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寺澤有氏ツイッターアカウント停止事件を追う――マスコミが隠す安倍首相大スキャンダルを暴露した電子本著者

情報提供
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(右)安倍首相の大スキャンダルが書かれた電子書籍。(左)ツイッターアカウント(@Yu_TERASAWA)が利用停止されたままの著者・寺澤有氏(ジャーナリスト)。
 安倍首相のスキャンダルを伝える電子書籍『安倍晋三秘書が放火未遂犯とかわした疑惑の「確認書」』著者であるジャーナリスト寺澤有氏のツイッターアカウントが更新停止され、すでに2カ月以上がすぎた。安倍事務所による選挙妨害に絡んで火炎瓶が飛び交い、「確約書」等3通の証拠も出ている重大事件を報じるこの書籍は昨年出版され、今年7月には、山本太郎前議員が国会で安倍首相を追及した議事録全文を追加するなど、内容を補強して改訂版を出した。その矢先の、ツイッターアカウント停止である。真相を聞くためツイッター・ジャパンを訪ねると、ロビー受付の電話で話しても、担当者は部署名も名前も名乗らず。取材先電話番号も教えないという異様な対応だ。取材申込書を同社のポストに投函したい旨を伝えると、「当社のポストには鍵がかかっており文書は投函できません」という返答。社会常識が通じないツイッター社の対応ととともに、事件の背景を探る。
Digest
  • 政権に不都合な人のツイッターアカウントを停止
  • ツイート対象は新宿署痴漢冤罪自殺事件
  • 冤罪被害者の青年の実母に「そんな男は死んで当然」と罵声
  • 民主主義の根幹を揺るがす安倍首相の選挙妨害事件
  • 昨年はAmazonが販売停止と広告停止通告
  • 「一難去ってまた一難」今度はアマゾンからツイッターへ
  • 連絡先がわからない不思議な会社・ツイッタージャパン
  • 「うちの郵便ポストは鍵がかかっているので文書は投函できません」

政権に不都合な人のツイッターアカウントを停止

7月29日、夕方のことだった。

『安倍晋三秘書が放火未遂犯とかわした疑惑の「確認書」』(電子版・書籍版)の著者、ジャーナリストの寺澤有氏がツイートしようとすると、次のような画面が現れた。

《ツイートを削除してください。》

この一文の下には、かつて寺澤氏がツイートした文面が示されていた。

《あなたなんか原田信助さんの霊にたたられて死ねばいいのに。 RT @Tomicajpn すげえな、寺澤有。 Https://t.co/MM2Of5nwzw 2016年11月10日 午前0:31》

日付を見れば、2年8カ月以上前の古いツイートである。ツイッター社(ツイッター・ジャパン以下同)自身の調査か第三者による申告でこのツイートが問題視されたはずだが、頻繁に投稿する寺澤氏の特定ツイートを3年近く前まで調べるのは、相当な労力が必要だ。

さらに開いた画面には、次のようなツイッター社の見解が示されていた。

《攻撃的な行為を禁止するルールに違反しています。特定の人物に嫌がらせを行ったり、そのような行為をあおったりすることはできません。嫌がらせや威圧を行ったり、他の人の発言を抑制したりすることは、攻撃的な行為と見なされます》

納得のいかない寺澤氏は、「何らかの手違いの場合は、異議申し立てをお送りください」という指示に従って、異議申し立てをツイッター社に送った。

《@Tomicajpn さんというのは、ツイッターユーザー多数へ誹謗中傷をくり返していたため、すでにアカウントが凍結されている人物です。@Tomicajpn さんが、痴漢冤罪を苦に自殺した原田信助さんの実母のアカウントに対して、「こんな男は死んで当然」という、あまりにもひどいツイートを送りつけていたため、返信したものです》

それに対する回答は「サポートチームは違反が行われたと判断したため、決定は撤回されません」だった。つまり、削除しないかぎりアカウント停止措置を解除しないというのである。

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電子書籍の増補改訂版が出されてまもなく、ツイート削除要請が・・・。

このところ、安倍政権批判を続けるアカウントの停止や凍結が問題になっている。一方、政権を支持している人たちが、差別発言や誹謗中傷してもアカウント停止や凍結されない場合が多い。あまりにも恣意的なため、批判が絶えない。

おそらく、今回の寺澤氏アカウント停止は、安倍晋三首相の最大の疑獄を証拠付きで示した電子書籍『安倍晋三秘書が放火未遂犯とかわした疑惑の「確認書」』の増補改訂版を出し、大々的に宣伝し始めたことと無縁ではあるまい。

しかも、その政治スキャンダルに直接言及はせず、まったく関係ないツイートを”ネタ”にアカウント停止という報道言論の自由を脅かす手口だ。

言ってみれば”別件逮捕”的な意味合いであり、本件は「安倍首相大スキャンダル本拡散阻止の疑い」ではないのか。

本件に言及する前に、”別件逮捕”に悪用された痴漢冤罪自殺事件について触れておきたい。 

これを見るだけでもツイッター社の体質がわかる。

ツイート対象は新宿署痴漢冤罪自殺事件

問題とされた寺澤氏のツイートは、マイニュースジャパン連載の新宿警察署痴漢冤罪自殺事件と深いかかわりがある。

2009年12月10日午後11時ごろ、念願かなって転職した職場の歓迎会の帰宅途中、原田信助さん(当時25歳)は、JR新宿駅の階段を登り始めた。すると突然、男子大学生2人に階段から突き落とされ、暴行された。

信助さんは携帯で110番通報し、かけつけた警察官によって難を逃れたと思った。連れていかれた交番で、暴行の被害を訴えたのだ。

ところが大学生の連れの女子学生が「すれ違いざまにお腹を触られた」などと言い出した。そのため、連れていかれた新宿警察署では、暴行事件の被害者として話を聞いてもらえると思ったら、痴漢事件の被疑者としての取り調べが数時間に渡って行われたのである。

のちに明らかになった新宿警察署作成の書類によれば、当日中に「加害者とされた男と信助さんの服装が違い、人違いで痴漢の事実はなく」(趣旨)明け方に釈放されたのである。

このときに、痴漢の疑いが晴れたことを警察が伝えていればよかったのに、それをしていなかった。暴行の被害を聴いてもらえるはずの警察に、痴漢の疑いで取り調べられてショックを受けた信助さんは、新宿署を出るや地下鉄駅まで行って自殺してしまったのだ。

記録文書に「痴漢の事実なし」と記載した新宿署は、なんと、事件から49日後に痴漢事件の被疑者(被疑者死亡)として検察に送致した。それは、息子の死の真相を必死になって探ろうとする母親の姿を見たからであろう。

暴行の被害者である青年を痴漢容疑で取り調べ、その直後に自殺に追いやったとなれば、遺族である母親に国賠訴訟を起こされる恐れもあり、マスコミは大々的に報道するだろうし、警察としては大失態となる。

そうした事態を防ぐには、死亡した信助さんを痴漢事件の被疑者にしておかなければならない。そのための被疑者死亡での送致だった。

なお、この事件の特徴は、警察が自ら「痴漢の事実がなく」と記録していること。さらに新宿西口交番⇒新宿警察署⇒自殺現場まで、ICレコーダーに6時間以上すべて録音されていることだ。

息子の無念をはらすため、母親の原田尚美さんは国賠訴訟を起こしたが、一審と二審で負け、最高裁からも上告棄却された。

さて、問題は、冤罪被害者の母親にどのようなツイートが投げかけられたか、である

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(上)寺澤氏がツイッタージャパンに送った異議申し立て。(下)ツイッター・ジャパンは、具体的な説明と理由を述べずに異議申し立てを受け付けていない。

冤罪被害を受けて自殺した青年に関するのツイート。常軌を逸したツイートを寺澤氏は批判していた。ところが、それが規約に抵触するというのがツイッター・ジャパンの言い分だ。しかし、同社の説明は抽象的であいまいである。

非常識なツイート

取材拒否するツイッター・ジャパン。この会社の対応は、社会性に欠けていると言わざるをえない。

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2019/10/18 19:30
 2019/10/18 19:23
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