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PwCコンサルティング テクノロジー部門激増で「2020年までに国内ナンバー1」の非現実的目標

情報提供
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PwC全体としては、Universum社の調査結果(2015年6月)で2位にランクイン
 2016年3月に「プライスウォーターハウスクーパース株式会社」から「PwCコンサルティング合同会社」に社名変更し、再スタートを切ったPwCのコンサル部門。ディールアドバイザリー部門を「PwCアドバイザリー合同会社」として分離する一方、グローバルで買収した旧ブーズ・アンド・カンパニー(戦略系コンサル)を組織内に吸収し、昨年10月に社長も交代、続いてオフィスも不便な汐留から12月に三菱商事が本店を置く『丸の内パークビルディング』内に移転し体制を一新、「2020年までに国内ナンバー1グループ」を掲げる。PwCはアジア太平洋の学生を対象とした就職人気ランキングでデロイトを退け2位につけるなどグローバルでは超有名ブランドだが、日本では知名度が低い。世界とのギャップは埋まるのか――。30歳前後の現役社員より「コンサル業界の実態をお伝えできれば」との連絡を受け、既報からの変化および直近の内部事情について語って貰った。
Digest
  • 2人に1人は自社を「推薦できない」従業員満足度調査
  • 2年後に「テクノロジーコンサルだけで1200人規模」
  • PwCコンサルの組織と人数
  • キコク系は新卒で3割くらい
  • 新卒7年目でシニマネも出た
  • エース級ほど異動不可能な仕組み
  • シニアソは稼働率85%がノルマ
  • P貰ったらアウト
  • ACから来た人が「ぬるい」と言うカルチャー
  • ワンフロアになって席が足りない

2人に1人は自社を「推薦できない」従業員満足度調査

 ・働き甲斐のあるファームとして満足している:68%
 ・働き甲斐のあるファームとして推薦できる:53%
 ・12か月後もPwCで働いている:64%

これは、毎年やっている従業員満足度調査の、直近(2015年度実施)の結果です。全社ミーティングでも毎回、必ず話題にあがり、会社が重要指標(KPI)として追っています。

「推薦できる」53%の解釈ですが、つまり、二人に一人は推薦できないと思っているわけですから、微妙な結果といえます。

ほかに、「パートナーは給料が高いけれど、スタッフは安い」「会議室が少なくて不便」などの傾向を示す調査結果が毎回、出ています。

クライアント向けニュースレターでも、人気就職先ランキング2位をアピール

採用関連のページなどでは「PwC、世界の人気就職先として第2位にランクイン」というユニバ―サム社による調査結果を紹介し「グーグルに次いで2位」をアピールしていますが、確かに海外に比べ日本での知名度は低いので、従業員満足度を改善し、よい評判を広め、人気ランキングを上げることで、よい人材を集めたい、というのはわかります。

現状では、PwCのコンサル部門といっても日本ではイメージが湧かない存在ですし、私自身も、たまたま先輩が在籍していて内部事情を知り、引っ張られる形で中途入社した1人です。

Universum社の調査結果は、アジアパシフィックの学生が対象なので、年功序列で長時間労働のイメージが定着している日本企業は、最高が25位のソニーにとどまり、トヨタも42位に沈んでいる。

→「Asia-Pacific's Most Attractive Employers - Business student 2015

 PWCは世界では超有名なブランドであるが、日本での同様の学生向け調査では全くランクインしないなど、世界と日本とのギャップが大きい会社の代表選手。日本のメンバーファームとしてそのブランド力を活かすべく、2015年夏より名称変更し、「PwC税理士法人」「PwCあらた監査法人」と税理士法人や監査法人にまでPwCを冠し、挽回を図っている。

2年後に「テクノロジーコンサルだけで1200人規模」

PwC Japan全体(あらた監査法人も含めグループとして)で、2020年までにRevenueと人材で日本No.1になる――これが社内的に掲げられている目標です。監査法人系のグループとして、デロイトを抜いてトップに立ちたい、ということです。

そのための原動力としたいのが、SI(System Integration)やサイバーセキュリティー、データ分析といったIT技術者を抱えるテクノロジー・コンサルティング部門。

資本は独立していますが、PwCグローバルのメンバーファームとしてヘッドカウント目標が課されていることから、「Technology Consul」(TC)部門全体で、以下の野心的な目標を掲げ(※十の位を四捨五入)、社内でも共有されています。

 FY16 Start(2015年7月): 370(実績)
 FY16 End(2016年6月): 500
 FY17 End(2017年6月): 800
 FY18 End(2018年6月):1200

FY16~18にかけて、2年で約3倍の1200人規模にする目標で、相当アグレッシブな数値です。

確かにTCは、過去3年で100人程度→370人まで急拡大しましたし、2015年度の新卒採用(2016年4月入社)から、配属先がTCと予め決まっているテクノロジー枠を別枠で設けるなど、力を入れようとしているのは間違いありません。

グローバルでは強いのに、ジャパンのTCは弱かったため、グローバルからのプレッシャーもあって注力してきました。なかでも、金融機関向けの案件が伸びています。べリングポイント時代の「J-SOX法」と同様、サイバーセキュリティー基本法やマイナンバー法が新たに施行され、個人情報漏えいリスクも高まっているため、企業は情報システムの変更など、対応せざるをえない状況です。

ただ実態としては、

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