上:「過払い金返還代理人」をキャッチフレーズにテレビCMを放映していた朝日ホームロイヤー。
下:被害者のAさんは、1年以上も放置されるなどとは思いもよらなかったという
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「過払い金返還代理人」をうたい、多重債務者向けの宣伝活動を展開する司法書士法人「朝日ホームロイヤー」(東京都新宿区、奥出欣二代表)をめぐり、四国地方の女性が22万円もの費用を支払ったにもかかわらず、7ヶ月で5人も担当者が替わるたらい回しにあった挙句、1年以上も事実上放置されていたことが明らかになった。女性は「ロイヤー」の誰とも会ったことがないという。「法律家」の看板を悪用した「過払いビジネス」のモラルなき実態には要注意だ。
【Digest】
◇「過払い金返還代理人」にだまされた
◇ネットでたどりついた「救いの神」
◇債務整理費16万8千円を払い込む
◇頻繁に変わる「担当」。7ヶ月で5人…
◇さらに「自己破産の費用」5万2千円
◇「面談せずに受任することはない」
◇昔サラ金いま「過払い」のモラルなき法律家
◇「過払い金返還代理人」にだまされた
「ようやく債務整理ができると信頼してお願いしたんですが…。自分のバカさ加減を反省しています」
そう嘆くのは、香川県内で事務職の派遣社員として働くAさん(独身女性、42歳)だ。クレジットカードやサラ金の借金が膨らみ、支払いに行き詰ったのは昨年5月。何とか解決する方法はないかとインターネットを探すうちにたどり着いたのが、司法書士法人「
朝日ホームロイヤー」のホームページだった。
「過払い金返還代理人」「多重債務者救済」「過払い金返還のスペシャリスト」「すでに26億円の過払い金を取り戻し、多重債務者の救済を行っている」――。
朝日ホームロイヤーが掲げた宣伝文句が、Aさんには頼もしく見えた。
ロイヤーの代表を勤めているのは、元第一勧業銀行行員の司法書士・奥出欣二氏。「司法書士」という肩書きにも、弁護士に比べて親しみやすいイメージがあった。
Aさんはさっそく、ホームぺージに記されたアドレスにメールを送った。すぐに返信のメールが返ってきた。「担当」という女性H氏からだ。
〈司法書士法人朝日ホームロイヤー 担当Hでございます。
お電話してもよろしい時間をお知らせいただけましたら、詳しいお話をお聞きいたしまして、債権者との対応を早急に勧めさせていだたきたいと存じます。
お届けいただいたご住所に関係書類を送付したいのですが、差し支えございませんか。
(原文ママ、後略)〉
丁寧な文面に好印象を受けた。ただひとつひっかかったのは所在地だ。朝日ホームロイヤーの事務所は東京・神田(後に市ヶ谷に移転)にある。一方、Aさんは香川県に住んでいる。東京に出るには飛行機だと片道2万5000円前後、夜行なら片道1万円はかかる。
東京まで行かなければならないのだろうか――。派遣社員として働くAさんの月給は15万円。その大半を返済に充てている身では、東京と香川を往復するような余裕はとてもない。
心配をよそに、メールにはこう書かれていた。
〈当事務所におきましては、債務整理の場合には、債権者との交渉は電話や郵便、FAXなどで行いますし、司法書士との相談についてもEメールや電話ですることが出来ますので、当事務所にお越しいただく必要はありません〉
「遠方の者でも引き受けてくれる…東京に行かなくてもいいのか…」
朝日ホームロイヤーに債務整理を依頼しよう――Aさんは決心し、その旨をメールでH氏に伝えた。何年も苦しんできた借金地獄からやっと解放される。そう信じて疑わなかった。債務整理を依頼したのが2007年5月。その後、費用を払わされたまま1年以上も放置されるとは、よもや思いもよらなかったという。
◇ネットでたどりついた「救いの神」
Aさんの負債総額は300万円あまり。ライフ、クレディセゾンなどクレジット会社4社からの借金だ。300万円といっても、すべて利息制限法を超えたグレーゾーン金利である。利息制限法(年利15%~20%)で再計算すると実際はもっと少ない。返済を終えてもなお払い過ぎている、いわゆる「過払い」になっている可能性もあった。
訴訟や調停を起こし、自分で過払金を取り返すことは可能だが、多くのサラ金・クレジット利用者がそうであるようにAさんも法律に暗かった。グレーゾーンのメカニズムもわからない。朝日ホームロイヤーだけが頼りだった
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東京・新宿区にあるオフィスビルの中に朝日ホームロイヤーはある。代表を務めるのは元第一勧業銀行員の奥出欣二司法書士(写真上は、朝日ホームロイヤーホームページより)。 |
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5人目の「担当」M氏から届いた状況説明のメール。過払金返還を求める訴訟を起こしたとあるが、訴訟の詳細はいまだに不明だ(上)。東京以外での広告・宣伝活動はやめたというが、札幌の地下鉄にはいまも広告が貼られている(下、12月13日撮影) |
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朝日ホームロイヤーのパンフレット。手続きの冒頭には「司法書士と面接・相談」とあるが、四国に住むAさんは、スタッフの誰とも会ったことがないという。 |
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