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『イノセント』セールスヘッドに聞く日本市場参入 「プレミアム価格で買って貰うためのブランディング予算が全然足りていない」

情報提供
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セールスヘッドの中嶋さん(Tomoaki Nakajima, Head of Sales)は2019年10月、イノセントジャパンに入社。上段左は、デジタル担当の佐藤さん
 日本市場への新規参入で、予想以上のつまずきを見せた欧州チルドジュースの王者「イノセント」。外資が入り込むうえで、日本の流通・小売り現場では、どこにハードルがあり、消費者はどう反応したのか。新型コロナ禍によってオフィス訪問停止中とのことで、ZOOMで話を聞くことができた。セールスヘッドの中嶋さんは、「『プレミアム果汁飲料』カテゴリのマーケットが予想以上に小さかったこと」や、「教育啓蒙やブランド育成にかける予算が予想以上に使えなかったこと」が、想定外だった、と語る。
Digest
  • コンビニの絶大な販売力「9割に配架された」が…
  • レッドブルはセブンで成功していた
  • この価格でも、「かなりの薄利」
  • 一番売れたのはマンゴーじゃなかった
  • コンビニ以外への販路展開
  • 店頭でのアクティビティがコロナで全停止
  • 参入前後、予想との大きなギャップ
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夏期限定販売の2種
2020年7~8月 期間限定で、小型化した190mlボトルで248円(税込)の「ひと夏のキャロット」「うたかたのパイン」を発売

2020年9月 公式オンラインショップをオープン

2020年秋以降 セブンイレブンで棚から撤去する店が続出。買いたい人から「どこに売ってるんですか?」という問合せが続出。入手困難に。

コンビニの絶大な販売力「9割に配架された」が…

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2019年10月撮影

――私はいつも見つけるたびに5~6本ずつ買っていたのですが、近場のセブンでは軒並み撤去されてしまって、買える場所がなくなり残念です。何が起きているのでしょうか?

「単純に、販売実績が悪いために、自然の摂理でカットされていきました。

コンビニは毎週100種類くらい新規で入って、売れなければ1週間で撤去され入れ替えられてしまう厳しい売り場です。ジュースなら1日に1店あたり1~4本はコンスタントに売れないとダメですが、イノセントは、平均して1日1本を上回らなかったんです。製法にこだわって、品質がいい分、賞味期限は短いため、売れ残ると廃棄が出やすいのですが、いわゆる『廃棄ロス』はコンビニFCオーナーにとって大きな負担になります」

――日本のコンビニはメーカーに対する力が強くて、新製品を棚に並べて貰うためだけに、かなり高額な販促費を要求される、と言われます。それが切れたために、並ばなくなったのでしょうか?

「それは違います。セブンにとって新しいカテゴリで、クオリティーが高く代替品もないということ、そして、他社には出さず、セブン独占でのローンチっていう約束でしたから、別途プロモーション費用は発生しませんでした」

――1年半で400万本達成と聞きましたが、販売ルート別や、それぞれの目標・達成率でいうと、どうだったのでしょうか?

「販売ルートとしては

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ドイツ・デュッセルドルフの「REWE」では日本より少し内容量が多い250mlの商品が、1.79ユーロ(税込226円)で販売されている(2019年、筆者撮影)。mlあたりで、日本の製品は、なんと40.7%も高い。一方、日本人のほうが、1人あたりGDPは約14%低く、平均賃金も約20%低い。つまり購買力で比べたら、日本人に4~5割も高く売りつけていることになる。グローバル化した「一物一価」の時代に、日本の消費者が割高感を持って購入に二の足を踏むのは実に自然なことと言える。

欧州では同一商品で750ml大容量ボトルも販売されている。宅配で買うなら断然、ゴミも少なくて済む大容量一択。日本での計画は…

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