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イラク報道の森住卓氏が産経児童出版文化賞受賞を拒否

情報提供
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   【受賞作品】
 イラクの子どもをテーマにした写真集「私たちはいま、イラクにいます」(森住卓・シャーロット・アルラブロン共著 講談社)が第51回産経児童出版文化賞を受賞したが、著者のフォトジャーナリスト森住卓(たかし)氏は5月10日、受賞を辞退した。

イラク戦争に関して産経新聞は、一貫して日米両政府を支持し、攻撃と占領を肯定してきた。一方、受賞を辞退した森住氏は、子どもたちをはじめ、爆弾を落とされる側から徹底して取材している。特に米英軍が使用した劣化ウラン弾の被害報道に関しては第一人者だ。その森住氏の著作に産経新聞が賞を与えたことで注目されていた。

受賞の知らせを聞いた森住氏は「産経新聞の論調は、イラクの独立のために抵抗している人々をテロリストと呼び、アメリカの戦争に協力的です。イラクの子どもたちの事を書いた本が賞をもらうことはとても嬉しいことですが、この新聞社からもらいたくないというのが、率直な私の気持ちです」と自身のホームページで心情を語っている。

以下、森住氏の了解を得て受賞辞退の手紙を掲載する。

 第51回産経児童出版文化賞の受賞を辞退させていただきます。
「私たちはいまイラクにいます」に登場するイラクの子ともたちの写真は悲惨な戦争のなかでも、それを乗り越えてたくましく生きていました。彼等は無法なアメリカの侵略戦争を身をもって告発していました。空爆された跡に立つ少女や劣化ウラン弾の影響と思われる白血病の少年がじっと見つめる瞳はこの戦争を止められなかった大人たちの責任を静かに追及しているようでした。
 この戦争を産経新聞社はどのように伝えたのでしょうか?日本政府のこの戦争に加担する姿勢を一度でも批判したのでしょうか?
 この賞を受けてしまったなら、イラクの子どもたちに2度と顔向出来なくなってしまいます。
2004年5月10日
森住 卓

同賞は、産経新聞社が、優れた児童書籍の刊行を奨励する目的で1954年から毎年授与している歴史ある賞。第40回(平成5年度)には、「DAYS JAPAN」の編集責任者である広河隆一氏が「チェルノブイリから ニーナ先生と子どもたち」で受賞している。

森住卓プロフィール(HP内)

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渡邉2008/02/01 02:49
ken2008/02/01 02:49
渡邉正裕2008/02/01 02:49
渡邉正裕2008/02/01 02:49
渡邉正裕2008/02/01 02:49
渡邉正裕2008/02/01 02:49
渡邉正裕2008/02/01 02:49
りょう2008/02/01 02:49
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記者からの追加情報

 イラク侵略支持の産経新聞が、正反対の立場にいる森住氏の著作に賞を与えるのは、アメ玉をしゃぶらせて、じゃまになる対象を取り込むという意味ではないかと私は思う。フリーランスの立場で、賞を拒否するのは並大抵ではない。今回の森住氏の決断は評価されるべきだと私は考える。