My News Japan My News Japan ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

買い物中に起きた飼い犬同士の咬傷事故、どちらに責任?

情報提供
ReportsIMG_I1190445566812.jpg
“容疑犬”バブ郎。オス6歳のボストンテリア。正当防衛は成り立つのか。
 犬の散歩中に買い物をしようと、犬を店外につないでから店内へ入った。ほどなく通りかかった散歩中の飼い主が犬を近づけ、防御反応を示したぼくの愛犬は、その犬を咬んで出血。その飼い主はぼくに責任があると言うが、過去4年間、何かを咬んで事故になったこともない。近づけたほうも悪いのではないかと思いつつ、条例などを調べることにした。
Digest
  • 「チワワなら噛み殺されてる」
  • 一方的に悪いのか
  • 国の基準は努力規定
  • 人への咬傷は24時間以内に届出義務

9月16日(日曜日)の夜10時過ぎ。いつものように、愛犬「バブ郎」の散歩途中、近所のスーパー「サミット」に寄った。犬は出入り口から2メートルくらい離れた、建物の角にある太いパイプにリード(縄)を巻きつけ、1メートルくらいしか動けないようにして、待たせておく。ぼくだけでなく、他の飼い主もそうするのが、このスーパーでの暗黙の了解だ。

ReportsIMG_H1190445562143.jpg
出入り口と犬をくくりつけておいた管の位置関係。普通に出入りする客には届かない。

「チワワなら噛み殺されてる」

10メートルほど店内に入り、惣菜コーナーを物色しかけたとき、「キャッ」という犬の鳴き声が聞こえた。「あ、バブだ!」。また何かに反応して吠えたんだろう…と思い、すぐに入り口に戻ってみると、別の犬を連れた30代後半と思われる女性が、青ざめて立っていた。

「こんなに凶暴な犬、こんなとこに、つけとかないでください!」

女性が連れている犬は、茶色のビーグルで、口から少し血が出ていた。人間でいう唇のところだ。バブが咬んで、怪我をさせてしまったらしい。

「すいません」と謝るしかなかった。

 女性は取り乱していた。

「もしチワワみたいな小さい犬だったら、噛み殺されてるわよ!この犬、ちゃんと狂犬病の予防接種をしてるんですか?」

 「してます」

こちらも、気が動揺していた。

バブはオスのボストンテリアで、大きさは60センチほど。相手のビーグルも同じくらいの大きさだった。お互いの犬の状況をよく見合ったところ、ほかに怪我はないようだった。

少し時間がたって、向こうの飼い主も落ち着いてきた。

「こっちが安易に近づけてしまったのも悪いけど…」

要するに、スーパーの前を通りかかったところ、犬がいたから、自分の飼い犬を近づけてみた、ということのようだ。

 だったら、近づけたほうも悪いんじゃないか?とも思ったが、

「近くで商売してるので、もし何かあったら来てください」と、ヘアサロンの名前を告げ、相手も地元ということで、ぼくの店を知っていたので、その場は別れた。

周りには、お客さんたちが来て、なんだなんだ、と野次馬ができている。

買い物をする気もなくなって、何も買わずに帰った。

一方的に悪いのか

その後、今のところ、特段、治療費を要求されたわけではない。たいした怪我ではなかったので、治ったのだろうか。

だが、あとあと、怒りがこみあげてきた。なんで、一方的に言われなければならないのか。

確かに、ぼくが近くにいて、そういった事態が発生してしまったのなら否を認めるしかない。「近づけても大丈夫ですか?」と言われれば、「犬によっては過度に反応するので、むやみに近づけないほうがいいです」と言っただろう。

だが、今回のケースでは、ぼくはそこにいなかった。女性が自らの意志で犬を近づけたのだ。近づけなければ、事件は起きなかった。

バブは、ときどき気性が荒くなる。人間でも、吠える人と吠えない人がいて、特定の法則性は見出せない。同様に、犬でも、その相手によって吠えたり、吠えなかったり。今回は、たまたま激しく反応する、バブにとって相性の悪い犬が近づいてきた、ということのようだ。

ボストンテリアは、土佐犬でよく耳にするような攻撃性は強くない。今年6歳になるバブは、飼いはじめて4年になるが、過去一度も、人や犬を傷つけたりトラブルになったことはなく、今回がはじめてだ。むやみに刺激しなければ、もともと他者を襲わない。

サミットは、もちろん犬を連れて店内に入ることは禁止なので、犬連れの人たちは、みな、ぼくのように入り口の外側に、リードで犬を留めている。

店員に尋ねると、「だいたい皆さん、人通りが多くないところの近くにつないでおいているので、そのようにしていただければ」と、出入りが少ないほうを指差した。ぼくの犬も、まさにそこにつないでおいた。普通に出入りする分には、まったく接触しない距離だ。故意に近づかない限り、問題は起きない。

飼い主が、飼い犬についての責任を負うのは分かっているつもりだ。だが、相手だって、同じ飼い主なのである。自分が飼う犬をむやみに近づけたら、近づけた責任を負うだろう。犬同士の喧嘩は、十分に予見できるものだ。

国の基準は努力規定

このままだと、いつ訴えられてもおかしくないのでは、と気が気でない。今回のケースでは、どちらが治療費を負担すべきなのか。どちらにより重い責任があるのだろうか。調べることにした。

 まず、国はどういった指針を示しているのか。
 環境省の動物愛護管理室に、経緯を説明し、どちらにより責任があるのかを尋ねた。

この先は会員限定です。

会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。

  • ・本文文字数:残り1,935字/全文3,840字

『家庭動物等の飼養及び保管に関する基準』(環境省)第4犬の飼養及び保管に関する基準

『東京都動物の愛護及び管理に関する条例』第5条(飼い主の責務)

公式SNSはこちら

はてなブックマークコメント

もっと見る
閉じる

facebookコメント

読者コメント

nari2009/04/30 21:02
ちろ2009/04/18 17:21
nari2009/02/09 20:22
ちろ2008/10/12 20:02
自己中では?2008/09/23 17:40
愛犬家の皆様2008/02/14 08:27
えー2008/02/01 02:51
はぁ・・・2008/02/01 02:51
これは酷い2008/02/01 02:51
犬嫌い2008/02/01 02:51
MASA2008/02/01 02:51
チビ2008/02/01 02:51
WAN2008/02/01 02:51
犬を飼っていない側2008/02/01 02:51
ゆず2008/02/01 02:51
Y(1)2008/02/01 02:51
はなび2008/02/01 02:51
レイア2008/02/01 02:51
mecha2008/02/01 02:51
犬好き2008/02/01 02:51
犬好き2008/02/01 02:51
一般2008/02/01 02:51
2頭の飼い主2008/02/01 02:51
ブル野ドク男2008/02/01 02:51
kmap2008/02/01 02:51
babu2008/02/01 02:51
雑種2008/02/01 02:51
あなたの常識は???2008/02/01 02:51
ペロンコ2008/02/01 02:51
バター犬2008/02/01 02:51
最近2008/02/01 02:51
シロクマ2008/02/01 02:51
2008/02/01 02:51
x2008/02/01 02:51
雑種2008/02/01 02:51
ナイ2008/02/01 02:51
KEN2008/02/01 02:51
※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。
もっと見る
閉じる
※注意事項

記者からの追加情報

本文:全約4,200字のうち約2,100字が
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい

新着のお知らせをメールで受けたい方は ここでご登録下さい
■情報提供をお待ちしております。 ご連絡先E-mail:info@mynewsjapan.com