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対「禁煙ファシズム」初の損害賠償裁判 日本禁煙学会・作田医師と“斜め上の家族”に1千万円、訴因は虚偽診断書作成と訴権の濫用

情報提供
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横浜地裁へ入る3人。右から古川健三弁護士、原告の藤井敦子さん、「支援する会」の石岡淑道代表。
 「禁煙ファシズム」に対する初の損害賠償裁判が3月14日、横浜地裁で提起された。請求額は1027万円で、原告は、副流煙による健康被害の発生源だとして3年間法廷に立たされた藤井夫妻。被告は、発生源との主張を展開した家族3人と、医師だ。夫の藤井将登氏は2017年、同じ集合住宅の斜め上に住む家族から、副流煙で「受動喫煙症」に罹患したとして約4500万円を請求する裁判を起こされ、その訴えは棄却。判決で、訴因となった診断書の1通が無診察交付(医師法20条違反)と認定され、藤井氏らは、診断書を作成した作田学・日本禁煙学会理事長を虚偽公文書行使の疑いで神奈川県警青葉署へ刑事告発し、青葉署が今年1月、作田医師を横浜地検へ書類送検した。今回の損害賠償訴訟では、医師が診断書を作成する際、市民運動や裁判を目的に診断内容を創作する行為が許されるのかも問われる。(訴状全文ほかダウンロード可)
Digest
  • 前訴原告に喫煙歴、弁護士の凡ミス
  • ハードルが高い「訴権の濫用」の認定
  • 前訴原告の3通の診断書はグレーゾーン
  • 無診察による診断書交付は違法
  • 虚偽公文書行使で作田医師を書類送検
  • 診断書には「客観的事実のみに基づいて記載されるべき」
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2月に出版された『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』(鹿砦社)。MyNewsJapanに掲載された記事がベースになっている。

横浜副流煙事件の元被告・藤井将登さんが、3月14日、横浜地裁に1通の訴状を提出した。訴状には、原告として妻の敦子さんの名前もある。請求額は2人の総計で約1000万円。これは、日本の司法の歴史の中で、「禁煙ファシズム」の責任を問う初めての損害賠償裁判である。同時に訴権の濫用に対する「反訴」でもある。

禁煙ファシズムとは、喫煙の禁止を求めるラジカルな市民運動のことである。米国で特に盛んで、同国では煙草を吸う人を蔑視する世論がすでに形成されている。喫煙の習慣を理由とした就職差別なども報告されている。日本では、日本禁煙学会などが主導して、禁煙運動を展開している。藤井さん夫妻が起こした裁判は、こうした状況の下で起きた「冤罪被害」の賠償を求めたものである。

被告として法廷に立たされるのは、藤井夫妻が住むマンションの斜め上に住む福田(仮名)家の3人(夫、妻、娘)と、日本禁煙学会の作田学理事長の計4人である。福田家の3人は、約4年半前の2017年11月、藤井将登さんが自室で吸っていた煙草が原因で、「受動喫煙症」(厳密には、化学物質過敏症)などの病気になったとして、4518万円の損害賠償と、将登さんの喫煙禁止を求める裁判(以下、前訴)を起こした。敦子さんは、前訴の被告ではなかったが、ヘビースモーカーであるかのような噂に悩まされた。

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藤井将登さんの音楽室(写真左下)と福田家(写真右上)の位置関係を示す写真。

噂は、藤井さん夫妻が住む横浜市青葉区の団地に広がった。団地の管理組合も福田家に加勢して、「注意喚起」を貼り出すなどした。藤井夫妻を名指しにした告知ではなかったが、事情を知る住民は、注意喚起の背景に藤井夫妻の喫煙があると考えていたようだ。こうした群衆心理がエスカレートし、藤井家のポストに怪文書が投函される事件も起きた。

前訴原告に喫煙歴、弁護士の凡ミス

作田医師は前訴の原告ではなかったが、前訴の有力な訴因となった3人の診断書を作成した経緯があった。ところが裁判の中で、3人の診断書のうち、娘の真希さんの診断書を偽造、つまり虚偽の診断書を作成していたことが判明した。

なぜそのような重大なことが、わかったのか。その経緯は、

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(上)最初に提出された福田真希さんの診断書。(下)再提出された福田真希さんの診断書。病名が異なっている。ちなみに化学物質過敏症では、レベル判定はしない。

藤井将登・敦子さん夫妻らを告発人とする作田学医師に対する告発状。

元滋賀医科大学特任教授の岡本圭生医師。前立腺がんの小線源治療では、卓越した成績を残している。海外でも高い評価を受けている。

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通りすがり2022/05/26 08:56
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