【Digest】
◇「オーネット」は高級出会い系サイト
◇押しの強い勧誘だったオーネット
◇相談員の質はいいツヴァイ
◇希望は文化系の穏やかな女性
◇「フリーランスというのがどうも・・・」
◇年収700万円が条件の「エリートネット」
◇富裕層の娯楽としての結婚

---

「オーネット」は高級出会い系サイト

　６月のある日、私は業界一の会員数を誇る最大手結婚相談所「オーネット」に相談に行ってきた。私が行ったオフィスは町中の雑居ビルの３階にあり、エレベーターに乗ってフロアに入ると、パーティーションが入り組んでおり中が迷路のようになっていた。

今回、行ったオーネットの支社。雑居ビルの一角にある（上）。オーネットの案内（下）は心理テストで相手を見つける仕組み。

　「すみません」と声をかけると、中から担当者の女性が出てきた。40歳くらいの女性で、顔にしわが目立つものの、長年結婚斡旋をしてきたという感じの「アドバイザー」である。

　狭いブースに着席した後、名刺を頂きアンケートに回答する。結婚観や条件に関するアンケートを書かされる。

　オーネットは、データベースシステムを利用したマッチングが売り物だ。ここで記入したアンケートを元に、データを参照して適切な相手を見つけ出す。

　このアンケートでは、氏名や住所・職業だけではなく、趣味や特技、そして希望年収や結婚したい相手の職業・学歴を詳細に記入する。

　職業にはこだわらないが、学歴は大学・大学院卒を希望した。

　変わった項目では、眼鏡をかけている相手でもよいか（眼鏡ブームのご時世にそんな項目があるのは疑問だ）や、喫煙者の可否があった。喫煙者の可否については、さすが禁煙ファシズムの時代であり不思議はないものの、喫煙者にとっては結婚は遠のく可能性があるな、と感じた。

　一通りアンケートを答えた後、会社の説明を受ける。1980年に大阪で設立されたオーエムエムジーは、1997年に「O-net」のブランドを導入し、2007年12月には楽天グループに入った。アドバイザーはそう語るが、無名企業の訪問セールスの際の会社紹介と似ていなくもない。

　続いて希望条件も聞かれる。

　さすがに「脚のきれいな文化系女子の眼鏡っ娘」とは言えない。「性格が穏当で、できれば同じ早稲田大学の方を」と言った。それに対してアドバイザーは「学校名では検索できません」と言う。

　私がアンケートに答えた条件をパソコンに入力したら、120人近くの候補者が出てきた。オーネットの「売り」は、このデータベースシステムにあるようだ。このデータベースの駆使が、楽天系企業・オーネットの特徴である。何だか高級出会い系サイトみたいだ。

　「例えばこの人なんかはいいんじゃないでしょうか。入会したら、紹介することができます」と条件に合った女性のデータが示される。

　「この人はいいですね」と私。示されたデータに向かって、口ではアドバイザーに言うものの、かつて思いを寄せていた女性に比べて、どうにも魅力がない。気持ちは乗らない。

　何人か見せてもらった後、パーティーやイベントなどの紹介を受ける。会費2000円程度のパーティーから観劇会などまで、様々なイベントが掲載されている情報誌を見せてくれた。本来の入会金や会費の他に、イベントなどでもお金を取る。

　また、オーネットではネットだけではなくて就職情報誌のような雑誌も発行しており、入会して２ヶ月経った人はこちらの情報誌にプロフィールを掲載することができる、と説明された。この情報誌では通常より大きく顔写真やイラストを掲載することもできるが、そのためにはお金がかかるとのこと。

◇押しの強い勧誘だったオーネット
　最後に、入会金と月額費用の話になる。この段階ではアドバイザーはがぜん力が入ってくる。入会金が10万9800円（税込）、月会費が1万3650円（税込）とのこと。クレジットでの支払いも用意されており、「月々9000円程度から」と３年契約を薦められる。

　分かりきっていたことだが、正直、ワーキングプアのライターには高い。

　「払えないことはないでしょう」と言われ