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銀行の法人営業と窓口業務はどう変わるのか――AI時代に食える仕事食えない仕事

情報提供
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キャッシュレス化、ペーパーレス化で顧客によるセルフサービスが原則の「MUFG NEXT」第1号店(学芸大学駅前)。電話対応や事務処理のオペレーションを遠隔のシェアードサービスセンターで行うため効率がよく、店舗スタッフは最小限にできる。
 銀行の融資担当者(LoanOfficer)は、オズボーン論文で「98%」が機械に置き換わる“デジタル失業職種”の筆頭職種とされるが、日本の融資現場にそれは全くあてはまらない。日本の銀行では、実質的な法人融資審査の9割がたは支店レベルで決まり、その決裁権限者は、支店内で絶対権力を握る支店長である。融資のほとんどは、実質的に支店内で完結する。
Digest
  • 融資は儲からない“カネ余り”の時代に
  • 本質的にアナログな作業がメイン業務
  • 現場を見ないと東芝化を防げない
  • 法人口座は「第二の財布」
  • 口座開設もペーパーレスに
  • 人間にしかできない業務「特にない」
  • 必ずプリントアウトする昭和カルチャー

■銀行法人営業

融資は儲からない“カネ余り”の時代に

直近の事業環境としては、日銀のマイナス金利政策の影響で融資が儲からなくなり、法人営業担当者の業務内容は変貌を遂げた。「新規の営業では、8割がた、保険販売などの手数料収入狙いです。最近は『不動産の活用をしませんか』という話ばかり」(みずほ銀・中堅行員)。収益目標額で管理されているため、利幅の大きい商品を提案しないと、ノルマを達成できないのだ。

つまり、“総合金融コンサルティングサービス”のフロント営業として、中小企業のオーナー経営者らに対し、不動産や証券・保険を含む金融商品全般を、広く浅く売る、というのが実際の業務実態となっている。かつての融資中心の銀行マンは、もはや生き残れない。

時間の配分でいうと、政府系であるがゆえに融資業務に特化している商工中金の若手行員によれば、「5営業日のうち3日はフルで外訪に使い週30~40件回って、夜は社長と懇談で外食など。残り2日は半日外回り、内勤で稟議書作成、融資の契約書チェック、上司や支店長と打合せ」だという。

本質的にアナログな作業がメイン業務

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本稿は『週刊東洋経済』2019年4月8日発売号に掲載された『AI時代に食える仕事食えない仕事』P27(銀行法人営業)の原文です

メガバンク・地銀の営業担当者らの話も合わせると、融資業務に限って言えば、「6割:外訪、3割:稟議書作成と社内打合せ、1割:契約等事務作業、といったところが平均的な実態とみてよい。

6割ほどを占める外訪は、実にアナログな作業である。オフィスや工場を見て、社長と話し、社長が語る数字の裏付けを別の役員からとったり、

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本稿は『週刊東洋経済』2019年4月8日発売号に掲載された『AI時代に食える仕事食えない仕事』P29(銀行窓口係)の原文です

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