「今の濃縮還元ばかりのジュース売り場は、30年前の欧州と同じ」イノセント・オペレーションヘッドに聞く日本市場の未来
イノセントのサプライチェーンは、世界中の契約農園の果物が、現地で最小限に加工された状態で、陸路・海路(船便)でオランダ・ロッテルダムの拠点にいったん集約。ブレンディング&ボトリングされ、欧州各国の小売り現場に陸路・海路で輸送されるのがメインの流れだ。日本向けには、ロッテルダムから、さらに長い船旅を経て原料が届き、製造委託先のニッセー(静岡県)がボトリングし、全国の卸・小売りへと流通する。その全工程が10度以下と高コストなチルドチェーン。インドの契約農園で栽培されるマンゴーは、日本直送の場合と比べ、約3倍もの航路を旅するわけで、このままでは末端価格も高止まりそうだ。アジアのオペレーションリーダー・リチャードさんに、原材料調達、「味」の日欧差、日本市場の見通し等を聞いた。(02/08 2021)
『イノセント』セールスヘッドに聞く日本市場参入 「プレミアム価格で買って貰うためのブランディング予算が全然足りていない」
日本市場への新規参入で、予想以上のつまずきを見せた欧州チルドジュースの王者「イノセント」。外資が入り込むうえで、日本の流通・小売り現場では、どこにハードルがあり、消費者はどう反応したのか。新型コロナ禍によってオフィス訪問停止中とのことで、ZOOMで話を聞くことができた。セールスヘッドの中嶋さんは、「『プレミアム果汁飲料』カテゴリのマーケットが予想以上に小さかったこと」や、「教育啓蒙やブランド育成にかける予算が予想以上に使えなかったこと」が、想定外だった、と語る。(02/06 2021)
欧州から参入のナチュラルジュース『イノセント』、販売目標の3分の1に留まり出直し――チルド市場は成長続く
コカ・コーラ傘下で「チルド」市場※のフルーツスムージーブランド「イノセント」が、2019年7月に参入した日本市場で苦戦し、当初目標だった初年度250万本に対して3分の1程度の販売にとどまっていたことが分かった。累計では2020年末までに約400万本に終わり、設立から日本法人社長を務めた内野正仁氏は2020年12月14日付で退職。トップが実質空席のまま、戦略の立て直しを進めている。日本の、非「濃縮還元」冷蔵ジュース市場※は米欧に比べ圧倒的に未成熟で、ポテンシャルは高い。消費者の健康志向を背景に成長が続く見通し。(02/05 2021)
「それが、ミシュランです」――仏料理オーナーシェフに聞く、星が付く流れと経営へのインパクト
星をつける、増やす、落とす。だが、評価の内訳や根拠はいっさい開示しない『ミシュランガイド』。毎年、食べた上で評価している証拠もない。そして、プロの料理人の間で一致する、「なぜあの店が載らないのか?」「なぜあの店が載るの?」…。それが、ミシュランです――都内でフランス料理店を営むオーナーシェフは、自身の店が星を獲得した実体験や、料理人仲間からの情報をもとに解説する。その影響力から、海外では自殺や訴訟も引き起こし、企業の人事評価ならとても褒められたものではないが、100年の歴史を誇り、世界の料理界で権威として君臨。星がつくと予約が取れなくなる店も多い。匿名を条件に、話しにくいことも含め、率直にその実態を語ってもらった。(01/18 2021)
楽天市場“ECコンサルタント”広告販売ノルマの葛藤 「楽天だけじゃダメ、と正直に伝えます」
「買いたくないお客さんにも、必要のない広告を、お願いして買って貰わなきゃいけない。ジレンマがありました」――。楽天市場のECコンサルは、大きく2つのノルマを課されている。1つは、自分が担当するお店に、楽天市場内の広告枠を買ってもらう額。もう1つは、担当するお店の売上額。ようするにノルマの半分を自社広告販売で占め、お店の売上増に全集中できない仕組みだ。広告効果は問われず、お店と利害相反も起きるが、担当者個人に毎月支払われるインセンティブボーナスや出世スピードに影響が大きい裏事情もある。数年前まで在籍していた楽天の元社員に、プロに徹しきれない立場に置かれる現場社員の苦悩と葛藤について、じっくり聞いた。(12/02 2020)
振り込め詐欺容疑で社員逮捕も他人事のオープンハウス、根拠示さず「業務上でない」「個人情報」とシラを切る絶望的コンプライアンス
東証一部上場の大手不動産会社「オープンハウス」(東京都、荒井正昭社長)の営業社員が振り込め詐欺をはたらいたとして警察に現行犯逮捕される--にわかに信じがたい出来事だが、巷間ほとんど話題になっていない。オープンハウス自身は沈黙を続け、警察発表を報道した記者クラブメディア各社も社名を伏せた。もとより、逮捕された社員の氏名を報じたのは毎日新聞だけで、産経、NHK、TBS、日テレは名前そのものを報じず、毎日の記事がなければ秘密裏に処理された可能性が高い。この社員が所属する上大岡営業センター責任者は、筆者の問合せに逮捕を認めたが、本社は「事件は業務と関係ない」「個人情報」などと言い訳を並べ、ごまかし続けた。子どもの受けを狙ったコミカルなテレビCMで好印象を振りまく有名企業は現在、現職社員による犯罪を全力で隠蔽中で、顧客名簿など業務で得た個人情報が犯罪に流用された可能性は否定できない。(07/25 2020)
やっぱり危ない鎮痛薬「アセトアミノフェン」――妊娠中使用で発達障害リスク増加 「危険性認め、過剰摂取防止を」戸田克広医師
鎮痛剤「ノーシン」や風邪薬「パブロン」などの主成分である「アセトアミノフェン」。病院では「カロナール」という名で、妊娠中も服用できる唯一の解熱鎮痛剤として広く処方されている。だが近年、有害性を示す研究が続々と発表され、2019年10月の最新研究では、臍帯血中のアセトアミノフェン濃度が高い赤ちゃんは、低い赤ちゃんと比べ、発達障害になるリスクが約3倍に増加。有害可能性は高いが代替の安全薬がない困った状況だ。アセトアミノフェンの有害性を指摘してきた戸田克広医師は取材に対し、「公的団体や学会が危険性を認めないため、過剰摂取もあるのが現状。代替薬がないので禁止はできないが、危険性を認め、患者に説明して必要最小限の使用にすべき」と提言。妊娠前・妊娠中の注意点についても聞いたので、自己防衛のため、ぜひ読んでいただきたい。※注意:妊娠中に飲んだからといって必ず副作用が出るわけではありません。(アセトアミノフェン主剤の一般用鎮痛解熱剤、市販風邪薬一覧は画像参照)(11/20 2019)