Baa優良企業予備軍 (仕事4.0、生活3.0、対価4.8)
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例年5月になると、伊藤忠の独身寮では、恒例の新人歓迎会が行われる。参加経験のある若手社員によると、会場は寮の食堂だが、なぜかブルーシートが敷いてあったという。寮の新人は、まず、あらかじめ用意した芸を披露。「脱ぎ芸」が基本だ。それを先輩が採点し、点数が悪い新人は、業務用のボールで一気飲み、となる。みなが十分に酔ったところで、「これから伊藤忠の伝統を教えてやる!」と先輩が部屋を出て行く。そして始まるのが「お酒様」という儀式である。
【Digest】
◇「お酒様」は脱ぐのが基本
◇新入社員「16時間拘束も普通」な1日の流れ
◇「休みは悪」のカルチャー
◇港で夜中ずっと監視する仕事も
◇勤務地は、ほとんど青山
◇「袖の下」文化の中国に対応できるか
◇実は社員の半分は「女性」
◇カンパニー独自ルールも
◇バンド2はTOEIC700点以上が必要
◇海外経験が必ずしも出世につながらない
◇5年で1割未満の離職率
◇バンド3が10段階になった
◇住宅面の福利厚生は薄め
◇ボーナスの全社連動比率を上げた
◇食料や繊維は出向・転籍先が「いい会社」
◇「お酒様」は脱ぐのが基本
先輩たちは、「ポンポンポポポン…」と音頭をとりながら、白いふんどし一丁で戻ってくる。「お前らは、心が濁っている。お前らの濁った心を、これで清める」。そして、清酒の回し飲みが始まる。1人ずつ先輩の前で、踊りながら飲む。「ここらになると、ビニールシートが大活躍します」(若手社員)
これが、伊藤忠伝統の儀式「お酒様」である。先輩の結婚式の披露宴では、寮の同僚や後輩たちによる儀式は欠かせない。ふんどし一丁で「お酒様」を披露するのが基本で、ぜんぶ脱いでしまう者もいるという。
「こういうことができると、お客さんの心をつかめる。勉強はデキるけど脱げる、というタイプが多い。半分くらいが関西人で、(脱げと言われて脱ぐのではなく自分から)むしろ脱いでいいですか?のノリがあります」(同)
伊藤忠は、5大商社のなかで一番、体育会系の社風といわれる。業界で知られたたとえ話でも、それは明白だ。
激流が流れる河があり、向こう岸に渡りたい場合に、各社はどうするか。
三菱商事は、橋を建設して渡る(財力)。
三井物産なら、ヘリをチャーターする(スマート)。
住友商事ならば、三菱が渡ったあとを通っていく(堅実)。
伊藤忠商事は……みんなで泳いで渡る(気合)。
◇新入社員「16時間拘束も普通」な1日の流れ
伊藤忠の若手は、夜は遅く、朝は早い。新人だと、暗黙の了解で、出社は朝の7時半が当り前だ。以下は、今回、話を聞いた若手社員の場合の1日である.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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伊藤忠商事の現場組織 |
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伊藤忠商事のキャリアパスと報酬 |
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上:伊藤忠社内報「ITOCHU MONTHLY」表紙。
中:「特別な条件でご案内いたします」(ヤナセ)など広告媒体としての価値が高い。
下:海外拠点を持つ会社にありがちな支社からのレポート。
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