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長井さんが伝えたかったビルマの現状 人権意識低い日本外交
会場では長井氏がイラクで撮影した映像が上映された

 10月4日、ミャンマーの軍事独裁政権に反対するデモを取材中に治安部隊によって射殺された長井健司氏(50歳)の遺体が帰国。前日に都内で開かれたビルマの現状を共有する集会では、長井氏が撮影した映像も上映され、会場には約200人が詰めかけ満席となった。日本はかつて、数千人を殺してきた軍事政権をいち早く承認。円借款や無償協力など6千億円超も拠出してきたが、日野のトラックが兵士の輸送に使われるなど、軍事政権を延命させてきた。日本が人権侵害をやめるよう求めれば影響力は大きい。

 会合は、日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)の主催で、題は「ミャンマー(ビルマ)情勢緊急集会~これまで何が起きてきたのか」。長井さんが伝えたかったビルマは、どういう国で、日本の外交に問題はないのか。集会を通じて、天然ガス開発の利権や人権感覚の欠如などから、ビルマの不幸を見殺しにしている現状が明らかとなった。


【Digest】
◇「誰も行かないところに行かなければ…」
◇マスコミは現地に入らない
◇スーチーパパ暗殺、軍事独裁政権続く
◇制裁でビルマの人たちへモラルサポートを
◇軍政フレンドリーな日本政府

◇「誰も行かないところに行かなければ…」
 長井氏が契約していたAPF通信社(山路徹代表)は、1992年に設立された紛争地帯専門のニュース通信社。APFとはAsia Press Frontの略称で、現在6名の契約記者がいるほか、仕事単位でフリーランス・ジャーナリストとともに仕事をすることもある。

軍に逮捕され拷問された経験を話すビルマ政治囚支援協会日本支部代表でビルマ学生連盟日本支部代表のポーンミントン氏。  

 

 

 

 世界の紛争地帯の現場を取材して、その映像やリポートをテレビ局に提供する。同通信社の取材は、いわゆる“公式的”なものばかりでなく、現地の人びとの中や、対象地域の奥深くに入る。安全のためにも今現在どの地域で取材をしているかはここでは明かせない。

 代表の山路氏自身、バルカン半島の内戦をはじめ、様々な紛争地の現地リポートを続け、最近でも同通信社メンバーが、イラクやアフガニスタンの取材をしている。

 長井氏は、これまでアフタニスタンやイラクなどを取材。タイでHIVに感染した子どもについて伝えたこともある。彼をよく知るひとは「誰も行かないところには誰かが行かないと」と、口癖のように言っていたという。

 集会のはじめに、長井氏がイラクで撮影した映像が流された。難病にかかったイラクの子どもにオムツを持っていくところや、戦争被害を受ける住民の生活などが、映し出されていた。

◇マスコミは現地に入らない
 長井氏の「誰も行かないところへ…」という言葉が、戦場取材をするジャーナリストの仕事を一言で表している。イラク・アフタニスタン、そして私も現地で取材したチェチェンなどで戦闘が起きているとき、テレビ局社員や新聞記者(つまり大マスコミの正社員)が現場へ行くことは極めてまれである。記者本人が望んでも上司に許可されないことも多い。「報道すべきだ」と取材を強行する社員ジャーナリストは、極々少数派だ。

 また、紛争地帯では、軍の誘導で取材を指示されプロパガンダ的役割をマスコミが担うことも普通である。たとえば陸上自衛隊がイラクのサマワに派遣されたとき、防衛庁(当時)はマスコミ各社に誓約書を書かせた。

 死傷者が出た場合など人数を報道するな、など事細かに書いた“軍の命令書”にマスコミ各社が全面屈服。その結果、テレビ局正社員による現地報道の多くが、自衛隊のプロパガンダになっていた。陸自が撤退するときには、映像や写真を撮影しようと集まった報道陣を自衛隊員がバスの中に監禁し、撮影させなかった。

 こうした報道統制や妨害をかいくぐって現地の生々しい肉声を伝える主要な役割を担うのは、長井氏のような既存マスコミに属していないフリーのジャーナリストたちである。重要な役割だが、世間一般には注目されず、今回のように死亡したり事故を起こしたときだけ世の中の人の目に留まる。

 集会で発言した人は、すべてビルマ(現ミャンマー)の取材経験のあるフリーランス・ジャーナリストや研究者だった。生命までかけて長井氏が取材したビルマでは、今まで何が起き、日本の外交は適切といえるのか。

 なお、発言者は全員ミャンマーではなく「ビルマ」という国名で語った。なぜなら、1990年の総選挙で、民主化を推進するNLD(国民民主連盟)が圧勝(485議席中392議席)したのを無視した軍事独裁政権(非合法政権)が自称する国名が「ミャンマー」であり、現地をよく知る人はミャンマーを認めていないからだ。

◇スーチーパパ暗殺、軍事独裁政権続く
ビルマ内戦を長期取材した吉田敏浩氏(ジャーナリスト)
 1977年から民族解放戦線ゲリラの解放区の取材を始め『森の回廊ービルマ辺境民族解放区の1300日』(NHK出版・大宅壮一ノンフィクション賞)の著者、 吉田敏浩氏 による集会での発言および記事(地球市民ジャーナル90年9月号)によると、以下のとおりだ。

 ビルマは40以上の少数民族から成り立ち、1886年にイギリスによる植民地支配が開始。第二次大戦中は日本軍が侵攻し、ビルマ独立義勇軍を支援している。

 独立運動の指導者であるアゥン・サン将軍(現在の民主化運動の指導者アゥン・サン・スーチーの父)は1947年、少数民族各派に対し「共に独立しよう。自治権を認めた連邦制にし、独立10年後、もし望めば分離独立できる」と「パンロン協定」を結び、ビルマ連邦憲法に自治権と分離独立権が明文化された。ところが協定締結5ヵ月後、アゥン・サン将軍は暗殺された。.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



上智大学教授の根本敬氏(ビルマ現代史)

 

 

 

 

 

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むらしん  17:39 10/27 2007
やっぱね、社員記者が紛争地帯に行かないでフリーから情報を買うなんてのは論外。フリーが貧乏しながら取材して、新聞社もテレビ局も高給取りっていう構造自体問題。報道機関は自分の足元から改革しろって言いたいね。でも、そういうところが小賢しいのが報道機関。偉そうなこと言う前に自分の足元見ろよって思うね。
内部監査員  12:48 10/08 2007
これはショッキングなニュースの一つでした。私達は現実を直視し冷静に考えなければならないと実感させられる記事です。一人の人間としては「利益か生命か」と問われれば当然「生命を重んじます。」と答えるに違いないのに、組織の選択は必ずしもそうではないのことが多いのです。国を超えて民族を超えて、全ての人が考えねばならない重要な問題だと感じました。真実は語られねばなりません。
記者の問題。  09:42 10/08 2007
昔は記者も危険地帯を取材していたのは事実ですが、何かあった時に使用者責任が問われるので、「会社としては行かせない」「フリーランスの記者から記事を買う」といった事が常になっているのでしょう。
記者にしても、単身ならともかく家族や遺族がいますからね。
昔は・・・  21:57 10/07 2007
 新聞記者も危険地帯を取材してほしいですね。昔は取材していたのではないですか?本多さんとか。
てつ  06:09 10/06 2007
「ミヤンマー」の事情が良く分かる良記事だと思います。