Digest】
◇ガチャ規制で赤字転落も
◇課金に導くテクニック
◇ミッションを持たない会社
◇半分は院生、東大・京大が多い
◇企画とITの二人三脚でゲーム運営
◇中途入社が6割くらい
◇「日本全国のニートから集めたカネを海外に投資」の構図
◇怪盗ロワイヤル開発者にボーナス3千万円
◇普通の社員への還元「全然ない」
◇「初台にいるのが、いかにもウチらしいのに」
◇ECは渋谷に行かない
◇有休は半分消化どまり
◇グリーに「チクらされた」
◇ガチャ規制で赤字転落も
ガチャ規制とは、何が出てくるか分からない子供向けの「ガチャガチャ」のように、ゲーム中で使うレアアイテムを求めて、どんどんガチャにお金をつぎ込む仕掛けが射幸心を煽りすぎるということで、当局が何らかの規制をかけるのでは、と目されている問題だ。
モバゲーの「ガンダムコレクション」をはじめ、「コンプガチャ」(6枚のカードが揃ったら別のカードがもらえる)といわれるスキームが射幸心を煽り、コレクター心理を刺激し、ゲームの売上の大部分となっているという。
『ビックリマンチョコ』の場合は、おまけとして入っている天使や悪魔のシールが人気化し、(本来の商品であるチョコではなく)レアなシールを求めてカネ持ちが「大人買い」したり、希少度の高いシールが金銭で取引されたため、公正取引委員会が1988年、発売元のロッテに対し、シールの種類毎の混入率を均一にする等の案を出し、ロッテに従わせた。その結果、ファンは一気に離れ、沈静化した。
「社内では、ビックリマンチョコと同じ規制がかかったら、ガチャをベースにしたゲームの売上は現在の1割、つまり9割減にまで落ち込む、とも言われています。現在、レアカードの出現率は1~2%、モノによっては1%以下に抑えている。これが均された瞬間に、確かに売上は消滅しますね」(モバゲー中堅エンジニア)
ビックリマンチョコは1個30円だったが、デジタルゲームはケタが違う。ゲーム内で1回300円、500円といったガチャを回し、ボタン1つで11回まとめて回す、といったデジタルならではの仕掛けも定着。月に数十万円も使ってしまう全体の2%ほどの「重課金ユーザー」と、月に1千円~1万円払う20%くらいの「軽課金ユーザー」が、DeNAの利益を圧倒的に支えているのだという。
同社古株で業界事情に詳しい元社員も、「幹部との話のなかで分かったのは、ガチャ規制がかかったら、2年がかりで売上が半分になって、さらにマイナス10%ずつ落ちる、くらいのことが起こる、ということ」と話す。高収益な内製ゲームの約4割がガチャベースとあって、収益の柱を失ってしまう。ガチャ効果がなくなれば、現在の利益が丸ごと吹き飛ぶくらいのインパクトがあるわけだ。
RMT(リアルマネートレーディング)というアイテムの売買サイトが問題化しているのも、ビックリマンチョコと状況が似ている。年齢が自己申告のため比率は不正確だが、判断力の弱い子供が巻き込まれている(1~2割とされる)点も同じである。「10代は売上ベースで20%を切っていて、20~30代がメインです。無限に課金できるケータイを子供に与える親の問題だと思いますが…」(元社員)
子供が関係なくとも、ゲーム内でガチャをやってアイテムをゲットしRMTサイトで換金可能となると、(グレーながら)パチンコのみで認められてしまっている「3店方式」と全く同じ賭博行為の要件を満たすため、警察はバカラ賭博などと同様、「賭場開帳罪」容疑で、一発でDeNA経営陣を逮捕することができる。実際に、各種オークションサイトでは高額取引が活発に行われている。
「経営陣はRMTについては根絶したがっていますが、ガチャと合成カードゲームについては、グレーでも絶対に続ける方針ですね」(中堅エンジニア)。自主規制で沈静化を図るのか、警察や公取といった当局との間で一波乱あるのか、天下りを受け入れ、お目こぼしを乞うのか。少なくとも、なし崩し的にグレーゾーンを突き進むには、限界に近づいてきているようだ。
◇課金に導くテクニック
そもそも、単なるネット上の画像データに何十万円も支払わせる巧妙な仕掛けは、誰が考えているのか。「いわば、課金へと導くテクニックがある。思考回路分析をしていて、『ここまで引っ張れば、時間はもったいないけど、続きをやりたくなる』というポイントがあるんです」(中堅エンジニア)
そのための組織として、各ゲームタイトル単位チーム(怪盗ロワイヤルチーム、ワンピースチーム…)の裏にいるのが、2つのクロス組織、すなわち、①「分析基盤」(=アルゴリズムの作成を行う高学歴ドクターの集団.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
|
DeNAの組織階層 |
|
|
DeNAのキャリアパスと報酬水準 |
|
|
若手社員の給与 |
|
|
意思決定カルチャーなど |
|
|
評価詳細と根拠 |
|
