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田原総一朗がMyNewsJapanを直撃 「目的を変えてはいけない」

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弊社事務所にて。戦前から生きてる人がまだこんなに元気だとは…というほど若くみえた。気の持ちようか。
 20年前から「朝まで生テレビ」、18年前から「サンデープロジェクト」を続け、73歳でなお現役バリバリ、代わりとなる人物はもはや見当たらない存在となったテレビジャーナリズムの第一人者、田原総一朗氏。もともと学生時代から政治・政策を専攻しマスコミ志望だった私は、番組を見続けてきた。「想念」というやつだろうか。その田原氏が、雑誌の連載で、弊社にインタビューにやってきた。
Digest
  • テレビ局には入らなくてよかった


 実はこれまで、自分が新メディアを創る活動を進めてきたなかで、60代以上の旧世代マスコミ人と話しても徒労に終わることばかりだった。だからこそ自分で会社を起すしかなかった訳であるが、今回も「経営的成功なくしてジャーナリズムなし」という弊社の意図が理解されるのか不安があった。だが、それはすぐに消え去った。

田原氏は、ジャーナリズムとコマーシャリズムの両立というキーポイントを十分に理解し、いの一番に質問してきた。前段での説明はまったく不要だった。それは佐々木俊尚氏のリポートからもよくわかる。また、テレビメディアの問題点や限界を知った上で、あえてやっている。数十年も第一線を張っている人は、さすがに本質を理解しているものである。

私としては、サンプロで財部氏がやっているような松下やみずほ、資生堂などの復活を取り上げる“大企業PRコーナー”はまったく評価できない。CMに加えて番組内にまで擬似CMを入れるのは、CM比率を定めた放送法違反ではないかとさえ思う。田原氏は、それも原罪として受け入れているようだった。

同業者ということもあり、連載を担当する編集者やカメラマンが「田原さんがこんなに自分のことを話したのは初めて見た」と口を揃えるほど議論は白熱した。

BIG tomorrow』(青春出版) 5/25発売号
時代を動かす人や場所を徹底取材
田原総一朗が行く!現場主義!(計4頁)

--サンプロ、見ていただいているということで。

「学生時代から欠かさず見ています。今では、ぜんぶ録画して」

--僕なんか、渡邉さんから見たら悪の権化みたいなもんでしょう。でね、僕がMyNewsJapanを知って一番驚いているのは、営業面で成り立っていることですよ。だって、みんながやりたいところでしょう。でも、(経営的に)できない。『FACTA』っていう雑誌があるでしょう。割とあれに近いところを狙ってると思うんだけど、あれも赤字らしいですよ。いったい、渡邉さんはどうやっているんですか?

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『BIG tomorrow』(青春出版) 5/25発売号 時代を動かす人や場所を徹底取材 田原総一朗が行く!現場主義!

「会員制でやってる『選択』とか『FACTA』とかは、紙のコストや配送コストがかかるのが決定的に違います。ネットは全然かからない。オフィスもほとんどいらない。その分をぜんぶ運営費に当てられますから」

--そうか。

「売上面では、とにかく記事の使いまわしですよ。1本の面白い原稿を、ネットに掲載して、ライブドアなんかのポータルサイトに配信して、雑誌にも載せて、最後に本にする。それぞれから売上を立てる。私は経営コンサルタントを5年もやっていたときから、どういうビジネスモデルなら経営が成り立つか、ずっと考えていたんです」

--なるほど。じゃあ、もっと一般的に、ベンチャーで成功する秘訣は何だと思う?

「これは田原さんもご存知の堀紘一さんがよく言っていてその通りだと思うのですが、差別化×回収エンジンですよ。ウチは記事が差別化されていて、マスコミが書けないことを中心にやっている。回収エンジンは、先ほど述べたとおり、1本の記事で複数回、回収していく仕組みです」

--僕は堀紘一とは仲が良くて、DIの社外取締役もやってて、ベンチャー企業の見極めについて議論したりしてるんだけど、そうですか、既存のマスコミができないことをやっている、と。そうなると、とにかく企業だよね。マスコミはスポンサー企業に、からっきし弱い。

 「大企業に加えて、マスコミ自身の問題もタブーなので、やってるんですよ。(プリントアウトしたアクセスランキング 見せる)去年、一番アクセスが多かったのは講談社の賃金問題ですから」

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「戦後の日本は、要するに開発独裁みたいなもんです」(渡邉)
--テレビもひどいけど、非上場の出版社は、テレビ以上にひどい。情報公開しなくてもいいから。給料が一番高いのはどこだか知ってる?非上場の関西テレビだからね。

「テレビと出版は、同じくらいひどいですよ」

--『噂の真相』という雑誌があったでしょう。僕はあの雑誌に割と協力してたんだけど、あれは作家や芸能人のスキャンダルを売りにしていて、僕のことも、けっこう書かれた。まあそれはいいんだけど、ああいう作家なんかのスキャンダルはやらないの?

 「やらないということはないです。ジャーナリズムとして必要であればやる。でも、中心はあくまで生活者、消費者、有権者の視点ということでブレません。この図のような(図を見せる) 、政官業が起点となっている情報の流れを逆流させて、(本当の成熟した)民主主義の国にしたい。戦後の日本は、要するに開発独裁みたいなもんですから」

--いや、戦後どころか、日本は明治の開国以来、ずっと開発独裁ですよ。

「その体制が、今に至るまで続いてしまってる。団塊の世代までは、それでよかったんです。欧米へのキャッチアップがミッションだったから。政官業の癒着トロイカ体制は確かに効率が良かった。

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「テレビで絶対にできないのは、水です。サントリー、JT、コカコーラ…とみんな関係してくるから」(田原)

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読者コメント

あずみるり2008/08/18 11:23
読者2008/05/29 08:51
一ユーザー2008/02/23 11:15
wtf2008/02/01 02:51
正義の味方2008/02/01 02:51
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