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10/09 2010
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35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書』。タイトルも副題も帯文も帯の背景写真も、僕が考えた案を採用して貰った。ちくま新書を選んだのもデザインが圧倒的に洗練されているから。従って、僕の美意識のなかでは、この表紙は、まさに「完璧の出来栄え」と言える。なんと美しいパッケージであろうか。

 

 本が出ると、本当に並んでるのか、売れてるのか、気になるもんなのさ。なにせ、たとえば大学教授や経営者が片手間で、オマケや趣味のノリで本を出すのとはワケが違って、物書きを本業としている僕にとっては、これが全く受け入れられないなら死活問題であり、何のために仕事してんだよ、という話にもなるわけで。

 だから発売日には本屋に行くんだ。まず、品川インターシティの「くまざわ書店」。ここは店頭入り口の嫌でも目に入る目立つところに、発売と同時に新書を並べる店なので、反応をダイレクトに知ることができる。さっそく、発売日(7日)の夕方に行った。

 いきなり見当たらないので書名を伝えて店員に尋ねると、「売り切れた」という。

 「いや、今日が発売日のはずなんで、あるはずなんだけど」

 「あ、うちは昨日の昼から店頭に出してますから。5冊ずつくらい入って。ほら、これも1冊しかないでしょ。来週、また入ってくる感じだと思います」

 確かに、同時発売の5作品のうち『電子書籍の時代は~』も見当たらないから、それも売り切れた模様。あとは3冊、3冊、1冊と残ってる。なるほど1日余りのうちに、そのくらい減るもんなのか。だったら、もっと入れればいいのに。でも、ちょっと嬉しい。そういうもんなんだよ、著者は。

 今回、はじめて新書というパッケージで出したのだが、ちくまは毎月、5作を同日発売する。で、通常、1つの書店では同じ冊数が同じ場所に並べられるので、露骨に、明らかに、売れ行きの差が見てとれてしまうのだ。

 単行本だと、いつ発売されたかも知れぬ隣の本との減り方の差なんて気にならないけど、この“減り方競争”は新書ならではで、面白くもあり、冷徹な現実を突きつけられる場でもあることが分かった。

 というわけで、ますます他店での状況が気になるのだった。

 汐留の2店(リブロ、芳林堂)は誰も気づかないような新書コーナーにひっそりと5冊、2冊ずつ並べてあり、いずれも1冊ずつしか減ってなかったが、他の4作品も減り方がゼロか1かで差がつかず。せめて新書の新刊コーナーにヒラ積みにしてくれないと目に入らないんだな、これじゃ。

 仕入れ数が多そうな大型店に行こう。

 銀座ブックファーストへ。ここは10冊ずつ入ったらしく、9冊も残ってた。他の4作も似たり寄ったりで、10冊丸ごと残ってる作品もあった。冷酷な現実である。ま、でも、誰も好き好んで「ちくま新書」のコーナーなんて行かないからね。そもそも僕のは、銀座で売れる本じゃないし。思ったとおりだ。

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三省堂有楽町店。箱の上に6冊残ってた。

 

 

 有楽町の三省堂へ。ぱっと見、あんまり差がついてないな、と思ったが、さにあらず。『快楽の効用』は19冊残っている一方、『デジタル時代の著作権』は残り9冊になっていた。つまり、20冊ずつ入った、というわけだ。

 そして僕の本は・・・上げ底のための紙箱の上に、6冊残っているだけで、一番減っていた。つまり2日間で14冊売れたわけか。売れすぎても『バカの壁』みたいでダメだし(想定読者層から外れる)、このくらいが「いい売れ方」といえる。よろしい。いい子だ。納得。

 僕の本は売れる場所が決まっていて、東名阪、なかでも首都圏の中核都市。とりわけ渋谷、恵比寿、品川、有楽町、池袋、新宿など、都内で若手サラリーマンがたくさん徘徊してる本屋である。逆に、地方都市でグリーやモバゲーにハマっちゃってるようなガテン系が多い街道沿いの本屋では置くだけ無駄。地方では全然減ってないんだろうな…。

 だから、最初から強弱つけて配本して集中投下すれば売上を最大化できる訳だけど、出版業界はマーケティングの概念が幻冬舎を除いて欠落している。だから旬を逃して本が売れないんだろう。僕の本も情報は日に日に古くなっていくわけで。

 というわけで、新書特有の「減り方競争」見物、という楽しみ方が分かったのだった。

 今回、売り場を歩いて改めて思ったのは、日本の新書マーケットというのは、とんでもなくよくできてる、ということだ。800円前後という超安価で、コンパクトに情報が詰まった美しい装丁に、趣向を凝らした鮮やかな帯までついた本が、これだけのペースで、こんなに大量の点数が踊り出て所狭しと並び、減り方競争を繰り広げる。

 こんなレベルの高い国って、ほかにありえないだろう。究極まで来てしまっている、と感じる。紙市場がこれだけ完成度が高いと、電子書籍に、これを越える魅力を感じさせるのは難しそうだ。もう、おなか一杯、という感じ。

 正直、著者としても、こんなに時間と労力をかけて作った作品を800円余りで売っちゃっていいのか、というくらいの思いがある。そのくらい、日本の新書というのは、お買い得だと思う。  

 
01:01 10/09 2010 | 固定リンク | アクセス数(1088) | ブログトップへ | <<前へ | 次へ>> 

コメント
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kuma  14:04 10/10 2010
間違えた。株はトレードしてないわ。為替ね。
通りすがり  23:20 10/09 2010
ヨドバシAkibaの有隣堂では目立つ場所で平積みになっていましたよ。ここも若手サラリーマンが多く、ビジネス書が充実した本屋です。
@  11:53 10/09 2010
発売おめでとうございます。まるでわが子を送り出す親のような心境なのでしょうか。amazonで購入しようと考えています。でも、本屋を何件か覗いてちくま新書コーナーに足を運んでみようと思います。
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渡邉正裕(WATANABE Masahiro)
(株)MyNewsJapan代表取締役社長/編集長/ジャーナリスト。ほぼすべての主要企業内ホワイトカラーに情報源を持つ。現役社員への取材に基づき企業の働く環境を一定基準で評価する「企業ミシュラン」を主宰。日経新聞記者、IBMのコンサルタントを経てインターネット新聞を創業、3年目に単年度黒字化。
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