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出版素人ビジネスで儲ける「新風舎」の被害者にならないために
新風舎に資料請求して届いたパンフレット類。出版経験のない素人なら「立派な出版社だ」と信用するだろう。だが、綺麗なデザインのカラー印刷などでは出版社の格を確かめることはできない。

 自費出版ブームをつくった新風舎は、出版点数1位とも言われ、愛子さま愛読の絵本がベストセラーにもなった出版社だ。だが、出版経費250万円の明細に疑問を持ち解約交渉したオリーブさんや、「本当に800部印刷したのか」と不信に思う神山良雄さんなど、新風舎商法には批判が多い。筆者自身12冊の本を出版してきたが、出せば出すほど本を売るのは難しいと感じている。出版経験のない素人を対象にした新風舎ビジネスへの対処方法を伝える。

【Digest】
◇初版3千部、最も売れなかった『迷いの体』
◇江川紹子、辺見庸を再刊している出版社
◇写真家・藤原新也氏を怒らせた新風舎商法
◇絵本コンテスト落選後、出版をすすめる選評届く
◇40ページの絵本800部の出版に250万円
◇企画、編集だけでなく、販売、広報もしてくれる
◇「詐欺だから気をつけて」とネット住人から忠告
◇出版社費用内訳を求めて出てきた明細
◇新風舎は愛子さまご愛読の本も出版
◇「本当に800部印刷したのだろうか」と不信感
◇出版経験のない素人を対象にしたビジネス
◇私は新風舎から文庫を出さない
◇新風舎だけでなく、自費出版に騙されない方法
◇無名の著者が書籍を商業出版したいとき
◇自画自賛の、新風舎・松崎義行社長



 新風舎という出版社(本社:東京、代表取締役:松崎義行)がある。いまこの出版社から著作を発表した著者たちからネットを中心に批判が続出している。

 松崎社長の著書『詩人少年、社長になる』(日経BP)によれば、「2005年、出版点数が講談社や学研などといった大手出版社を抜いて、新風舎は、堂々の第一位」という日本一の出版点数を誇る会社に成長している。

 また、同社から刊行された絵本『うしろにいるのだあれ』(ふくだとしお著)は、マスコミで愛子さまのお気に入りの本として紹介され、ベストセラーになった。

 実は私は、この問題になっている新風舎が、後述するようなひどい評判が立っている会社だとは知らなかった。この会社から「書籍を刊行したい」と思ったことがあるくらい、好意的な感情を持っていた。

◇初版3000部 最も売れなかった本『迷いの体』
 フリーランスのもの書きになって15年ほど経ち、書籍は単著と共著をあわせて12冊出してきた。しかし、出せば出すほど書籍という商品は売れないことを実感した。

 新聞などで好意的に紹介されても本は売れない。増刷がかからない。講演会で書籍販売をしてもお客さんは買ってくれない(涙)。

 私が発表した書籍のなかでも最もマスメディアに紹介されながらも、最も売れなかった本がある。『迷いの体 ボディイメージの揺らぎと生きる』(三輪書店)だ。

 2001年2月に発表してからマスメディアは次々に紹介してくれた。そのメディア露出の一覧を自分のホームページにアップした。

 「読売新聞」「朝日新聞」など全国紙3、共同通信配信で地方新聞17、「サンデー毎日」「週刊SPA!」「週刊現代」など雑誌17、ネットサイト2、業界紙3。無名のライターの著作としては破格の露出だと思う。

 『迷いの体』の初版は3000部。定価1500円。これだけメディアに紹介されたのだから、発売から3カ月で完売増刷を見込んだ。印税契約も強気だった。出版契約書の第4条にはこうある。

 著作権使用料は10000万部までは定価の10%。10001部から20000部までを11%。20001部から30000部までを12%、30001部以上を13%とする。
 
 売れれば売れるほど印税がアップする契約だ(笑)。

 三輪書店社長は、「この本は売れるよ!」と励ましてくれた。その激励に乗っかる形で上記のような契約をさせてもらった。いまになってみると社長の好意がたまらなく嬉しい。

 社長の恩義に応えるためにも、営業担当と都内の主要書店を周り、大量の注文をとるために力を尽くした。

 メディア露出は完璧だった。書店営業の手答えも十分だった。しかし、売れなかった。増刷には至らなかった。いまも初版のうちの数百部の在庫が出版社の倉庫に眠っている。

◇江川紹子、辺見庸を再刊している出版社
 初版3000部を売り切るのはなんて大変なのだろう!

 私はこのとき出版ビジネスの現実をかいま見たと思う。私は往生際が悪い。単行本を出したあとに、起死回生のチャンスがあるとしたら文庫化である。2004年頃から何人かの編集者に『迷いの体』の文庫化の相談を持ちかけた。反応は鈍かった。

 単行本が増刷されていないのだから、文庫にしても売れない。それが出版のプロの判断だ。私も納得し『迷いの体』の文庫化は諦めかけた。

 そんなときに、書店でジャーナリスト江川紹子のデビュー作『冤罪の構図』(社会思想社)が新風舎文庫 として再刊されていたのを見た。新風舎という出版社の名前をこのとき初めて知ったと思う。

 調べてみると、敬愛する作家辺見庸氏のデビュー作『自動起床装置』も発行されているではないか。なかなかの出版社じゃないか。商業的には売れそうもないが大切な本を文庫にしていく姿勢に感心した。

 よし時間のあるときに新風舎に『迷いの体』文庫化のための営業に行こう! そう思っていたのである。
 
◇写真家・藤原新也氏を怒らせた新風舎商法
 私の単行本デビュー作には『顔面漂流記』(かもがわ出版)というタイトルをつけた。これは写真家の藤原新也さんの作品『東京漂流』にあやかったものである。私は藤原氏の著作のほとんどには眼を通してきたファンである。

 その藤原氏が、昨年秋、自身のブログ『Talk and Diary 』に、新風舎に関する情報をアップした。ここから新風舎商法への疑問がネットを中心に火がついた。

 藤原新也氏さんはこう書いている。
 2006/11/23(Thu)
「新風舎」なるどうもちょっと気になる出版社
また無名の著者から写真集が送られて来た。
これで10冊くらいになっただろう。
薄手の冊子のような簡易写真集だ。
いずれも出版元は「新風舎」とある。
 若い写真家の卵達が、新風舎から写真集を出し、これを藤原氏あてに献本をしてくる。それがつづいたために疑問を持った藤原氏が新風舎とはどういう会社なのか、と自身のブログで書き始めたのである。

 藤原氏の元に、新風舎に不満をもつ人達からのメールが届く。そしてそれらのなかの一部がブログで公開されていった。それを見たブロガーたちが、次々とリンクをはっていき、新風舎商法の実態が少しずつ明らかになってきた。

(上)新風舎ホームページより。

(下)朝日新聞で松崎社長が紹介された記事より。「人が命がけで1枚の写真を撮ったり、ひとつの言葉をつかまえてきたり、一生をかけていろんなリスクを乗り越えて作った本を馬鹿にするなよ」と無名の著者を応援しているが、それは新風舎商法の一面しか語っていない。
 新風舎問題をひと言でいえば、「著者から不当に高額な制作費を受け取って書籍をつくっている詐欺商法の疑いがある」ということである。

 グーグルで「新風舎」と「詐欺」で検索すると、約 23,700 ものヒットになってしまう。

 出版社によっては「詐欺商法」についての書籍を刊行しているため、出版社名と詐欺を検索すればそれなりに多数のアクセス数は出てくる。しかし、新風舎についていえば、「新風舎が詐欺商法をしている」という主旨の記事がグーグル検索のアクセス数のトップグループに出てくるのである。

 これは出版界にとって、そして著作を出したいと願う人にとってもゆゆしき問題だろう。

 その無数の新風舎批判の情報のなかに、新風舎との出版契約に疑問をもち、解約のために交渉を続けているオリーブさん(ペンネーム)がいた。

■オリーブさんのブログ:絵本 『ブタとガンマラー』 2万部出版への道! 

◇絵本コンテスト落選後、出版をすすめる選評届く
 2005年11月頃、オリーブさんは娘の書いた絵本『ブタとガンマラー』を自費出版しようと思いたった。調べたところ印刷所に頼めば30万円くらいで自費出版ができるという。それでは1冊あたりのコストが高くつく。もっと一冊あたりの印刷が安く済ませる方法はないか、とネットを検索したとき、新風舎のホームページを見つけた。

 「絵本のコンテストがあったのでこれに応募したらいんじゃないか、と思ったんです」

 コンテストで入賞すれば、出版経費は必要なくなる。オリーブさんはこれに応募した。〆切は2006年3月。しばらく待っていると、6月中旬に手紙で選考結果が届いた。

 「落選したけれども新風舎から出版をしないかと、勧められたんです」

 オリーブさんが受け取った選評の文面である。
ストーリーの発端は、小学生のブタいじめ。ふと自分を顧みて、子供という生きものが時おり無邪気に残酷な行為をやってのけることを思い出しました。

人間は傲慢にも、他の動物をどこかしらさげすんでいるところがあります。

しかし命の重さはまったく変わらないのだと、本作は分かりやすく教えてくれています。
特に新たな命を目の当たりにした時、小学生たちはとても大切な何かを得たことでしょう。
タイトルを始め、ところどころに盛り込まれた沖縄の方言が、日常的な空気をかもしだして効果的ですね。

イラストも非常に上手で、安定した力量を伺わせます。

ガンマラー=いたずらものの小学生たちやブタも全て表情豊かで、教訓話でありながら読み進めるのが楽しくなる作りになっています。
 オリーブさんは夫に出版企画について相談した。夫は新風舎の業績を調べ、「右肩上がりに成長している会社だ」と言われ、新風舎からの出版について前向きに考えるようになる。

◇40ページの絵本800部の出版に250万円
 当時、西日本の地方都市に暮らしていたオリーブさんは、バスで新風舎大阪本社に向かった。打合せで提案された企画書がこれである。

 第26回 新風舎出版賞応募作品 『ブタとガンマラー』出版企画書(トップ画像参照)

 普通の企画書と違う点がある。表紙の下には「見積もり有効期限 2006年6月30日」とあるのだ。

 内容を順に追っていこう。

 「誰かの大切な一冊となるために、新風舎の絵本はあります。

 絵本に精通した編集者を選任し、『ブタとガンマラー』の魅力を最大限に引き出す編集を行ないます。編集者との打合せを重ねていく中で、オリーブ(原文は実名)様の意向を反映させながら書籍の方向性を固めていき、何度も繰り返し読まれる、長く大切に愛される本をつくります。

 そして、「上製本」「表紙カラー印刷」「見返し(高級紙仕様)」という書籍の体裁についての説明文がつづく。かなりつくりこまれた企画書のように読める。

 新風舎は、企画書の中で「販売・広報」として次の条件をオリーブさんに提示した。

・書店営業をする
・イタリアのボローニャ国際児童図書展への出展
・全国の書店への書籍注文書も兼ねたオリジナルのカラーチラシの提供
・全国に4店舗ある新風舎直営書店での販売。
・国立国会図書館への献本。
・全国紙に新刊広告を掲載。
・20万部発行の「新風舎図書総目録」に掲載。
・全国800書店へのファックス営業
・月間2000万件ヒットの新風舎ホームページでの書籍紹介と販売。

 かなり営業努力をする姿勢が感じられる。

 「長期的サポート」の項目ではこう書かれている。

・マスコミからの問い合わせや取材依頼に対応。
・新風舎の財産として著書の在庫管理。

 オリーブさんが選択した出版の条件はつぎのようなものだった。

■出版企画B
「著者ご負担費用の合計金額」
¥239万円(税別)
¥250万9500(税込み)

版型:B5版
製本:ハードカバー(上製)
表紙まわり:カバー・表紙・帯ともにフルカラー
本文:フルカラー
ページ数:40ページ以内
発行部数:800部(内80部を著者にお渡しします)
特別仕様:編集再構成 テスト校正
広告:クリエイターズワールド(120000円)
納品予定日:完成原稿受領し、編集開始から8カ月後。
印税:増刷時より、小社規定の印税をお支払いします。
増刷部数×定価×7% 増刷時よりお支払い。

(注)クリエイターズワールドとは新風舎が著者のために提供しているホームページ。

 著名な作家が多数登場しており、新風舎から出版された無名著者による書籍を宣伝する仕組みになっている。この利用料も著者が負担する仕組みだ。

 この企画書には「お支払い方法」として、「一括払い」と「3分割払い」が用意されていた。

 オリーブさんは、「3分割」を選び、7月3日に出版契約書を交わす。そして合計金額の「20%」にあたる、50万1900円を7月14日に支払った。

 同時期、オリーブさんは『ブタとガンマラー』が売れる本になるようにと願い、ブログを2006年7月11日(火)に開設するのである。

 このブログが新風舎の内部を社会に知らせる窓になるとは、当時のオリーブさんも考えていなかった。

◇企画、編集だけでなく、販売、広報もしてくれる
 7月17日のブログでオリーブさんはこう書いている。
6月23日、早朝より高速バスに乗って『新風舎/大阪』に向かいました

☆『新風舎』のオフィスってどんな感じなのかな?
☆出版費用はいくら掛かるのかな?
☆原画の書き直しは必要なのかな?

期待と不安の中、家を出てから約4時間ようやく大阪桜橋口に着きました
送ってくれた地図を頼りにオフィスを探しながら

「古ぼけた小さいビルならどうしよう・・・」と心配していましたが
比較的、大きなビルで、おまけにとてもお洒落だったので安心しました

そして小さいオフィスでしたが隣は直営の本屋さんがあって『新風舎』の全作品揃っていました

(中略)

気になる出版費用は当初考えていたより高い物でしたが 企画、編集だけでなく、販売、広報もしてくれると言うことなので 仕方ないのかなと思いました

★新風舎から出版されている本
 ○作家 小松左京 『地には平和を』
 ○詩人 谷川俊太郎 『愛のパンセ』他
 ○タレント ビートたけし 『無差別級トークバトルに本の差法』
 ○ジャーナリスト 江川紹子 『冤罪の構図』他 
 ○写真家 加納典明 『どうだ』
 ○写真家 荒木経惟 『東京慕情』

 などなど 有名人が出版しているので安心です
◇「詐欺だから気をつけて」とネット住人から忠告
 ブログで出版実現についての夢を書き綴っていくうちに異変があった。

 コメント欄にさまざまなリンクがついたのである。

 はじめは、コメント欄についてリンクを気にしていなかった。そのリンク先は「2ちゃんねる」だった。新風舎商法は詐欺だ、騙されるな、という主旨の記事がある。

 リンク先の文章を読んでいるうちに、「詐欺」という言葉が引っかかる。筋の通った話もある。

 「ブログで絵本の出版を盛り上げようとしたんです。しかし・・・不安になってきたので、新風舎にメールで問い合わせをしました。すると、出版プロデューサーのMという人から電話で説明したいといってきました」

 オリーブさんは契約金額の250万円は、出版にかかる経費の総額の半分だと担当者から口頭で説明を受けていた。しかし、その250万円の内訳について説明を求めてもきちんとした回答がない。

 そして大阪支社長の高橋正氏から次のようなメールが届いた。
このたびオリーブ様のご出版に関しまして、M(出版プロデューサー)より報告を受けまして、メールにてご連絡させていただきます。

今回の出版経費についてMが「費用は折半との説明をした」とのご指摘ですが、誤解を招くような説明であったことをお詫びいたします。申し訳ございませんでした。

また、M宛に契約継続のお気持ちがないとのご返信をいただきましたが、小社としましては当初、オリーブ様が本作品の出版を決意されたお気持ちを大切にし、今回の出版をサポートさせていただきたい気持ちに今も変わりはございません。

あらためて、この度の件に関しまして、小職とお電話か、お会いしてお話をさせていただければ幸いです。
 「このメールを読んで、えええ! ドカーンです。爆発。そんなわけないです。もう絶対に解約しようと決めました」

 オリーブさんが50万1900円を振り込んだのは7月14日。

 ブログ開設は7月11日。

 大阪支社長から上記のメールが来たのは10月6日。

 オリーブさんのブログは、このときから新風舎商法に疑問をもつ人達が多数アクセスするようになっていく。

 オリーブさんが新風舎商法に疑問を持ったのは、「出版経費の半額を著者が負担する」と説明を受けたのに、事実はそうではなかったという点にある。しかし、いま出版企画書を読み返すと、「半額」という文言はひとこともない。

 オリーブさんはここにも疑問を感じている。

◇出版社費用内訳を求めて出てきた明細
(上)オリーブさんの第26回 新風舎出版賞応募作品 『ブタとガンマラー』出版企画書。営業努力目標は素晴らしいが、それに見合った成果が出ることはほとんどない。

(下)この明細で「半永久的に絶版にしない」という新風舎商法が成立している。出版業界の人が、この数字を多角的に分析して、素人に分かりやすく説明するべきだ。出版業界の信頼回復のために。

 

 その後9月1日にオリーブさんに届いた、新風舎の出版プロデューサーMからのメールでは「今後、絶版しませんので半永久的な流通費用や広報関係、在庫管理費用は新風舎の全負担となります。オリーブ様の負担は初期の制作費の一部になります」とあり、メールでも「半額負担」という文言はない。

 不信感が募るばかりだ。オリーブさんは、この契約の内訳について説明を求めた。

 11月6日、ようやく出て来た「出版費用内訳」には次のような数字が書かれていた。

(1)企画費 47万8000円
(2)管理費 11万9000円
(3)印刷・製本費 102万3000円
(4)編集・校正・デザイン費 65万円
(5)クリエイターズワールド 12万円

 これに消費税(11万9500円)がついて合計250万9500円である。

 オリーブさんは11月11日のブログのなかで、このときのやりとりで新風舎が主張した内容をこう書いている。
☆著者が本の製作費用を全額負担する
☆新風舎は営業、流通、保管費用を負担する
絶版しないので保管費用が半永久に掛かるため著者以上に負担することになる
 しかし、オリーブさんは契約時にこのような説明を受けていないのである。

 この内訳にある「企画費」は何に当たるのか?と新風舎に説明を求めると、初めにオリーブさんに提示した『ブタとガンマラー』出版企画書がそれに当たるという。

 この出版企画書は、著者名、書名を変更すればすぐに作成が可能である。この書類作成費が47万8000円にあたる。法人同士の契約ならば一概にとりたてて高額な企画費とはいえない。だが、これは出版の素人の個人向けの価格としては高額ではないだろうか。

 オリーブさんは出版契約を解約。すでに振り込んだ50万円1900円の返金を求めてきた。

 「もし、解約できなかったとしても、この自分の体験をマスメディアを通じて伝え、二度と同じような被害者がでないようにしたい」

 取材に応じたときのオリーブさんは、一歩も引かないという決意をそう語っていた。消費者センターの力をかりた交渉の様子を、ブログで逐一報告。その甲斐あって2月1日、消費者センターを通じて返金を承諾するという返事を受け取った。
今回の契約は初版の製作費は著者負担、新風舎側はサポートをするが絶版しないため費用は半永久的に掛かるので『半々、折半』という言葉を使ってしまった。誤解を招き期待を持たせてしまった。そのことは前回もお詫びしている。

出版は自己表現の場であり、その良い機会を提案したがオリーブさんの方で、信頼をおけないということであり話を進めるわけにはいかなくなった。
オリーブさんの意向を汲み解約を受け入れた。

★解約料については、その作業量に合わせて見ると今回は原画も未だ渡していない(受け取っていない)段階なので支払った金額を全額返金する。
 オリーブさんは引き続きブログで、新風舎についての情報募集を呼びかけている。

◇新風舎は愛子さまご愛読の本も出版
「バルーン星人へリボン」キャラクター。創優セレモニーホームページより。「新風舎によってビジネスチャンスを失うかもしれない」と神山さんは悔しがっている。
 有限会社創優セレモニー社長の神山良雄さんも新風舎商法に疑問を持つひとりだ。

 神山さんは「バルーン星人ヘリボン」というキャラターを独自に開発。これをイベント、アニメ、書籍などメディアミックスの手法で売り出していこうと考えていた。

「バルーン星人ヘリボン」

 そのとき聖教新聞で眼にしたのが新風舎の広告だった。

 普通に出版社に企画を出して採用されるのを待っていたら時間がかかりすぎる、と判断した神山さんは新風舎の提案する「共同出版」サービスを利用することにした。

 「バルーン星人ヘリボン」というキャラクターが人目に触れることが目的でした。認知度を上げて、プロモーションをしかけようと思いました」

 神山氏はビジネスの一貫として「バルーン星人ヘリボン」を製作したのである。

 全国の書店に営業する、半永久的に絶版はしない、というオリーブさんと同じ説明を受けた神山氏はこれに納得して、2005年9月27日に新風舎と契約を交わした。

初版:800部(そのうち著者が100部受け取る)
本体価格:1500円
代金総額:195万3000円
版型:B5 本文ページ数 24ページ

 神山氏の念頭にあったのは、愛子様が愛読している絵本「うしろにいるきだあれ」だった。これは新風舎から刊行され、ベストセラーになっている。

 「『うしろに・・・』は3歳から5歳くらいの女の子向けの絵本です。私の『バルーン星人ヘリボン』と、読者層がぴったりだと思い、新風舎に決めたのです」

 『バルーン星人ヘリボン』は2006年5月15日、刊行された。その後、神山さんはローカルラジオ局FM多摩に出演することになった。番組内でヘリボンのテーマソングが放送されるのだ。

 このタイミングで書店の店頭に『バルーン星人ヘリボン』が置かれていれば売れる、と判断した神山さんは新風舎の営業に協力を依頼した。とくに桜ヶ丘を中心に配本してほしい、と。

 営業担当は「動きます」と言った。しかし放送期間中に書店をのぞいた神山氏は、書店に自分の著作が並んでいないことを確認する。

◇「本当に800部印刷したのだろうか」と不信感
 神山氏は新風舎が本当に営業努力をしたのか、と疑問を抱くとともに、「本当に800部印刷したのだろうか」と不信感を持つようになった。新風舎に対して弁護士を通じて質問状を送った。.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



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確かに高い  09:32 01/20 2009
仕事の割りに高いのは事実。 しかしこの出版不況で自分のちゃくは売れると勘違いしている御仁のなんと多いことか。世間知らずというか。 素人の書く本の売り上げなんて倉庫代にも満たないということを知るべき。 でも契約どおりの数を刷らないのは完全に詐欺でしたね。
MIKO  21:04 12/10 2008
新風舎の共同出版がそういうものだとは知りませんでした.多くの人にとって自分の本を出すというのは夢だと思います.やっぱり全国の書店に並ぶというのは宝くじにあたるようなものだったんですね。世の中そんなに甘くないなあと改めて感じました。
かんちゃん  05:54 11/29 2008
このページを初めてみました。私も新風舎で自費出版しました。普通の叔母さんが本を出すことができて良かったと思っています。でも、私詐欺にあったのかなーと今も悲しい惨めなきぶんです。出版したことは後悔してないのに惨めなきぶんです。これから本を書いたらどこへ持っていけばいいのでしょう。どこの出版社も信じられない気分です。どなたか教えてください。
みーおばちゃん  18:18 02/18 2008
トミーさんちょっと誤解。電話やFAXしてません。 書店のFAXに多数の出版社から売り込みのFAXが来ている。どの本を仕入れるかは書店の勝手。置いても売れないと思われるのなら著者の負け。 バッグに入れて出かけ、知らない人とおしゃべりのついでに「私、本出したの」と言って買ってもらったのは倒産してからの事。
トミー  15:24 02/15 2008
みーおばちゃんも電話とかFAXして頑張っていますね。そういう頑張りが自費出版の場合必要です。 僕も一生に一度本を出したい子供の時の念願がと出したので印税収入もあてにしていません。 自分の本、一人でも本を買ってくれたら図書館で誰かが読んでくれる人がいたら そんな気持ちですから倒産は残念ですが冷静でいられます ただ、一度は絶対納得ある説明会をするのが社会倫理と思います。
みーおばちゃん  03:46 02/14 2008
このページの存在、昨日初めて知りました。私のはエッセイですから賞金とか印税とかに興味はありませんでした。紀伊国屋さんに新風舎の本の質問すると220冊有りとの返事。近所の書店でFAXから新刊案内が溢れているのを目撃。置いてくれた書店のリストの店に行ってみた。13冊の平積もあった。
トミー  22:50 02/13 2008
被害に遭われた方は出版社での費用の提示があいまいですね。 自分でどれぐらいかかるかわからない面もあるでしょうが 用紙代・デザイン費用・印刷費・広告販売費・倉庫在庫費・出版に伴う出版社人件費などをあらかじめ調査して置く、ネットで相場を知るなど、他社にも応募して比較するなど、以上の費用を合計して提示された金額が高いか、安いかを調べることが必要ですね。 倒産しても会社は責任を負うべきでしょう