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「おまえらの時代」に生きる

明治生まれの祖父が、96歳で亡くなり通夜と葬式に出た。4ヶ月ほど前、生きてるうちに見舞いに行っておいて良かった。現社長が最近まで大物(マグロ)協会の会長をやっていたこともあり、水曜が休みの築地関係者に合わせて日取りも決められ、地元関係者も合わせ、2日で1,000人くらい焼香に来たらしい。

祖父の子供5人（要するに父の兄妹）の人生と生活は、祖父に、甚大な影響を受けていることが分かった。それぞれ、土地やら家やら孫の教育費にいたるまで、祖父マネーが、子供1人あたり数千万から億単位で流れていたらしいのだ。私が生まれてから19年も住んでいた160坪ほどの実家も、もとは祖父の土地で、父の名義になったのはつい最近のことだから、私自身、恩恵を受けた一人ということになる。

話を聞いていると、戦後から私が生まれる70年代に至る高度成長期は、儲かる仕事って、本当にあったんだなぁ、とつくづく感じる。戦後は皆がゼロからの出発だから、商才があって運に恵まれれば、とんでもなく稼げた。市場は現金商売だったし、法整備も追いつかないから、税金の支払いもいい加減。経済が成熟した現代に生きる我々とは、とことん時代背景が反対なのだ。

かつては規制に守られていた築地の仲卸業は、バブル期、1店舗あたりの営業権が1億超で売買されていた。いまや規制緩和の影響で、10分の1に下落、地方の商店街と同じように、シャッター通りになりつつあるという。

自分が生きる時代は選べない。経済全体のパイが拡大を続けた戦後の30年は格差もつきにくかったが、今は、限られたパイを奪い合うがゆえに格差が拡大する時代。

「これからは、おまえらの時代だからな」。米寿（88歳）の祝いの際、祖父は私にそう言った。祖父が今の時代に私の年だったら、どんなビジネスをやるだろうか。私は祖父より、多少の商才は受け継いだようで何とか食えているが、祖父を超えたいと思う。

「プレジデント」の特集（18頁）を引き受けることにした。読者層は「企業ミシュラン」と被るのでシナジーがある。普段の仕事がぜんぜん追いついていないのだが、なんとか時間をつくってやることにする。

ヨドバシの悪徳商法

「パワーポイントの代替ソフトをサービスしてます」というから、「ああ、そう。別に必要ないんだけど」と言ったら、「セットで○○円になります！」と勝手にレジを打ちやがった。実はサービスといいながら500円だったことも分かった。

弱気な客や、レシートを詳しく見ない客は、これに気づかないのだろう。それを見越して、会社ぐるみでマニュアル化して、店員にノルマやインセンティブを与えているのである。これは詐欺だ。

数ヶ月前にも、ポイントカードを勧めてくるから、「小額だからいいです。余計なカードも作らないことにしてます」と言ったのに、「ポイントがつきますが、いいですか」としつこく言ってくるから、「ポイントは集めてませんから！」と強く言った覚えがある。

これはマイレージなど全てに言えることだが、ポイントを集めるために、最適な消費行動が阻害されるデメリットのほうが大きいことがある。20年ほど前、マクドナルドで、質問の答えを当てると無料商品券が貰えるスクラッチカードを100枚以上集めていた同級生（中学生）がいた。同じ質問のカードが出れば必ず当てられるからだ。しかし、そいつは膨大な投資をし、マックの売上に貢献させられているだけだった。見事に戦術にはまっていたのだ。

私は昔作ったJALカードにマイレージが溜まっているが、最近、羽田－沖縄便の飛行機に乗る際、全日空便を選んだ。昨年、JALは人事の内紛だけでなく機体の整備不良などのトラブルが続発したが、この17日にも片肺エンジン飛行が発覚するなど、どうもJALは、一回潰れないと改善しないようだからだ。マイレージを貯めたいがためにJALに乗って墜落した、となれば後悔する。消費行動に余計な要素は入れないほうが