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のぞき魔対策の専門業者が教える 盗撮の巧妙で悪質な手口
天井のダウンライトの円筒形の器具。このなかにビデオカメラと発信機が収納されていた。電源がつかえることから、常時映像を送っていた。

 私の知人に、のぞき魔対策を専門におこなう防犯業者がいる。表の仕事は、電気工事店の営業兼、取り付け。“裏の仕事”を始めたきっかけは、配線工事で入った六本木のディスコの天井裏で、小型ビデオなど盗撮器具一式を見つけたことからだった。怒りの一方、実に手の込んだ手口と、妙に感心した。ラブホテルでの巧みな盗撮も見破った。のぞき魔の手口と、被害者にならないための見破る秘策を、実体験に基づいて語ってもらった。

【Digest】
◇六本木ディスコ女子更衣室に小型カメラ
◇天井裏から、小型発信機で映像を送り続ける
◇男子トイレ点検孔から侵入
◇六本木界隈には、のぞかれ放題のディスコがある
◇空き部屋を待ちながら、一室ずつ盗撮調査
◇時計の針芯に仕掛けられた超小型カメラ
◇関東の盗撮ビデオは関西へ、関西は関東へ
◇都内大遊園地の女子トイレで捕まった20代会社員
◇まわりに高校が多い大手スーパーが狙われる
◇異常に少女に興味を持つ13歳少年
◇女性の一人住まいマンションも狙われる
◇警視庁の元刑事課長に聞いた、のぞき魔の罪

 のぞき魔の対策を専門におこなう防犯業者が東京・練馬区にある。看板はA電気工事店だ。同社のS専務(45)から『のぞき魔の手口』とか、『のぞき魔の盗撮を見破る、秘策』とかを聞くことができた。

 「最初から、のぞき魔の防犯業者を目指したわけではなかった」

 こう話すS専務は、早稲田大理工学部を卒業後、大手ゼネコンの土木部門に勤務していた。40歳で父親の家業のA電気工事店を継ぐことになった。

 一般にいう町の電気屋で、店頭に冷蔵庫、洗濯機、テレビを並べた販売だった。工事といえば、テレビ・アンテナとかエアコンとかの取付けくらい。

 「このままでは大手量販店に押され、いずれ廃れて消えてしまう」

 S専務はそんな危機感を持った。だが、家業の大きな方向転換は父親が嫌った。土木畑のS専務は専門外だった電気を勉強し、いくつかの国家試験をとった。他方で、電気工事会社へと業務を拡大していったのだ。

 営業努力で、六本木のあるディスコで、省エネ型ダウンライトの総取替え工事を受注した。

◇六本木ディスコ女子更衣室に小型カメラ
 「古い既設ライトを取り外しにかかり、天井裏に入り込んだときです。片隅に、ビデオデッキが置かれていた。なぜ、デッキが? と首を傾げながら、ディスコのオーナーに事情を説明したところ、たちの悪い、のぞき魔だ、と怒っていました。有線だったから、カメラまで簡単にたどり着けた」と話す。

 女子更衣室の真上の天井に小さな穴を空け、そこに小型ビデオカメラを取り付けていたのだ。

 ディスコは店全体の照度を落すために、電圧調節の調光機(大半が外国製)を取り付けている。消防法ぎりぎりまで店内照度を落とす。後方の通路、更衣室なども同様に薄暗い。

 「のぞき魔からすれば、天井への侵入もやりやすい」と話す。

 盗撮の器具一式は没収した。

 それで終わりではなかった。数ヵ月後、「フロアのダウンライトの一つが不具合だ」と言われ、S専務はみずから取替えに店内に入った。後方の電気も一通り点検したところ、女子更衣室のダウンライトが玉切れしていた。

 ディスコはもともと薄暗く、更衣室のハロゲン灯が一つくらい玉切れしていても、従業員は別段、気に留めないらしい。S専務は凝視した。

 「ハロゲンランプは1.5センチくらいのもの。よく見ると、ハロゲン球ではなく、レンズのようなものでした」

◇天井裏から、小型発信機で映像を送り続ける
 S専務自ら天井裏に入り、ダウンライト器具を取り外してみた。

 推測どおり、ハロゲン球が超小型ピンカメラにすり替っていた(携帯電話のカメラが、ピンカメラ)。器具全体の形状は直径11センチ、深さ15センチの円筒形。そのなかに超小型の高性能の発信機がセットされていたのだ。電源はダウンライト器具の内部配線を利用しているから、つねに映像を送り続けられる。

 つまり、部屋を明るくするために、ダウンライトのスイッチが入れられる。その都度、電気配線を利用した発信機なので、映像の電波が発信されつづける。 スイッチが切られて、部屋が真っ黒(無人)になると、発信機に電流が流れないので、電波が止まる。撮影の必要がない無人の時には、電波法違反の電波が流されないですむのだ。

 「実に巧妙というか、知能犯です。手の込んだことをするものだと、怒りの一方で、妙に感心してしまいました」

 受信機は見つかりましたか、と聞いてみた。

 「店内を隈なく探してみたけれど、見つかりませんでした。個人的な仕業だとすると、車に搭載して、ディスコの至近距離に停車させている。受信機から映像をパソコンに取り込み、DVDにコピーする。それが最も考えられる手口でしょう」と語った。

 のぞきの盗撮を職業とするならば、複雑な手口が考える。たとえば、警察に捕まるリスクを回避するために、ホームレスに酒代を出して、受信機を持たせておく。ホームレスはリヤカーの荷のなかや大きなバッグのなかに受信のレコーダーを隠しておく。路上でじっとしているか、酒を飲んでいるか、片隅で横たわっている。

 警官は、悪臭のホームレスの荷など点検しない。もし、警官に尋問されても、ホームレスは警察嫌いが多いから、頼んだ人を明かさない。

 「悪質な盗撮だから、こっちも犯人を捕まえてやろうと、意気に燃えた。犯人の天井への侵入ルートはわかっていたし」と話す。

◇男子トイレ点検孔から侵入
 侵入ルートはどうしてわかったのか、と聞いてみた。

 「天井の埃はふだん白く積もったまま。人が侵入すれば、こすれた跡がしっかり残る。のぞき魔は男子トイレの点検孔から侵入していましたから」と話す。
男子トイレの点検孔から、のぞき魔は侵入する。点検孔のフタは、10円玉で簡単に開けられる。


 のぞき魔が設備業者の作業服を着てくれば、さして不審者だともみなされない。男子トイレに脚立を立てて、天井の点検孔に取り付く。マイナス・ドライバーか、10円玉などのコイン1枚で、点検孔のフタは簡単に開けられる。

 「天井に入り込めば、鉄骨の梁を伝いながら四方八方どこにでもいける」と教えてくれた。

 S専務の話を聞いているうち、A電気工事店が電気工事のほかに、のぞき魔対策の防犯業者の一面を持つことが理解できた。

 S専務は配線工事のために天井裏に入る。のぞき魔たちも、発信機を取付けに天井裏に忍び込む。双方が共通する場所なのだ。

◇六本木界隈には、のぞかれ放題のディスコがある
 犯人を捕まえる秘策を聞いてみた。

 「天井板(ジプトン)を極度に薄くし、足に体重をかければ、ばりっと破れるように工夫してみました。捕まった現場は自分の目で見ていませんが、片足が天井から突き出し、犯人は慌てふためいていたそうです」と成功顔で話す。

 ディスコの店長は「客商売だし、大げさにしたくない」と言い、警察に被害届を出さず、犯人を説諭しただけで返してしまった。「だから、のぞき魔は犯行をくり返すんです」と口惜しい表情で語る。

 「そこは業者の限界だと認識し、捕まえることよりも、のぞきの犯行をやらせないことだ、と理解しました」

 A電気工事店の従業員が時おり、電球納品などでディスコに出入りする。そのたびに、天井裏を点検させていた。カメラや無線LANが仕掛けられていると、没収する。

 「盗撮カメラ一式は高価なものだし、この店は仕掛けても損だと思わせる」

 のぞき魔の立場からすれば、自分たちも金儲けだし、いつも没収されたら割に合わない。他のディスコを狙う。

 「六本木界隈のディスコには、のぞかれ放題の店がありますよ」とS専務はつけ加えていた。

◇空き部屋を待ちながら一室ずつ盗撮調査
ラブホテルの経営者は、プロの盗撮に頭を悩ます。しかし、隠しカメラの発見方法はあるのだ。

 A電気工事店は数年前から、省エネの電気機器の売込みを強化した。都内のラブホテルに営業攻勢をかけていた。

 あるラブホテル経営者から、うちのホテルで撮影された盗撮テープが巷に流れていると、匿名の抗議の電話があった。従業員が手分けして調べてみたけれど発見できなかった。

 匿名電話だったから、どこの部屋を利用したかも聞き出せていない。なにか調べる方法はないか、と相談を持ちかけられたという。

 「ラブホテルの盗撮はプロです。巧妙に仕掛けているに違いない。ここで盗撮カメラを見つければ、ダウンライトの受注ができると燃えました」とS専務は話す。

 ラブホテルは昼間でも利用客がいる。天井裏でごそごそしていると、客に怪しまれるし、迷惑もかかる。根気よく空き部屋を待ちながら、一室ずつ調査したという。

◇時計の針芯に仕掛けられた超小型カメラ
 超小型カメラは発見がむずかしいでしょう、と質問を向けてみた。

 「そんなにも、むずかしいものではない。手順として、まず部屋全体を真っ暗にし、懐中電灯の光を隅ずみまで照らす。小型カメラは凸レンズだから、ライトの光が当たれば、反射して、ぴかっと光る。それで発見できます」と秘策を教えてくれた。

 各室には火災発生時に、バッテリー点灯できる非常用蛍光灯が備わっている。蛍光灯器具には点検紐が吊り下がる。

 「紐の隙間、わずか数ミリのところに、ピンカメラがセットされていました。意外なところに仕掛けるものだと、こっちもおどろきました。消防の設備関係者は法定の定期点検でチェックするはずですが、それでも、盗撮カメラには気づかなかったようです」と語る。

 取り出されたピンカメラは1.5センチだったという。

 「別のホテルですが、柱時計の針心棒に超小型カメラが仕掛けられていました。ベッドに向けたカメラ・アングルの良い場所を狙ったんでしょうね。利用客の男女は帰る時間を気にして時計を見ているはずだが、カメラには気づいていなかった。時刻の針ばかりが気になって」と苦笑する。

 発信機は小型化してきて、柱時計のなかに納まってしまう。電池の消耗も少ない。のぞき魔は時々、利用客を装い、部屋に入り込み、電池を取替えていたと思われる。

 「電卓に使う太陽電池を並列にすると、.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



女子トイレのブースの下部が空いていると、そこからデジカメで盗撮される。発見されるリスクがあっても、のぞき魔たちは病的な欲求からやってくる。

 

 

 

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