ボクシング亀田興毅・和毅兄弟がフリージャーナリスト個人に2千万円請求訴訟、『東スポ』は訴外に
(写真上)亀田興毅選手。(写真下)司法記者クラブで記者会見する右から、溝呂木雄浩弁護士、亀田側に訴えられたフリージャーナリストの片岡亮氏、井田光俊弁護士。【写真提供=山田厚俊氏】 |
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- 行列の出来る法律相談所
- グローブの使用をめぐるトラブル
- JBC職員が興毅と和毅を提訴
- 北村弁護士は取材拒否
- 巨大メディアは不問に
- 争点は真実相当性の評価
- 亀田家の過去の汚点
- メディアと格闘技
亀田兄弟といえば、ボクシングに関心がないひとでも、テレビのバラエティー番組などが映しだす三兄弟の野性的な顔を思い浮かべ、「あの兄弟のことか?」とつぶやくだろう。卓球の福原愛とおなじように、少年時代から、その天才ぶりが話題を呼び、テレビの視聴率を押し上げてきた。いわば三兄弟はメディアの寵児(ちょうじ)でもある。
行列の出来る法律相談所
9月3日のドラブルを報じた『東京スポーツ』の記事。片岡氏の記事と趣旨はほぼ同じだが、亀田兄弟は、訴訟の対象にはしなかった。 |
その三兄弟のうち長男・亀田興毅選手(以下、興毅)と三男の亀田和毅選手(以下、和毅)が、フリージャーナリストの片岡亮氏に対して、2000万円の金銭支払いなどを求める裁判を起こした。3月18日には、第2回の口頭弁論が開かれ、裁判は本格的に動きはじめた。
大企業によるフリーライターに対する裁判攻撃は過去に起きているが、このケースは、ボクシングの世界王者が、高額訴訟によって言論の抑制を試みたものだ。
興毅と和毅を代理人としてサポートするのは、これもテレビで名を広めた弁護士、「行列のできる法律相談所」のレギュラー・北村晴男氏である。
原告の亀田家の長男・興毅は、1986年大阪市で生まれた。幼いころから父・史郎氏の指導でボクシングを始め、2006年にWBA世界ライトフライ級王者を獲得した。その後、フライ級とバンタム級も制覇した。
一方、もうひとりの原告・和毅は、亀田家の三男で1991年にやはり大阪市で生まれた。2人の兄と同様に父・史郎氏からボクシングを教わった後、メキシコに渡り「修行」を積んだのち、2013年にWBO世界バンタム級王者を獲得した。
新聞の発行部数世界ランキング08年。『東京スポーツ』は14位。(出典=宝島新書『「押し紙」という新聞のタブー』) |
3兄弟が所属する亀田ジムは、JBC(日本ボクシングコミッション)による制裁措置で、現在、国内試合ができなくなっている。次男・大毅が昨年の12月に統一王者を決める試合に負けたにもかかわらず、強引に王座に居座ったことに対して、JBCが亀田ジムの関係者のライセンスを更新しなかったのが原因だ。亀田ジムは提訴も視野に入れているようだ。
いわば亀田一家は現在、係争に次ぐ係争に、巻き込まれ、また引き起こした側でもある。
グローブの使用をめぐるトラブル
片岡亮氏を被告とする裁判の引き金となった事件が起きたのは、昨年(2013年)9月3日のことだった。この日、次男の亀田大毅選手(以下、大毅)は、高松市でIBF世界スーパーフライ級の王座決定戦を控えていた。大毅は同級の3位。フライ級に続く2回級制覇を目指していた。
対戦相手は、メキシコの強豪ロドリゴ・ゲレロだった。
トラブルの原因は、両選手が使用するボクシングのグローブだった。
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「言論・メディア関係高額判決リスト」(03年~07年)。(出典=『ジャーナリストが危ない』)
亀田ジムの活動停止危機を伝える『東京スポーツ』(2014年2月9日付け)の記事。
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記事の引用部分で誤りがありました。慎んでお詫びいたします(2016年5月29日、本文訂正済み) (訂正前)
『東京スポーツ』(9月5日付け)の報道によると、王者決定戦が行われる3日の午前11時に、両選手は記者会見を行った。この場でゲレロは、カナダ製のグローブを使うことを主張した。しかし、事前の調印式で、日本製のものを使うことを確認していたために、IBFとJBCは、これを認めなかった。
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(訂正後)
『東京スポーツ』(9月5日付け)の報道によると、王者決定戦が行われる3日の前日に、ゲレロはカナダ製のグローブを使うことを主張した。しかし、調印式で、日本製のものを使うことを確認していたために、IBFとJBCは、これを認めなかった。
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