納豆の売り切れの火付け役で、超人気番組「発掘!あるある大事典2 」が、ウソ、ねつ造だとだとわかった。スポンサーの花王も降り、打ち切りが決まった。
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「あるある大事典」の納豆ダイエット事件でわかったことは「健康トリック番組」がいかにいい加減で、ねつ造だらけなのかということだ。しかし、これは「あるある」に限ったことではない。見てはいけない健康番組が各局でいまも流れている。関西テレビは、これまでの私の質問に対し、一切、回答を拒否してきた。納豆だけではなく、アミノ酸、コエンザイムQ10、ポリフェノールなどの放送でも、トリックやねつ造はなかったのか検証しなくてはいけない。
【Digest】
◇テレビの健康トリック番組のパロディー
◇いままで無視してきた関西テレビ
◇アミノ酸「たった4人の短期間実験で疲労回復」
◇コエンザイムQ10「2週間飲んだ3人の20m走実験」
◇ポリフェノールのどのような成分を測定したのか?
◇テレビ局の科学は金儲けのための商売科学
「あるある大事典」のことを、わたしは「あるある大事件」と言っていた。
「大事典どころか、こんなことをしていたら大事件になってしまうかも?」と、書籍「健康トリック」(花書院)や「ウソが9割 健康TV」(リヨン社)でも書いてきた。
それが、まさに笑えない現実になったのである。
1月22日に、今回の「あるある大事典」のねつ造放送のことでTBSが取材にやって来たとき、彼らに「(TBS系放送の)はなまるマーケットも同じようなものだ!」と話した。その部分は放送されることはなかったが、「健康トリック番組」は「あるある大事典」だけの話ではない。
◇テレビの健康トリック番組のパロディー
これらの「健康トリック番組」も、「あるある大事件」と同じようにパロディーで言ったほうが内容を的確に表せるだろう。
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NHK「ためしてガッテン」は「ためしてバッテン」」
ためしてみるとガッテン出来るどころか、身体がダメになりバッテンになってしまうかも?
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NHK「生活ほっとモ-ニング」は「生活ぼーっとモーニング」
毎週月~金曜日8:35~9:54
生活がほっとするどころか何がなんだかわけがわからなくなり、頭がぼーっとするのでは?
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日本テレビ系列「おもいッきりテレビ」は「おもいッきれないテレビ」
毎週月~金曜日12:00~
あれがいい、これがいいと毎日言われると迷ってしまい、とてもおもいッきれないのでは?
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TBS系列「はなまるマーケット」は「はなばつマーケット」
毎週月~金曜日8:30~
はなまる、などつけれた内容ではなく、はなばつ、がつくのでは?
「あるある」も含めて、5つの「健康トリック番組」以外の番組でも、健康トリックは使われている。
また、テレビ朝日系列とテレビ東京系列の番組はこの5つに入っていないが、健康トリックを番組で使っていることがある。
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関西テレビ広報部に2006年4月26日に送った質問状。納豆、アミノ酸、ポリフェノール、コエンザイムQ10の4点について聞いている。これも一切無視された!
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消費者が健康情報の実態を正確に理解することで、間違った健康情報テレビ番組の視聴率が下がり、世の中からなくなることを期待する。
◇いままで無視してきた関西テレビ
今回、『週刊朝日』の追求があって、はじめて「あるある」大事件となった。
この納豆ダイエットの問題は、関西テレビの謝罪、訂正放送以後、さらに疑問が出てきている。関西テレビに質問状を送ったのだが、それは続報として、改めて書きたい。
いままでも「あるある大事典」での放送に疑問を持ったわたしは、放送直後から何回も関西テレビに質問している。電話もしたが、担当者の名前も教えてくれなければ、取り次いでもくれなかった。
2006年4月26日にFAXで質問を送ったが(右記画像参照)、これへの回答も一切なかった。その内容についてふれたい。
◇アミノ酸「たった4人の短期間実験で疲労回復」
2001年6月24日の「あるある事典」は、アミノ酸(タンパク質を構成している成分)がテーマだった。
まずアミノ酸を過大評価した説明をし、サプリメントのアミノ酸飲料を飲むと、いろんな効果が出るかのように言っていた。
1)体力アップ 2)脂肪燃焼 3)肌再生 4)集中力アップ 5)免疫力アップ
これらを「アミノ酸5大パワー」と言っていた。
アミノ酸飲料を飲んでこのような効果があるという信頼性が高い医学的な根拠は一切ないのだが、これらを間違った説でこじつけて示すため、実験をやっていた。
アミノ酸を飲んだ2人、アミノ酸を飲まない2人が運動し、血液中の乳酸の比較をするものだった。アミノ酸を飲まない人の乳酸値が上がりにくかったと放送した。たった4人、短期間の実験なのに、「アミノ酸を飲むと疲れにくくなる」と言っていた。
また、アミノ酸を飲めば体力アップすることを紹介するため、ある大学の陸上部が紹介されていた。
「アミノ酸を飲むようになってから、よりハードなトレーニングができるようになった」
「アミノ酸を飲むようになってから、怪我が少なくなってきた」
と、選手たちが言っていた。
そして、「この大学はこの年の箱根駅伝の往路で5位という大健闘を見せた」と言い、まるでアミノ酸のおかげで選手が強くなったかのようだった。
しかし、この年の箱根駅伝でこの大学は復路の成績は14位、総合では13位だった。翌年以降の成績を見ても、アミノ酸を飲もうが飲まないが、ほとんど関係なかったと思われる。
ただし、この大学の選手がアミノ酸を飲み続けたかどうかは、わからない。
ここで言いたいのは、アミノ酸を飲んだだけで、もし、本当に体力が増強されるようであれば、ドーピングになってしまうということ。だがスポーツ選手の使用禁止リストに、アミノ酸など入っていない。
アミノ酸に体力増強効果などはないことを示している。
たった4人の短期間の実験で疲労回復効果があるとは、言えないのではないか?
なぜ、復路の成績14位(総合13位)の結果のコメントを言わなかったのか?
アミノ酸を飲んだだけで本当に体力が増強されるのであれば、ドーピングになると思わないか?
これらの疑問を関西テレビにぶつけた
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