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「奨学金」という名の悪質公的学生ローン 施行規則も何のその、「支払い能力」無視して一括繰上げ請求しまくり
日本学生支援機構法施行令5条4項には、一括繰上げ請求できる条件として「支払能力があるにもかかわらず」としている。だが日本学生支援機構は支払い能力を無視して一括繰上げ請求を乱発している。

 

 


 国が関与する学生ローン(自称「奨学金」)最大手の独立行政法人・日本学生支援機構が、違法な方法で「一括繰上げ請求」を繰り返していることがわかった。一括繰上げ請求とは、本来10~20年の分割で返済する「奨学金」について、返還期日が来ていない部分も含めて一括で請求する、という強烈な回収だ。卒業後の数年で数百万円といった大金を請求され、払えなければ年10%の延滞金がついて借金地獄に突き落とされる。だが、日本学生支援機構法施行令第5条4項には、繰上げ一括請求の条件として、「支払能力」を有していること、をあげている。同機構はこれを無視し、支払能力の調査を行っていなかった。さらに「連絡なく延滞が続いた場合は支払い能力があるとみなす」などといった、開き直りとしか思えない釈明で違法な繰上げ請求を正当化している。モラルなき姿は悪徳高利貸しそのものである。

【Digest】
◇卒業後3年目で211万円一括請求 
◇「一括繰上げ請求」条項
◇延滞金が容赦なく増えていく
◇難病で生活難でも480万一括請求
◇地獄に後戻りの「期限の利益喪失条項」
◇「支払能力」の大前提をごまかした訴状
◇支払能力を調べていなかった
◇回収したお金はまず元本に入れよ

◇卒業後3年目で211万円一括請求 
 「繰り上げ一括請求」のことを筆者がはじめて知ったのは2012年9月、東京地裁の法廷でのことだった。この日、日本学生支援機構が都内の男性Jさん(27歳)を訴えた裁判が開かれた。法廷は傍聴できなかったのだが、メモを取って後日、訴訟記録を確認した。記録によれば、機構の請求内容は次のとおりだ。

請求内容 

1 211万7352円

2 元本185万7333円に対する年10%の延滞金(2012年2月28日から支払い済みまで) 


 繰り上げ一括請求ということをしているとは知らなかった筆者は、まずJさんの年齢と請求額に驚いた。27歳ということは大学を卒業してさほど時間がたっていない。その社会に出たばかりの若者が、211万円もの「奨学金」を請求されている。何年もかかって分割で返済していくのが普通である。なぜいきなり211万円なのか。

 訴状には、こんな記載があった。「請求内容1」にある約211万円の内訳である。

①金19万2667円 返還期日経過元本小計額

②金185万7333円 一括繰上げ返還すべき返還期日未到来小計額

 ①は「返還期日経過元本小計額」の19万円。これが、支払い期日がきているのに払っていない金額の合計であることはわかる。問題は②だ。「一括繰上げ返還すべき返還期日未到来小計額」185万円あまりとある。文字通り、返還期日がまだきていない元金のことだ。Jさんが若干27歳にして211万円もの大金を一括請求された理由がこれではっきりした。「一括繰上げ請求」だったのだ。

 訴訟記録を読み進めていくと詳しい事情が書かれていた。

 Jさんは2005年4月に大学に入学し、2009年3月で卒業する。一括繰上げ請求の訴訟を起こされたのが、2012年3月。つまり卒業後3年がたったときのことだった。「奨学金」を借りたのは大学の4年間で、月額5万円。有利子の第二種、金利は年1・58%である。返還は、2009年10月から毎月1万3293円ずつ、14年間かかって168回にわけて払う計画だった。

◇「一括繰上げ請求」条項
 200万円を14年かけて払うはずが、3年目で一括請求されたのだ。あまりにも乱暴な取り立てではないだろうか。筆者はいぶかしく思った。何を根拠にそんなことができるのか。訴状を読み返したところ目にとまったのが次の一文である。

 〈独立行政法人日本学生支援機構法施行令第5条4項に、割賦金の返還を怠った者に対しては一括返還させることができる…〉 

 滞納した者については一括繰上げ請求ができるという条項が日本学生機構法施行令5条4項にある。それに基づいた措置なのだ――というのが日本学生支援機構の言い分だった。

 念のため日本学生支援機構のホームページをみたところ、次のとおり「一括繰上げ請求」の説明があった。

●機関保証の場合

 延滞が続いた場合、次のような督促を行うことになります。

 (1)一括返還請求…返還期限が到来していない分を含め、返還未済額の全額、利息および延滞金を返還していただきます。

 (2)代位弁済請求…本機構から保証機関(公益財団法人日本国際教育支援協会)に対し、返還未済額の全額、利息および延滞金について請求を行います。

 (3)保証機関からの請求・督促…代位弁済がなされた場合、(公財)日本国際教育支援協会から、代位弁済額の一括請求を行います。

 (4)強制執行…返済に応じない場合は、(公財)日本国際教育支援協会が強制執行にいたるまでの法的措置を執り、給与や財産を差し押さえます。


 「奨学金」を借りる場合、個人が保証人になる場合と、日本国際教育支援協会という保証機関が保証をする「機関保証」の2種類がある。個人保証の貸与に関しては「一括繰上げ請求」の説明はなかった。

 どうやら「一括繰上げ請求」は、機関保証を使って貸与を受けた場合の特徴のようである。

 なるほど、延滞が続いた場合は繰上げ一括請求できる、と書いてある。根拠規定は日本学生支援機構法施行令5条4項だ。Jさんに対する一括請求もいたしかたないのか。筆者はそう思いかけた。だが、しばらくして矛盾に気が付いた.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



日本学生支援機構の「奨学金」は公的学生ローンだ。イングランド語(英語)表記は「scholarship loan」とある。scholarship(奨学金)とstudent loan(学生ローン)は明らかに違う。あいまいな訳だ。
関東地方の「奨学金」取り立てを一手に引き受けている熊谷綜合法律事務所。溜池山王の高級高層ビルに入居している。家賃は低く見ても100万をくだらないだろう。
日本学生支援機構が回収委託しているオリファサービス債権回収株式会社。
日本学生支援機構から届いた回答。一括繰り上げ請求する際に支払能力の有無を調査していないことを認めた。
日本学生支援機構が回収委託している日立キャピタル債権回収株式会社の契約書。回集金はまず延滞金に充当され、経常収益となって回収会社の利益などに消えていく。

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ki  23:13 10/06 2013
連絡なく延滞するから延滞金や一括繰上げ請求が生じるのでしょう?減額制度も猶予制度もあるのに.
三宅  01:09 10/06 2013
不真面目になれるのは金のある人です。金がなければ真面目に払えません。その真面目な支払い困難者に対して、延滞金をがばがばつけられたり、一括請求したりしてより苦境に追い詰めているのが実情です。そもそも金の問題で大学にいけない人のためにある制度です。卒業して仕事につけなければ払えないのが普通ではないでしょうか。そして仕事につけないのは、いまや個々の責任ではありません。
学生の父  16:40 10/05 2013
真面目に返済すれば問題無いのでしょう?恐ろしくて借りる気無くなるよ、上の子の返済月に13,000円だったよ
よいこ  12:48 10/04 2013
奨学金は無利子と有利子があることも知らないのか。インチキしたら大問題でしょう。法的手段もとらないで。請求しまくり ウソでしょう
こくりこ  12:33 10/03 2013
連帯保証人の財産目当てなのは明らかでしょう インチキ法律事務所が取り立てに関わると必ずこうなります
奨学生の親  11:52 10/03 2013
私の子供も奨学金制度を利用しました、大変助かりました。ニュース見てビックリしましたが、少し情報不足だと思います、何か悪者の様な感じましたよ
三宅勝久  08:21 10/03 2013
会員
延滞金がなければ、そもそも一括で払うだけの財産がない人に「繰上げ一括請求」をする意味はありません。話し合いをして払えるだけの金額を分割で返済してもらうのがもっとも合理的です。だから育英会時代は一括繰り上げ請求などやっていなかったはずです。それをなぜいまやっているのか。キ-ワードは「延滞金」ではないでしょうか。一括繰上げ請求すれば延滞金がたくさんつき、債権額(借金額)が飛躍的に増えていくのです。