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共同通信社 人事部長が「就活セクハラ」に堕ちた、腑抜けな新聞業界“最期の楽園”

情報提供
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Ba:普通の企業
(仕事3.0、生活2.0、対価4.4)
 人事部長が自ら、説明会にやってきた女子学生に関係を迫るという漫画のような事件が、本当に起きた。2012年12月28日、共同通信社の今藤悟人事部長(当時51歳)が就職説明会にやってきた女子学生に対し、「作文を添削してあげる」と呼び出し、本社向いにある同社御用達のホテル『ヴィラフォンテーヌ汐留』の一室に連れ込み、関係を迫ったという「就活セクハラ」事件。この女子学生は即座に抗議したが、共同は何と、この隠し通せるはずのない犯行を隠ぺい。5か月もたって『週刊文春』(2013年5月23日号)のスクープで発覚したが、当初の取材に対し「単なる噂でいちいち調査します?」(三土正司・総務局総務)などとシラを切っていたことから、加害者個人の資質に留まらぬ組織ぐるみの犯行とみられ、報道機関として絶望的だ。
Digest
  • 『あんな会社入ったの?』って言われちゃう
  • 運動部出身が社長になる珍しい会社
  • 「運動記者」を職種別採用
  • 取材協力者に掲載紙を渡せない
  • 東京へは転勤しやすい
  • 海外志向の記者によい環境
  • イチローのために作ったシアトル支局
  • 「辞め毎」「辞め時事」が“最後の楽園”目指す
  • 年功序列で給料は日経・読売レベル
  • 取材経費がユルい
  • 内線スマホ問題が勃発
  • 支社で月3の泊り勤務
  • 20代はずっと地方

『あんな会社入ったの?』って言われちゃう

結局、社内の労組による突き上げに加え、お客さんである記事配信先(加盟社)からの圧力も強く、当初は休職扱いで無処分だった人事部長は、やっと懲戒解雇処分に。8年の長期政権だった任命権者である石川聡社長も、この事件の責任をとる形で辞任に追い込まれたが、まだ「相談役」でしぶとく残っている。

共同はスキャンダル発覚を恐れたためか、はたまた「お詫び」のつもりなのか、さらには通報された大学側への体面を保つためなのか、被害者にしっかり内定を出したものの、女子学生は、その内定を引っ提げて就活を続行。

「(マスコミのなかで日程が一番遅い)NHKからも内定を得て、結局、今年(2014年4月)、うちを蹴ってNHKに入局したそうです。政治部向きですよね…」(若手記者)というから、たくましい。

政治部向きというのは、要するに、セクハラに負けず直接、抗議できるだけの精神的なタフさ(被害から11日後には人事部長に会って説明を求めた)や行動力、さらには、普通なら人事部長からセクハラを受けたら、その場で会社と縁を切って泣き寝入りする女性も多いだろうが、選考過程を耐え、結果的に「弱み」をカードに変えて内定をゲットした冷静な政治力のことだ。こうした、ピンチをチャンスに変える力は、仕事がデキる証でもあり、この事件がなくても内定をとれた可能性は高い。

社内では、この事件や背景について、どう受け止められているのか。「ほかの内定した女子学生なんかも、うちに入社したあと『あんな会社入ったの?』ってみんなから言われちゃうわけだし、もちろん大打撃です。実は、このセクハラ人事部長が事件を起こして更迭される前に、石川社長の寵愛を受けて就任していた労務部長も、問題を起こして社内から突き上げをくらい、更迭されているんです」(中堅記者)

労務部とは、労働組合との「団体交渉」の折衝窓口ともなり、社員全体の労働条件決定に関わる、人事と並んで要となる部署だ。いったい、何があったのか。

「不当労働行為だとして、

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「共同通信」と書いても一般人にはウケないためか、中吊りでは、あえて「大手マスコミ」と表記した『週刊文春』(2013年5月23日号)

共同通信社のキャリアパスと報酬水準

若手記者(20代支局員)の給与明細。裁量労働手当の比率が大きい。

評価詳細と根拠

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