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人気40社ディープ情報 SPA!6/21発売号原文

情報提供
 日本IBMが2005年度から、業績の振るわない管理職の年俸を最大5%削り、有能な若手に振り分ける制度を導入する--。
 若い世代にとって、このニュースの意味は深い。私が昨年まで在籍していたIBMでは、同じポジションであっても報酬の世代間格差が実に大きく、労組でも問題視されていた。
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現在30歳が新卒時、就職人気ベスト15位だった企業の現在の賞与・年収。
低成長時代の現在の若い世代は昇給率が低いため、高度成長期に大幅に定期昇給してしまった世代には、どう頑張っても追いつけないからだ。それを少しでも是正して若手のやる気を引き出すのがこの制度の狙いだが、この程度では焼け石に水だ。 1

 

30歳前後の賃金問題
「勝ち逃げ世代への奉仕者になるのか」

◇自社製品で損する会社、得する会社

◇離職率が高い会社

◇リストラが厳しい会社

WEB監視がきつい会社

◇やりたいことが実現できる会社

◇上司をさん付けする会社、肩書きで呼ぶ会社

◇外資系なのに外資系っぽくない会社

◇合コン偏差値の高い会社

 

 

30歳前後の賃金問題

「勝ち逃げ世代への奉仕者になるのか」

 

この動きが象徴しているが、30歳前後の世代が理解しなければならない共通の問題は、「絶対に“団塊の世代”が享受してきたような高水準の報酬を、我々の世代は貰えない」ということである。

 

 この15年で何が起きたか。バブル時に採用を通常の倍以上に→バブル崩壊後、新卒採用を絞り(就職氷河期)、社員の平均年齢が上昇→年功序列の賃金体系だから人件費が自動的に上昇→人件費が自動的に上がっても、右肩上がりの時代は終わったから、売上は自動的に上がらない→沢山いるバブル入社組が30代後半の管理職適齢期を迎えたが、全員を昇格させたら人件費が膨らんで大変!→成果主義という名のもとに、これからは、ごく一部の人だけが昇格できるようにルールを変えてしまえ。

 

 これが、90年代後半から起きた成果主義の本質である。要するに我々の世代は、ただでさえ同世代が多く(73年生れが「団塊ジュニア」のピークで200万人超)、幼稚園も抽選、受験競争も大変と、~っと競争してきたのに、氷河期に何とか就職したと思ったら、また企業内でも厳しい競争をしろ、と。そして、勝ち抜いた一部の者だけに果実を与えるよ、と言われているのだ。

 

 実際、みずほ銀行では、かつて我々が就職活動をした興銀・第一勧銀・富士銀の時代には、ほとんどの行員が課長クラスに昇格できていた。しかし、統合を経て成果主義に変えた今、同期の半数程度しか課長になれなくなったのが実態だ。上記一覧表にある30歳報酬は、いずれもそれなりだが、問題は、ここから上に登る道が険しいことにある。

 

 何か、おかしくないか。親の世代ばかりに随分と虫のいい話になっていないか。では、既に年功序列で給料が高止まっている老人たちは、どうなるのだ。なぜ降格されないのだ。「何をやっているのかよく分からない中高年の部課長多すぎ」(NTT共通)、「50歳以上は『あがり』(定年)を待っていて、ろくに働かない」(JTB)といった指摘をする若手は多い。確かにリストラもあるが、あくまでブルーカラー層の希望退職への応募が中心で、大企業は割増退職金も手厚い。彼らは完全に「勝ち逃げ世代」なのだ。

 

この“世代間ダブルスタンダード”が許されているのは、ひとえに企業内の意思決定者が「団塊の世代」だからである。彼らは、自己保身のため

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読者コメント

JTB社員2011/05/23 21:41
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記者からの追加情報

掲載分量はこの半分くらい。グループ企業のフジは仕方ないにせよ、電通だけはやっぱり、完全に削られます。ホントにタブー企業。あと全日空やソニーもかなり修正入り。ぜひご購入のうえ、比べてみてください。他に対談などもあります。 『週刊SPA!』
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