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追いつめられたビジネスパーソンヘの福音書

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 暇な時間が不安だった。何かをやっていなければ追いていかれそうな気がした。だから新聞を読みビジネス誌を読みビジネス書を読みあさった。のどが渇いてたまらない時に、海水を飲むのと一緒で、飲めば飲むほど欲しくなった。そんなとき本書を目にし、一気に読み、そしてー気に楽になった。

 人の意見をやたらに入れるのではなく、自分の頭で考えることが大事だという当 たり前のことに気づいたからだ。

 そして何より、頑張る原動力は、結局のところ他から認められたい、評価されたいという「自分に向いた欲」にあったという、これまた当たり前ことに気づいたからだ。

 これまでも疲弊し、先人の知恵に救いを求めたことが少なからずあった。しかし その度ごとに失望した。よくある「がんばらなくてよい」、「オンリーワンでい い」というアドバイスに辟易し、単なる現実逃避でしかない無責任なアドバイス にうんざりした。

 ここに対する筆者のアドバイスは簡潔である。「欲と無欲を併せ呑め」。これに尽 きる。

 欲では疲弊する。無欲ではやる気をなくす。欲は持ち続け、その方向を外に向け ろという。これはきれいごとではない。中庸でもない。詳しくは本書を読んでい ただきたいが、極めて合理的で現実的なアプローチである。

 誰でも給料が上がれば嬉しいし、他人に認められれば嬉しい。しかしそういった 自分でコントロールできない部分を欲の原動力にすると、結果そこにばかり目が 行き、本来求めるべき仕事のクオリティはまちがいなく下がる。周りに気を遣っ て周りの態度や評価に一喜一憂し、精神衛生上も極めて宜しくない。基本的には 金も、名誉も後からついてくるものとして、その原動力の矛先を、自分でコント ロールできる(あるいはコントロールできると考える)ことに変えるのだ。

 ナンバーワンを目指し、疲れきった挙句オンリーワンで自己正当化しても、誰も 価値を認めないオンリーワンは自己満足でしかない。自己満足では食っていけな い。知的にも怠惰になる。

 繰り返すが、頑張らなくてもいいなんてありえない。「頑張らない」で逃げずに 「頑張る」。ただし欲望の方向性を変える。

 これは本書の主張のほんの一部でしかないかもしれないが、私はこれで救われ た。

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