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東京大気汚染訴訟、和解成立 「トヨタはじめ自動車メーカーは一言でいいから謝罪して」

情報提供
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「トップメーカーのトヨタは解決にむけて前向きになれ」と原告らはトヨタ自動車東京本社前で座り込みを続けた(2007年3月)。和解を受ける直前には、17日間連続で同社の前で座り込んだ。原告の121人が和解の日を迎えることなく亡くなり、原告団に加わっていない多数の患者も亡くなっている。
 自動車メーカー7社(トヨタ・日産・三菱・いすゞ・日野・日産ディーゼル・マツダ)、国・東京都・旧首都高速道路公団を相手取った東京大気汚染訴訟で7月2日、原告・被告双方が和解案を受け入れ、11年間におよぶ大型公害訴訟は一応の決着を見た。だが、もろ手を挙げて喜ぶ患者はひとりもいない。原告側は、都や国の対応については評価するが、原告1人当たり約230万円の解決一時金を支払うことになった自動車メーカーに対しては、未だ不信感を持ち続けている。原告団の石川牧子事務局長に聞いた。
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  • 原告団患者、総勢633名

原告団患者、総勢633名

 自動車の排ガス汚染が原因で喘息や呼吸器関連の病気になったとして1996年5月、99人の患者が、国・東京都・首都高速道路公団(現=首都高速道路株式会社)・自動車メーカー7社(トヨタ自動車・日産自動車・三菱自動車・いすゞ自動車・日野自動車・日産ディーゼル工業・マツダ)を相手取って総額22億3800万円の損害賠償や汚染物質の差し止めなどを求めた裁判が「東京大気汚染訴訟」である。

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石川牧子原告団事務局長(写真中央)は「これから公害対策も実施され、原告以外の未救済の患者の助成制度に道を開かれたことが11年間苦しい闘いをした意義だ」と評価する。しかし自動車メーカーに対しては「ひとこと謝罪してほしいです。亡くなった方々に、『お悔やみ申し上げます』のひと言を聞きたいです」と語っている。
 2002年10月の東京地裁判決では、道路端から約50mまでに居住して気管支喘息を発症し悪化した7名については東京都・公団に損害賠償責任を認め、計7,920万円の支払いを命じた。

 しかし、自動車メーカーの責任と汚染物質の差し止めについては認めなかった。その後原告団に加わる患者が増え、総勢633人になったが、そのうち121名がこれまでに死亡している。

 一審判決後に控訴を断念した東京都は、2006年11月に医療費救済助成制度の創設を提唱した。これを受けて東京高裁は和解勧告を出していたのである。

 今回の和解で、手放しに喜ぶ患者・原告は一人もいません。もちろん、裁判をしたことの意義は大きいと思いますが、さまざまな問題が残っているのです。(原告団の石川牧子事務局長、以下同)

 「全面解決」「全面和解」と新聞やテレビは大々的に報じたが、その実態は手放しで喜べるものではなかった。和解の主な内容は以下の3点。

1) 医療費救済制度の確立。これを東京都・国・旧道路公団・メーカーで出資。5年間で200億円
2)自動車メーカーが原告に解決一時金12億円を支払う。(原告一人当たり約230万円)
3)国・高速道路会社・自動車メーカー・東京都は公害防止対策を実施する

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■和解に対する声明文
原告だけでなく公害患者として未認定の患者に対する医療費助成制度の創設と公害対策の実施を約させたことで、原告団は和解勧告を受け入れた。しかし、トヨタをはじめ被告の自動車メーカー7社に対してはいまだに憤りを持っている。
 今後、国・東京都などと協議機関をどうするかなどを決めなければなりません。たとえば一年に一度、会を持ち、そのために準備会を儲けるとか・・。そういうことの概要を決めて調印に臨むつもりです。

◇借金も返せないほどの低額解決金

 解決一時金は、原告数で割ると一人あたり約230万円になると報道されました。しかし、全額ゆき渡るわけではありません。これまで11年間、弁護士さんには1円も支払えていないのです。そのほかの経費も差し引かなければなりません。判決なら弁護士費用を被告が負担することもあり得ますが、和解ではそれができません。

 それに、あくまでも一時金であり、和解の柱である医療費制度が明日できるというわけではなく、できるまでは医療費の自己負担が続きます。

 裁判を起こすときには印紙代が必要ですが、私たちのような公害患者は免除されます。しかし、和解が成立したので支払わなければならないのです。印紙代は数千万円にもおよび、一人当たり8万円から11万円くらいなのです。

 普通の人には大金でないかもしれませんが、働けずに医療費の支払いで精一杯の人びとには、とうてい支払える金額ではありません。

公害患者として認定されると毎月生活費として援助が出ます。たとえば3級の公害患者認定を受け60歳を超えた女性で月5万円程度の支給が現状です。

 しかし、喘息以外にいろいろな病気を併発している場合、医療費が膨大になってしまう。病気のために働いてこれなかった高齢の患者は年金支給額が低く、生活保護を受ける以外に生きる道はありません。一方、公害患者と認定されていない多くの未救済の患者は生活保護状態ですから、少しばかりのお金が入ってもバンザイというわけにはいかないのです。
 
 まだ計算できていませんが、表向きは一人230万円でも、現実にはおそらく半分以下になるでしょう。医療費救済制度が出来上がるまで、この金額で治療ができるかどうかも患者によってはわかりません。それに生活費や、医療費のために借金をしていた人も返済できないです。

◇慢性気管支炎や肺気腫の患者は対象外

 また、解決一時金の対象となるのは、喘息患者だけです。肺気腫になっている人は、死亡率が高く実際になくなっている方が多いです。問題は慢性気管支炎の患者は対象外だということです。公害で身体を悪くしても、喘息以外は拠出されないのです。

 私の場合、ステロイドの副作用で具合が悪くなっても、その費用はみてもらえません。

 また薬によって骨に異常をきたしても、それも対象外です。ですから、My news Japan「世界のトヨタは全面解決の決断を!」東京大気汚染訴訟 患者ら1千人、東京本社を包囲に載っていた原告患者の初山彰一さんは慢性気管支炎で喘息ではないから、対象外です。

 私たちが求めていたのは、大阪の西淀川公害訴訟のときの39億9000万円程度でした。というのも、

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■和解の骨子P1とP3「本件訴訟の提起を、ひとり原告らの個人的な利益のためのみになされたものと矮小化すべきではなく、その社会的な意味を軽視すべきでない」と裁判所に認められたことがうれしいと原告らは語っている。

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むらしん2008/02/01 02:51
うんざり2008/02/01 02:51
しゃーない2008/02/01 02:51
和解とは2008/02/01 02:51
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記者からの追加情報

下記数値に誤りがありました。お詫びして訂正いたします(7/27)
■そのうち109名がこれまでに死亡している。→109→121名に訂正。
■印紙代は数千万円 にもおよび、一人当たり11万円から18万円くらいなのです。→「8万円から11万円くらい」に訂正。
■1枚目の写真キャプション「原告の9人が和解の日を迎えることなく」→「原告の121人が」
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■東京大気汚染公害裁判原告団HP