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ポスト戦後のキャリア論-6 動機を顕在化するには③

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「深夜特急2 マレー半島・シンガポール
 ときどき、「やりたいことが見つからない」と適当にフリーターをしながら趣味に生きている人がいる。私の経験上、もがき苦しんだなかでしか、動機は見えてこない。従って、仕事以外で自分探しをしても、よほどのことでもしない限り、見つからないだろう。
Digest
  • 分からなければハードな職場を選ぶ
  • 高校紹介記事の編集職(22才~)
  • 表現動機を再確認
  • ディスプレイ会社でウェブを手掛ける(29才~)
  • サイバー時代(31才~)
  • 子会社へ(35才~)

分からなければハードな職場を選ぶ

中田英寿氏のように、テレビカメラを連れてセレブな世界旅行をするよりは、世界一周無銭ヒッチハイクでもして、アフガンでイスラム過激派に捕まったり、ヨハネスブルクで強盗に遭ったりと、九死に一生を得た体験でもすれば、人生観が刺激され、本当にやりたいことが見えてくるかもしれない。

旅先で重病を患ったことが医者を志すきっかけにもなるかもしれない。本当の動機は、悩んだ末に心の中のブラックボックスからひらめき出てくるものだ。

勤め始める決意をして、はじめて決断できることもある。作家の落合信彦氏は、米国の大学を卒業後、ゼロックスに幹部候補生として採用されたものの、出社1日目、午後の新人研修で見切りをつけて、そのまま戻らずに退職した、と著書で述べている。

 私が一番気に入っているのは、沢木耕太郎氏のエピソードだ。普通に横浜国大経済学部を卒業後、「丸の内に本社を置く企業」(現・みずほ銀行といわれている)に出社する日の朝、会社に向かう通勤途中でたまたま雨が降っていたので、会社にたどり着く前に辞めてしまった。

なぜたった1日で会社を辞めてしまったのか。理由を訊ねられると、雨のせいだ、といつも答えていた。

私は雨の感触が好きだった。雨に濡れて歩くのが好きだったのだ。雨の冷たさはいつでも気持ちよかったし、濡れて困るような洋服は着たことがなかった。ところが、その入社の日は、ちょうど梅雨どきであり、数日前から長雨が降り続いていた。そして私の格好といえば、着たこともないグレーのスーツに黒い靴を履き、しかも傘を手にしているのだ。

 よほどの大雨でもないかぎり傘など持ったこともないというのに、今日は洋服が濡れないようにと傘をさしている。丸の内のオフィス街に向かって、東京駅から中央郵便局に向かう信号を、傘をさし黙々と歩むサラリーマンの流れに身を任せて渡っているうちに、やはり会社に入るのはやめようと思ったのだ。この話に嘘はない。
  ――「深夜特急2 マレー半島・シンガポール」(新潮社)

初日に辞めるなら最初から就活するなよ、と思う人もいるかもしれないが、こうした突き抜けた人たちでさえ、サラリーマンを1日やっている。勤めに行くことではじめて仕事について真剣に考え、自分の内なる動機に向かい合い、会社に行く道の途中で、そして新人研修の場を通して、「違う、これは自分の人生ではない」という決断ができる。自分探しなどしないで、まずは1日でもいいから企業勤めをするべきである。

その際は、動機が分からない人ほど、出来る限りハードな職場を選ぶのがよい。たとえば、(餃子の)王将フードサービスに入って、鬼教官の前で8秒以内に社訓を大声で読む研修を受けてみる

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[高校紹介記事担当時]2つめの部署で幸運にも、「表現」「教育」という当初志した業務に就く。能力としても向いており激務もこなせた。ところが全社的なコストカットで仕事自体がリストラされ、結局、離職へ。

[ディスプレイ会社離職時]表現動機を再確認。ウェブのスキルを追加し、紙もさらにスキルアップ。部署ごとリストラになったため、移籍へ。

[サイバー子会社時点]人事のスキルが加わり、カウンセラーの資格も取得、能力は拡大。「教育・表現」動機が、実は人事部の仕事内容にも合致することが分かり、人事の能力を開発中。

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