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警告表示義務と市民訴訟制度のミックスで有害物質を劇的に減らしたカリフォルニア州
カリフォルニア州のスターバックコーヒーでは「コーヒーなどの商品にアクリルアミドという発がん物質をが含まれます」という注意書きを表示。(『Forbs』・ブログ記事より )

 


 コーラの発がん物質を削減させたカリフォルニア州の制度を調べると、単に基準が厳しいだけでなく、よりラディカルで実効性の高い規制が1986年から実施されていることが分かった。基準値を超える場合、商品や店舗に「発がん物質を含む」という表示が義務付けられ、違反すると1日25万円相当(2500ドル)もの罰金が課される。また、違反を見つけると市民の誰もが訴訟を起こすことができ、罰金の25%は訴えた人が貰える。消費者が監視役を兼ねる仕組みだ。環境団体等では年間収入の半分が訴訟から、という団体も出ている。街中が警告表示だらけ、賞金目当ての訴訟が増え企業負担が増すといった批判もあるが、他の州と比べ有害物質の排出量が減ったデータも出て、効果が表れている。この、法律の施行に(役人ではなく)市民の監視を絶妙にミックスさせ、行政支出を増やさず実効性を高める制度は、日本でも導入したらよいのではないか。環境先進自治体の成功事例をお伝えする。

【Digest】
◇コーラ以外にも子供用品の鉛やカドミウムの削減にも貢献
◇ 警告表示の免除を受けには企業が安全性を証明すべき
◇市民の誰もが訴えることができる
◇環境団体の年間収入2億円中1億円は訴訟での罰金収入
◇スターバックスでも警告表示
◇10年間で環境排出有害物質85%削減の成果
◇市民の監視による法執行制度を日本も導入すべき

◇コーラ以外にも子ども用品の鉛やカドミウムの削減にも貢献
 コーラの発がん物質問題を取材していくと、カリフォルニア州の法律が極めて画期的で、有害物質の削減に大きな力を発揮していることが分かった。

 その法律の名前は「安全飲料水及び有害物質執行法」(別名プロポジション65)というもの。1986年成立の古い法律なのだが、その先進性は全く色あせていない。

 発がん性や、先天異常などの生殖毒性をもつ化学物質が飲料水源を汚染することを防止することが一つ目の目的だ。しかし水源への排出禁止だけでなく、食品や生活用品などでも規制対象の有害物質が含まれている場合には、原則として事業者に対して事前に警告表示をすることを義務付ける、という内容になっている。

 別名の「プロポジション65」とは、カリフォルニア州では1911年以来、州の憲法や法律修正や新たな法律案を州民が発議することが認められている。一定割合の署名を集めると提案でき、州民投票による過半数の賛成で成立する。それらの法案がプロポジションと呼ばれる。65番目の州民立法(プロポジション)という意味

 カリフォルニア州に拠点を置き、コーラの発がん物質削減にも大きな貢献を果たした環境団体である環境健康センター(CEH)は、この法律を活用して環境対策を進めてきた団体の一つだ。今年8月にこの法律制定から27年の成果をまとめたパンフレット「より安全な空気・水・製品」を出版した。

子ども用品の鉛やカドミウムを削減させた(CEHパンフレットの紹介事例より)
 左図がパンフレット中で紹介されているコーラ以外でのCEHが指摘する成果の一部だ。

 トイザらスで売られていた子どものおもちゃや、赤ちゃんのヨダレかけに2700ppmの鉛が含まれていること、子ども用アクセサリーに750,000ppmのカドミウムが含まれていることを見つけ、この法律に基づき、訴訟を起こした。

 その結果、商品に含まれる鉛やカドミウムを検出限界値以下にすることに成功している。

◇警告表示の免除を望むなら企業が安全性を証明すべき
 プロポジション65の規制対象となる化学物質は現在、800種以上に及ぶ

 一方で、その800種の中で基準値(法律では安全標準値(Safe Harber Numbers)と命名されている)が定められている物質は300種ぐらいに過ぎない。

 基準値の設定の目安は、発がん物質の場合、一生涯のばく露で10万人に一人以上のがんの発生率の上昇が見込まれる量。これは日本でも発がん物質の大気や水質などの環境基準を作る際に目安と同じだ。

 生殖毒性物質は、動物実験での影響が出ないばく露量から、ヒトや動物の種差や個人差などの不確実な部分を考慮して、1000分の1にした量だ。

 基準値がある場合、それを超えるばく露が発生する場合には、警告表示が義務化される。

 問題は、基準値がない残りの500種類ぐらいの化学物質だが、その場合、原則としてどんな量が含まれるのか、少なくとも表示義務が発生する。その化学物質を使用しているのに表示をしたくない事業者がいたら、自費で基準値の目安を証明する必要がある。そこが、この法律のユニークなところだ。

 州政府の発がん物質、生殖毒性物質のリストに含まれる化学物質が商品に含まれている場合、「重大なリスクをもたらさない」量以下であることを企業が証明できない限り、警告表示を付ける義務があるということになるのだ。

◇市民の誰もが訴えることができる
 通常の有害化学物質の規制は、日本をはじめ、国が定める基準値を元に、国が監視し、守らせるという制度になっている。しかし、800種類以上の化学物質について、常時監視し違反を見つけるマンパワーは、州政府にはない。

 そこで法律で導入されたのが、市民の訴訟による法執行を認める制度だ。アメリカでは一般的らしいが、日本ではまったくなじみがないので説明しよう.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



CEHの年間収入の半分は、訴訟での収入。
法規制の対象になると排出量の削減が進むというデータ(増沢陽子氏の論文より)

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