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当たったか?外れたか?検証「武富士裁判を占う」
武富士本社。撮影:三宅勝久

 武富士が、三宅勝久さんが書いた『週刊金曜日』の記事について起こした名誉棄損裁判の反撃訴訟の判決(「武富士の提訴は不当提訴だ」と2,750万円の賠償を求めた訴訟)が22日、東京地裁で言い渡された。「武富士の提訴は言論・執筆活動の抑制、けん制が目的で違法」とし、三宅さんと金曜日に120万円ずつの支払いを武富士に命じる、原告勝訴の判決。被告側の控訴がなければ確定し、4年越しの武富士との闘いは、ひとつの決着をみる。3人のカリスマ占い師に占ってもらっていたが、果たして占いは当たったのか。

【Digest】
◇ほぼ的中!?
◇最初のフレーズで安心、「それなりに画期的な判決」
◇カリスマ占い師たちの裁判予測
◇では、恋愛運&結婚運は?
◇記者クラブ室ではなく弁護士会館で開かれた会見
◇最終版でボツにした朝日新聞に驚き
◇昔の古巣『山陽新聞』は報じたのか
◇家族の反応
◇判決当日の武富士スポンサー番組のテーマが「家族」「愛」?
◇武富士「お客様相談室」に判決について聞く
◇控訴はあるのか

◇ほぼ的中!?
判決文(全文)

 

 「三宅さん、占い当たったかな?」
 武富士裁判の判決について、わたしから三宅勝久さんへの質問はまずこれだ。

 「でこぼこ人生の三宅さんには、開運しかない!」(三宅さんの今までの人生は、「勝つか負けるか!武富士裁判を占う」参照)と、先月から都内のカリスマ占い師(「銀座の母」「銀座の父」「新宿の母」 )巡りを三宅さんと一緒にした。

 はたして結果はどうなったのか、大いに気になるところだ。

 「そうですね、さすがはカリスマ占い師。裁判の結果については、ほぼ的中といっていいんじゃないでしょうか。でも、銀座の父の言うように“負けてもドバっと儲かる”のかどうか。新宿の母の予言どおり、さらなる開運がもたらされるのか、大変気になるところです。まさか賠償金120万円で運が尽きたとは(思いたくない)…」

 武富士は2003年3月、『週刊金曜日』誌上で掲載した三宅勝久「武富士残酷物語」に1億1000万円の名誉棄損訴訟を起こした。この訴訟は、2005年に勝訴。武富士が敗訴。でも、三宅さんにお金が入ってきたわけではない。04年6月、三宅さんと『週刊金曜日』は、金の力で批判封じをしたのはけしからんとして、2,750万円の損害賠償と謝罪広告を求め、武富士と武井保雄氏(当時、会長)を訴えていた。

 その反撃訴訟の判決(東京地裁)が、22日に下された。武富士サイドの弁護士は、「ロス疑惑」報道など、もろもろの名誉毀損裁判でも辣腕を振るった、弘中弁護士。

◇最初のフレーズで安心、「それなりに画期的な判決」
 阿部潤裁判長は、「提訴は言論や執筆活動を抑制するためのもので、裁判制度の趣旨や目的に著しく反し、違法」として、武井保雄・前会長(今年8月に死去)と武富士に連帯して240万円(三宅さんと金曜日に各120万円)支払え、という判決を下した。だが謝罪広告は棄却されてしまった。

 「“被告らは…”阿部潤裁判長が最初に口にしたフレーズを聞いて、安心しました。“原告ら…”なら敗訴だからです」

1)被告らは、原告株式会社金曜日に対し、連帯して120万円およびこれに対する平成15年6月2日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2)被告らは、原告三宅勝久に対し、連帯して120万円およびこれに対する平成15年6月2日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。

3)原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

 「『武井元会長の責任も認めたんでしょうか?』 弁護団にたずねたところ、『そうですよ』とニコニコして握手を求められました。正直、拍子抜けした気分でした。訴訟を通じた印象では、武井保雄個人の責任を認める雰囲気ではなかったんです。裁判所の和解勧告を蹴って再開した弁論では、尋問もやらずに、即結審。(武富士側は)裁判所の心証を悪くしたのではなかろうか」

 「下手をすると“訴えの理由がない”などと敗訴判決が出るのではないか。そんな危惧さえ抱いていました。武井元会長の責任が認められなければ、控訴しようと思っていたのです。それが、あっさりと勝ってしまった。なんだかあっけないというのが感想です」

 「国民に認められた権利である訴訟行為を、不当だとする判例は、多くはないらしい。判決理由には『表現・言論の自由は民主主義体制の存立とその健全な発展のために必要とされ、最も尊重されるべき重要な権利に不可欠な権利』として、ろくすっぽ反論もせずに、わたしや金曜日に対して1億1000万円を求める裁判を起こした武富士の行為について、訴訟制度の趣旨・目的に反するのだと、明快に判じています。弁護団によると、それなりに画期的な判決だ、ということです」と、三宅さんは判決について語る。

 武富士広報部は、「弁護士と検討の上、慎重に対応する」(『読売新聞』より)とコメントしている。

◇カリスマ占い師たちの裁判予測
 武富士裁判の行方についてのカリスマ占い師3人のコメントを振り返ってみたい。

 「結局(お金を)返さなかったってわけね?」(銀座の母)
 「ああいうのは危ないからね。いろんなアレを訴えているでしょ」(銀座の父)
 「サラ金かなんかで?」(新宿の母)

 3人とも裁判予測はしていない。もちろん今回3人とも、透視や霊視ではなく、手相メインで、それに生まれた日から見る占いである。銀座の母は「霊感がある」と記事に載っていたが、世間話と芸能話に終始したように思える。

 「武富士がウソだ、ウソだというのは当たり前じゃない」と「銀座の母」は三宅さんに言った。母が断言したようなことを、「家族からも、弁護士からも言われたことがない」と三宅さんはよろこんでいた。

 「銀座の父」からは、「武富士の事件で名が売れたというのであれば、絶好のチャンスなんですよ。ものすごいチャンス」と言われ、さらに、ファイナンシャルアドバイスもされていた。

 「新宿の母」からは、手相がマスカケ線で徳川家康と同じ手相で、「運勢はだんだん末広がり!今月(9月)から運勢がいい」といいことづくめ。

 当たるか、外れるかだけではない”効果”を感じなくはない。

 はたして、鑑定料金、銀座の母3,500円、銀座の父5,000円、新宿の母5,000円で見合っているかどうか。

 「実は、占いが当たろうが、はずれようが、わたしにとってはあまり重要ではありませんでした。負ければ裁判を続けるだけです。裁判の結果がどうであろうが、もう勝負はついている、という気持ちになっていました。そういう中で、しかし、だんだん疲れて弱気になっていたわたしは、誰かに『大丈夫だ、自信持ちなさい』と言って欲しかったんだと思います。カリスマ占い師の言葉を通じて、自分のことを振り返っていたような気がします。言ってみれば、一種のカウンセリングだったのでしょうか」と三宅さん。

◇では、恋愛運&結婚運は?
 三宅さんは、前回の記事で次のように書いている。

 「頑固なフリージャーナリストは、業界からも政財界からも鼻つまみものとなり、ツキノワグマのように絶滅への道をたどる。生き残るのはトキのような“人間国宝”級か、財産なり夫や妻の収入のある“趣味のジャーナリスト”、そして従順な雇われ人だけ。」

 たしかに、三宅さん、山岡俊介さん、寺澤有さんをはじめとするフリージャーナリストらが武富士問題に向き合ったからこそ、問題が明らかになった。メディアに「従順に雇われた人」では、できなかった。

 「40歳独身、金なし、4畳半暮らしに、ついてきてくれる人はいるかどうか」

 先月はそんな気弱なことを言っていた三宅さん。女性とつきあっても長続きした試しがないという。そういえば、「恋愛運は悪い。恋愛の仕方が下手」と「銀座の父」にばっさり斬られていた。たしかに「おっしゃる通り」。武富士裁判前日に誕生日を迎え、三宅さんはめでたく41歳になった。

 「鼻つまみを好きになってくれる女性もいるって」とわたし(といっても、確信があるわけではない)。

 「判決後の打ち上げで、わたしが座ったのは宇都宮健児弁護士の横。宇都宮弁護士はニコニコしながら、こんなことを言ってくれたんです」

--あなた、結婚したほうがいいよ。

 「でも、わたし貧乏だから」

--貧乏でも大丈夫。わたしも貧乏だったんですよ。弁護士じゃ食えないから、田舎へ帰って農業やろうと思ったほど。なんなら、ウチの事務所に独身の女性がたくさんいるよ。紹介してあげようか?

 「それは、三宅さんにきっと運がついてきたんだよ~。新宿の母も末広がりって言ってたじゃない。そんなありがたい話、ぜ~ったいに逃したらダメだからね。すぐに、宇都宮弁護士に連絡、連絡!運はつかむもの。でも、相手の話も今度はきちんと聞かなくっちゃ。それと、欠点が見えても気にしない、冷めないように気をつけるようにって、銀座の父に言われてたことも、大事だよ」

 頑固なフリージャーナリスト・三宅勝久を、「頑固だがロマンチスト。でも孤独性あり」と評価したのは「銀座の父」だった。

 三宅さんの恋愛運、結婚運が当たったか、外れたかについては、いましばらく猶予をいただきたい。

◇記者クラブ室ではなく弁護士会館で開かれた会見
 「三宅さん。ちょっとリッチな格好をしてきてね」

 占いに行く前に、口がすっぱくなるほど三宅さんに言った。

 でも、「銀座の母」と「新宿の母」から、三宅さん自身がサラ金でお金を返さなくて、武富士に訴えられたと思われてしまった。これには失礼ながら大爆笑してしまったのだが、まさか、武富士から1億1,000万円で訴えられているなんて思う人は、そうそういないだろう。

武富士と朝日新聞の裏取引は各紙で報道された(2005年3月31日日経新聞記事より)
 

 

 

 弁護団「武富士被害対策全国会議」が結成された2002年10月、『中日新聞』を除いて、大手メディアはこのことを黙殺した。武富士の盗聴事件で、宇都宮弁護士ら弁護団が告発の記者会見を開いたときも、記者会見にはマスコミが殺到していたのに、一部の雑誌以外は、いっさい報道しなかった。ましてや三宅さんが訴えられた話など、大手メディアは気づいてさえいない。

 少しでも悪口を書くとすぐに訴状が飛んでくるという恐れ、さらに電通と協力したマスコミ対策の効果だった。『朝日新聞』でさえ、大スポンサー様々の武富士だからである。

 朝日新聞は2000年~2001年にかけて、武富士からタイアップ広告費として5千万円を受領したが、実態は武富士の企業名を記載しない「ウラ広告費」であったことが判明し、「週刊文春」によれば、その間の武富士報道が抑制されていたことが分かっている。

 もし、当時、新聞やテレビがもっと武富士による言論弾圧などについて報道していたら、カリスマ占い師にも情報が伝わっていたのではないか、「ああ、武富士の裁判。覚えているわ。あなたね」となっていたのではないかと、ふと思った。

 今回の判決の各社の報道はどうだろうか?

 今回の記者会見は、司法記者クラブ室ではなく、弁護士会館で行なわれた。通常は「便宜供与」で裁判所が記者クラブ所属社向けに出す判決文が、フリー記者も含め、取材に来た人たち皆に配布された。

 通常、裁判モノの記者会見は東京地裁の司法記者クラブ室で行なう。ここは裁判所の「便宜供与」により、クラブに加盟している新聞、テレビ、通信社の司法担当記者が職場としている場所だ。ここの記者は、毎日、裁判の話ばかりを書いている。

 最近でこそフリーでも記者会見に参加できるようになったが、少し前までは、クラブ員以外は記者であっても参加することはできなかった。現在は、部外者の記者が会見に参加したい場合は、幹事社を通じて各社の同意を得れば可能となっている。

 2003年に武井会長が逮捕された際には、武富士の広報部員が会見場に“潜入”して、記者クラブから抗議される騒ぎもあった。

 「しかし、サラ金問題を追いかけているのは司法クラブの担当とは限りません。雑誌記者もいるし、フリーの人もいる。社会部とか別の部署の人たちもいるわけです。私は、取材したい記者が等しく会見に参加できる場所をと、あえて弁護士会館で開きました」(三宅さん)

◇最終版でボツにした朝日新聞に驚き
 三宅さんによれば、翌朝の主な各紙朝刊の扱いはこうだ。

読売新聞:第二社会面で2段記事
毎日新聞:第二社会面でベタ記事
共同通信:地方紙などに配信
朝日新聞:早刷りには出ていたが、最終版ではボツ
日経新聞:朝刊ベタ記事
赤旗:社会面3段
東京新聞:『訴訟「テロとの戦い」に勝利』と特報面ハコ組み
テレビメディア:そもそも会見に来ていなかった。
 派手な扱いは東京新聞だけだったものの、「各社とも、原告に好意的なトーンの記事だった。会見後に原告本人であるわたしに年齢などを確認するために話を聞きに来たのは、読売と共同、赤旗、東京。毎日と朝日は来なかった。時間がなかったのかも知れない」

 朝日新聞について三宅さんは、「翌23日の朝刊(東京本社最終版)を見ても、どこにも載っていないので驚いた」という。

 よく調べるとインターネットでは配信があった。さらに東京本社版の早刷り(埼玉など地方に配られる)には載っていたことがわかった。だがもっとも肝心な都市部で販売される最終版に載らないと意味がない。

 「朝日は5000万円の事件を反省してサラ金広告をやめたはずなんですから、武富士のことを載せないのはおかしい。朝日新聞こそ武富士の話をもっとも積極的に書くだろうと思っていました。しかも、サラ金規制をめぐって大騒ぎになっているこの時期です。社説には『サラ金保険やめろ』と、問題の本質がまったく理解できていないと思われる主張が載っている一方で、朝日と縁の深い武富士がメディアを黙らせてきた事件を報じない。なぜ最終版でボツにしたのか、まったく理解できません。失望しました」(三宅さん)

◇昔の古巣『山陽新聞』は報じたのか
 三宅さんが武富士問題へとつながるきっかけになったとも言えるのが、2001年に起きた「成人式ボコボコ事件」(詳しくは、「銀座の母」編 参照)である。当時、三宅さんが新聞記者として在籍していた『山陽新聞』(本社・岡山市)は、今回の裁判記事を載せたのだろうか?

 .....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



『コーラス』(集英社)10月号に載っていた武富士の1P広告。「お客様」第一主義の武富士です。とある。

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記者コメント
●武富士裁判については、ジャーナリストの北健一さんによる「同時ルポ 武富士裁判」(『週刊金曜日』)がくわしい。
本文:全約9,400字のうち約3,200字が
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yama  15:57 09/25 2007
過去に武富士に訴えられた山岡俊介氏、寺澤有氏、野田敬生氏は武富士からの和解金を受け取っているわけであり、三宅さんとは大きく違います。武富士の誘惑に負けなかった三宅さんは真のジャーナリストと言えるかもしれません。
@  15:48 10/08 2006
「人間は悪よりも善の方がわずかに勝っている」と希望を持たせつつも、「悪と闘うのは楽ではない」という現実を暗に示すラストシーンが印象的でした。

■Cyborg009 Ep.48 Part1
URL:http://www.youtube.com/watch?v=y5Vt7ItxnvY
@  15:48 10/08 2006
この点、漫画家の石ノ森章太郎さんが、よく作品のテーマにされています。
youTubeに最近リメイクされたCyborg009の各話がUPされていましたので、よろしければご覧下さい。
全48話中の各話は、容量制限の為、Part1-3に分割されていますが、検索するなどして続けて見れます。
@  15:29 10/08 2006
善と悪の闘いは、古の昔から繰り返されてきた古くて新しい問題ですね。
完全なる善ないし悪と呼べる人間はいないでしょうが、程度にかなりの差があり、現代においても、詐欺的な言動不一致により周囲の目を誤魔化しながら水面下で悪事が行われていることが問題に思います。
経験者  21:42 09/27 2006
きちんと取材をした上で記事を書かれて、提訴された後に、その内容が事実に基くことを証拠を提出する等して証明出来た点が素晴らしいですね。証言に協力された方がいたなら、勇気ある行為ですし、記者の方の人徳の成せる技でもあるのだろうと思います。表敬ものの闘いぶりですね。
温泉か銭湯で疲れを癒して下さい。と申し上げたい所ですが、これで相手が引き下がるかどうか。。
@  19:13 09/27 2006
部分的に勝訴したのは目出度いけども、バックに「週間金曜日」がいたから勝てたんじゃないかな?
司法は、武富士よりもマスコミを恐れたのだと思います。それに、従順な大手メディアよりも一匹狼的なフリーライターは言動がコントロール出来ないだけに特に恐い存在でしょうからね。
枕流  11:52 09/27 2006
悪徳社会の浄化は今やメディアに頼るしかない思いです。活動が果敢に観えても
占いに心の依り所を探るなどは愛しき好青年ですね。周囲の女性諸君、三宅さんを応援しましょう。