ミネラルウォーター 飲むなら富士山のバナジウム天然水、南アルプスの天然水、Contrexは×
今回計測したのは日本の「六甲のおいしい水」「南アルプスの天然水」「富士山のバナジウム天然水」、アメリカの「CRYSTAL GEYSER」、フランスの「Vittel」「Contrex」「evian」「Volvic」。 |
◇8本のミネラルウオーターを計測
昨夏は、セブン-イレブンで販売していたミネラルウオーター6本+ボトルドウォーター1本の水を計測して報告した。
■六甲のおいしい水、volvic、evianは硝酸性窒素入り 幼児は注意
そのときは、簡易水質検査試験紙「クリスタルチェック」(硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、総硬度、総アルカリ度、pHを検査するキット)とTDSテスター(Total Dissolved Solid=全蒸発残留物、水中にある不純物の濃度を測定)を使った検査だった。
それ以来、わたし自身、アメリカのCRYSTAL GEY SERを買うようにしてきた。
今回は、社内の研究室で水の詳細調査機器を持つニューメディカ・テック株式会社の協力の下、上記を詳細に計測し、また2005年の水道法改正から新たに採用された「全有機炭素の量」(TOC、有機物による汚濁の指標)を追加した。
今回の調査銘柄は同じくセブン-イレブンで販売されていた8本のミネラルウオーター。日本の「六甲のおいしい水」「南アルプスの天然水」「富士山のバナジウム天然水」、アメリカの「CRYSTAL GEYSER」、フランスの「Vittel」「Contrex」「evian」「Volvic」である。
村田徳治さん 1934年生まれ。日本化学産業株式会社研究所長を経て(株)循環資源研究所所長。技術士(化学部門)。元淑徳短期大学兼任講師。主な著書に『新訂 廃棄物のやさしい化学全3巻』(日報出版)、『正しい水の話』(はまの出版)、『化学はなぜ環境を汚染するのか』環境コミュニケーションズなど。 ミネラルウオーターについて、「まさに"水商売"だと思います。ネームバリューを何かにひっつけて、いかに人を騙すかのビジネスで、消費者が騙されないようにするということしかありません」と語る。 「(8本のうち)好き嫌いがあるでしょうけど、でも、ぜったい飲みたくないのはコントレックス。まずい。ミネラルがたくさん入っていますから」と言う。 |
ミネラルはからだにいいイメージで、ミネラルウオーターでそれが摂取できる感じがしてならないのだが、そもそもそのミネラルとは何なのか?
水の専門家としてメーカーと利害関係のない立場で研究を続けている、循環資源研究所所長・村田徳治さんに聞いてみた。
村田「ミネラルとは鉱物(無機物)のことです。有機物ではないもので、人体に必要な成分もあれば、水銀や鉛のように有害な成分もあります。
カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウム・鉄・亜鉛・銅・リン酸塩などが人体に必要なミネラルです。鉄は血や酸化酵素の原料です。ビタミンB12のなかにはコバルトが含まれています。たとえば、必須元素である亜鉛が少なくなると味覚を感じなくなったり、肌ががさがさになります。
ナトリウム・カリウムなどのミネラル類は、細胞の内側や外側に存在し、新陳代謝をつかさどっています。カルシウムも神経伝達に重要な働きをしています。血液中のミネラル成分と濃度は、生物が地球上に発生した頃の海水の成分に近いといわれています。
カルシウム・マグネシウム・リン酸塩は骨や歯の成分であり、ミネラルとして重要な物質です」
◇できるだけ純水に近いミネラルウオーター
「ミネラルウオーター ランキング」調査結果(協力:ニューメディカ・テック株式会社) |
健康に特に重要となる指標は、亜硝酸性窒素(発がん物質へ変化)、硝酸性窒素(発がん物質へ変化)、TOC(水質汚染の指標、水の腐りやすさ)。総硬度と総アルカリ度は水の性質を表し、数値が高いと健康影響を受けると言われている。
TDS(水の電気伝導度、水の中にとけ込んでいる不純物の濃度の総計)の数値は基本的には低いほど不純物、有害物質が少ない。ただし、ミネラル分もこれに含まれるので、数値が高いものがよくないとも一概には言えない。水の味もTDSが高い低いだけでは評価できない。前出の村田徳治著『正しい水の話』では、環境庁が決めた快適水質項目には30~200mg/Lとある。
検査項目の詳細は、六甲のおいしい水、volvic、evianは硝酸性窒素入り 幼児は注意 記事中下方の「参考1:検査項目の詳細説明」参照。
これらの数値から、どうやってランキングづけしていくかがポイントになってくる。村田さんに、水の評価について聞いてみた。
村田「ミネラルウオーターのランキングをつくるのなら、純水に近いものになるといいです。測定できる塩類や有機物などの数値は、なるべく0に近いものがいい。
山頂に降った雨は、山間部からだんだん下流にいくに従って、いろんなミネラルや有機物を溶かして、悪くなっていき
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上から、富士山のバナジウム天然水南アルプスの天然水CRYSTALGEYSERVittel六甲のおいしい水evianVolvicContrexそれぞれの数値は、2005年の水道法改正から新たに採用された「全有機炭素の量」(TOC、有機物による汚濁の指標)。
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"そもそも、飲み水に硬度はおかしい。", "マグネシウムイオンとカルシウムイオンでそれぞれ表示をすればいいのに、マグネシウムをわざわざ炭酸カルシウムに換算したものを合算して、硬度といっています。"
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バナジウム天然水は「バナジウム」が余計。
http://www.mynewsjapan.com/reports/1637
ミネラルウォーターって言っている時点で鉱物含有を示唆しているわけですから、軟水硬水って分類と基準でみるならともかく 「ミネラルウォーターなのに軟水でないといけない」という判断基準そのものがおかしいと思います。
遺伝性の低K血症で周期性四肢麻痺という病気持ちですが、ボルビック以外は体調が悪くなるのであまり飲まない様にしています、会員で無いから詳しく判らないのですが、酸化硫黄(SO)の成分検査もしてますか?天然の水なら必ず入っていますが、日本だけは成分の細かい表示義務が無い様なので注意できないから、日本の天然ミネラル水って信用できません。
私の田舎、長野県の山奥の湧き水が汚染で生で飲めなくなりました。怖いですね~~~。地球は確実にゴキブリ世界に走ってますね。
最初の方に「純水が体に悪いというのも俗説」ってコメントがありますね。たしかに「唾液も胃液も分泌できない」人が飲んだらどうなるか不明ですが。(そんなに純水が身体に悪いというのなら、「純水が皮膚に付着したら洗い流さないといけない」んですか? :-)
「半導体洗浄の純水がゴミや汚れとり易い」というわけではなく、有機物やメタル(ここではミネラルを指す)は、半導体を汚染し、不良を生じさせるため、何も含まない純水が好ましい。
純水は小さなゴミや汚れを取り除くため半導体洗浄に使われていると聞いたことがある。下の人の意見はそれに適ってると思うんだけど。
現在研究で純水(Milli-Q)を扱っている者です。私たちの研究室では、純水は体に毒であると言うのが精通しています。ここで挙げられている『いろいろ混ざってない水』を摂取してしまうと、水が体内の栄養分を奪ってしまいます。デトックス効果などと同時に、必要なものまで奪われてしまいます。適度に汚れた(ミネラルなど自然に含んだ)水をのむことが体には良いかと...
>日本の軟水が上位を占め、イメージがいいフランスの硬水は下位「純水に近い」を評価基準にするなら、自動的に「硬度が高い=悪い水」になるのが明らかなので、上記の結果は基準を決めた時点で当然というか、そういう結果を導くために決めた基準としか思えない。計測する意味すらない。
なぜ冷やすのか良くわからないけど、水道局は「カルキ臭が気になるなら煮沸するか適当な浄水器を利用してね」って言ってたような。もちろん「逆浸透膜方式」みたいな大げさなものは「全く必要ない」と思いますけどね。
そうすると適度に塩素が入っている水道水が最強ということになりますかね。変にミネラルが入っている訳じゃ無く飲みやすいし。ただし、よく冷やしてといった注意書きは必要ですね。
日本薬局方様、精製水は菌の繁殖を防げないのでボトル詰めしたら、あっという間に菌の巣です。精製水は「精製した後、速やかに用いる」ものであり、ボトル詰めして販売できる品質ではありません。日本薬局方「注射用水」であれば、御希望に沿うと思いますが、そのまま飲んでも、おいしくありません。ちなみに、水割りには向いてると思います(^^;)
ネットの情報が無料だと思っているとリテラシーがないとおもわれちゃいますよー。しかもこれはビジネスのサイト。よーく考えよー
>怒り金を払えば知れるわけで権利を阻害しているわけではないのでは?何かを調べようとすれば必ずコストはかかるわけでボランティアじゃないんだから…。そもそも何でもただで知れると思うのが幻想であり傲慢な発想。
何がいいかっていいえば、「昨年は計測してた」水道水でしょう。ミネラルを摂りたくないってときにミネラルウォーターを選択するのが間違い。
日本薬局方の精製水が一番安心出来そうですね。衛生的だし、不純物が無さそうですし。
普通の水道水で充分ですか?今年は、東京の水道水をボトルに充填したものが、結構な数売れたそうですね。きちんとカルキ臭を抜いて冷たく冷やせば、水道水でもおいしく飲めるってことですね。
補足すれば、素材の味を引き立たせたいときは軟水、水本来の味を楽しみたいなら硬水に近い水の方が良いですね。水道水の味は、水本来よりも配管や貯水槽の影響が無視出来ないので、軟水化処理されているのが現状です。硬水流さずとも、水垢やいろんな析出物で細くなっていくのですから。
H2Oそのものを飲んでも全くかまわないですよ。安全な水なら何でもいいので、あとはミネラルの組成によって微妙に違う味のどれを好むかという問題です。冷やして飲む人も居れば、開栓してしばらくしても味が落ちないのがいいという人も居ますし、いろいろ飲み比べて楽しむとよいのでは。最近では、高度処理水のボトルドウォーターも出てますよね。
水道水で十分。アラスカの水? 日本まで運ぶのにどれだけ石油使ってCO2出すと思うの? 日本のホニャララ水だって同じ。人体にいいかどうか知らんが、間違いなく自然にはやさしくない!
ナルホドですね。くだんの話はそれなりの研究機関でのこと、いたく感じ入ってた次第です。体液の濃度はどの程度か知りませんが、H2Oそのものを飲んで構わない訳ですね(再確認)?
純水が体に悪いというのも俗説ですよ。超純水の製造プロセスがまだ出始めの頃、衛生管理の点で不十分だということから出回った話のようです。 普通に考えれば、飲んだ瞬間唾液と混ざり、胃に入って胃液と混ざるわけで、すぐに「水溶液」になってしまいますよ。 ミネラルウォーター程度の「希薄な水溶液」だと、どのみち体液の浸透圧とはかけ離れていますし。
そんなにミネラルが含まれていないのがよいというのなら、馬鹿高いボトルドウォーターを買わなくても「高度浄水された東京の水道水」で十分なのでは?未だに「塩素があるとトリハロメタンができて……」とかいう『都市伝説』を信じてるんなら別だけど、高度浄水された東京の水道水には「トリハロメタン前駆物質」が含まれて無いんだから「安全」だよね?
純水は体に有害と聞いたことがあります。体液との浸透圧の差が大きすぎて、飲用にはできないと・・。適度のミネラルは在って当然でないでしょうか?
ミネラル摂取目的が馬鹿げているのは確かですが、純水ってまずいですよ。まずい純水より、おいしい汚水を飲みたいです。
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