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勝つか負けるか!武富士裁判を占う 銀座の母「お金返さなくて訴えられたの?」
「銀座の母」のオフィス

 40歳独身、金なし、4畳半暮らし。「勝ち組」にはほど遠い貧乏ジャーナリストが、消費者金融の武富士に名誉毀損で1億1,000万円で訴えられて3年半になる。この9月22日には武富士への反撃訴訟(東京地裁)の判決が出る。マスコミでも有名なカリスマ占い師3人に、「武富士裁判の行方」と、「私に明るい未来はやってくるのか」を占ってもらった。

【Digest】
◇訴訟を悪用した言論封じ
◇占いは女の風俗?
◇成人式でボコボコにされたあの事件
◇武富士と貧乏記者の深い関係
◇本日のオトコ第1号
◇本当のこと書いたんならいいじゃない
◇話は芸能情報に脱線
◇占いなのか、世間話なのか

◇訴訟を悪用した言論封じ
 「1億1000万円払え!」
 週刊誌『週刊金曜日』に連載した記事が名誉毀損にあたるとして、消費者金融大手「武富士」から損害賠償訴訟を起こされてから3年半。最高裁での完全勝訴を経て、筆者側から武富士と武井保雄・前会長(今年8月に死去)を相手に起こした反撃訴訟の一審判決が、9月22日午後1時10分から東京地裁631号法廷で言い渡される。

 訴訟を悪用した言論封じの責任が認められるかどうかもさることながら、自他ともに認める貧乏ジャーナリストとしては、「この稼業いつまで続けられるのか…」という将来の展望がもっとも気になるところだ。

 独身、金なし。木造4畳半一間暮らしから改善の目処なく、不況風におののく40歳。

 「三宅さんは、サラ金や自殺とかから離れて、ちょっと別のこともやった方がいいと思うな」

 さえない中年オトコに、そうアドバイスしてくれたのは、マイニュースジャパンでもおなじみの編集者、山中登志子さんだ。

 「そうそう。占いなんてどうかしら?今度の武富士判決を占ってもらいましょうよ」

--占い?

 グレーゾーンがどうとか、利息制限法とか、難しい話ばかりで硬直した頭脳には、とてもできない発想である。

 幼少のころ父親によって易者に連れて行かれた記憶がかすかにある。

 「三宅さん、じゃあ、まずは“銀座の母”からね」

--銀座の母?

 この言葉からして、ついていけない。

--なんですかそれは、山中さん?

 「テレビでよく出ている有名な占い師だよ。テレビとか見ないの?でも、銀座の母は朝から並んで整理券もらわないと見てもらえないらしいわ」

--朝から並ぶ? 整理券をもらう?

 わけが分からなかった。

◇占いは女の風俗?
 山中さんから、メールで銀座の母のデータが送られてきた。
 ホームページを見ると、銀座の母の名前は、横田淑恵さん。銀座の街頭で25年間ずっと年中無休で鑑定を行ってきて、2年前にオフィスを構えた。テレビなどにかなり出演しているカリスマ占い師らしい。

 朝7時から整理券をオフィスで配布する、だって?
 1日に40人程の鑑定をするのが精一杯だからだそうだが、なんともすごい。

 「四柱推命、手相、人相、ホクロ占い、十二支占い、九星占い」等で、総合鑑定をしている、とあった。総合鑑定3,500円。

 「三宅さん、生まれた時間も、きちんと聞いてきてね」と山中さんのメールにあった。

 そして、“占い作戦”を決行したのは、それから数日後。午前6時に起床、眠気をこらえながら電車に乗り、JR新橋駅を降りて地図を頼りに目当てのビルを目指す。大通りを曲がり、ひと気のない道を少し行くと、ビルの一角に行列ができているのが目に留まった。

 奥の戸に「銀座の母」と大書きされている。これだ!

 行列は5、6人はいるだろうか。若い女性ばかり。案内役らしい中年の男性が怪訝な顔つきでこちらを見た。思わず反射的に目をそらして、行き過ぎた。女性だけが並んでいるところにひとりで行くには、勇気がいる。

 何度か行ったりきたりするうちに、山中さんが現れた。ほっとして、近づく。もらった予約番号札は「20番」。占ってもらうのは、夕方5時半ごろになる、と案内役の男性が言う。

 「女性ばっかりでした。恥ずかしくてひとりでは並べませんでしたよ」

 そう感想を述べると、占いの“先輩”はまじめな顔をして答えた。

 「占いは、女の風俗なんだから」

◇成人式でボコボコにされたあの事件
 さらに山中さんは続けて言った。
 「三宅さん。占いは、近未来を当てるかどうかだよ。だから今度の武富士裁判のことが当たるかどうかは、大きなポイント。でも、三宅さんがボコボコにされた過去のことも当たるかな?これは、占いジャーナリズムなんだから(笑)」

 ”先輩”は、筆者の過去と未来を、「風俗だ」という占いを通して、楽しんでいるように見える。

 筆者と武富士とのかかわりについて、少し説明しておこう。

 5年ほど前まで、筆者は『山陽新聞』(本社・岡山市)という地方新聞社で、のんびりと新聞記者をやっていた。その新聞社を辞めて東京に来たのは、2001年1月に高松で起きた「荒れる成人式」事件がきっかけである。

 祝辞を読む市長の顔面に向けて、若者数人がクラッカーを発砲した。若者は後に逮捕され、全国ニュースになった事件である。

   実はこのとき、逆上した若者たち5、6人に囲まれて殴る蹴るの暴行を受けて負傷した新聞記者がいて、それが筆者なのだ。「写真撮るな!」といきなり殴りつけられて、眼鏡が吹っ飛んだ。視力0・01以下では、応戦しようがない。ひたすら防御あるのみ。

 床に倒され、うずくまって頭を抱える筆者に向かって、若者グループは執拗に暴行を繰り返した。殴る、蹴る。最後は後頭部めがけて革靴のまま飛び蹴りを加える始末。周囲で傍観する女のひとりが、悲鳴を上げたほどだ。

 こいつら手加減を知らない、と思った筆者は、死んだフリをした。それを見て、若者たちは怖くなったのか、逃げていった。現場には、割れた一升瓶が散乱していた。

 集団暴行は衆人環視の中で行われたにもかかわらず、香川県警高松北署は犯人を探し出すことができず、事件はうやむやになっている。

 この事件直後、筆者は不眠などの症状に陥り、「急性ストレス障害」と診断された。生命を脅かされるようなショックを受けると、誰にでも起こりえる症状なのだ、と医師に説明された。

 筆者は主治医の指示に従って、2ヵ月間、休職した。その後、労災申請を行った。労災は、退職後に認定された。

 ところが復職してまもなく、筆者は取材部門からはずされ、閑職に追いやられた。ある社会部デスクが苦々しくこう言ったものだ。

 「お前、なんで休んだんや?会社はそういうのを嫌うんじゃ。相当頑張らんと、編集には戻れんぞ」

 『山陽新聞』は筆者が2ヵ月休んだことが気に入らなかったようだ。(労災認定の際に)年休どころか土日祝日もまともに休めない。そんな劣悪な労働環境について当局に告発したことが気に障ったのかもしれない。

 PTSDで労災なんて、前例がなかった。前例がないことをやれば嫌われる。それが田舎新聞の持つ保守体質だった。

 記事が書けない部署に甘んじるか、それとも辞めてフリーでやってみるか。迷った挙句に選んだのが、東京行きである。成人式で殴られていなければ東京に来ることもなかっただろう。妙な因果だ。

◇武富士との貧乏記者の深い関係
 田舎から東京に出てきた筆者が頼りにしたのが、あるテレビプロダクションだった。そこでヤミ金融の番組を作るようになったのだが、取材に行く先々で、必ずこう言われた。

 「ヤミ金とサラ金は一体の問題なのに、どうしてマスコミはサラ金を取り上げないんだ!」

 もっともな話だったが、当時の民放はサラ金広告漬け。とてもサラ金を批判する企画など作れるはずもない。ならばと、記事の企画として持ち込んだのが『週刊金曜日』だったといういきさつだ。

 2002年ごろと言えば、武富士が貸付残高「No1」を誇り、ダンサーズのCMも健在だった。幼稚園の発表会で、テーマソングの「シンクロナイズド・ラブ」を園児に踊らせた話もあるほどの人気。

 だが、一方で強引な取り立てや貸し付けをめぐって多数の問題が噴出していたことは、弁護士らの共通認識だった。事実、関東財務局には年間1,000件近い苦情が寄せられていたという。

 02年10月には弁護団「武富士被害対策全国会議」が結成されたが、『中日新聞』を除いて、大手メディアはこぞって黙殺する。メディア対策が露骨にされていた、その効果だった。

 筆者は、03年2月から5月にかけて、『週刊金曜日』で「武富士残酷物語」など3本のルポを連載した。息子の債務を保証人でもない親に払わせる強引な取り立てや、罵声の中でノルマ達成を迫られる社員の証言、書類を改竄して債務を水増しするなど、高収益の内幕を告発する内容だ。

 武富士より反応が早かったのが、テレビだった。連載が始まると、所属していたプロダクションの社長の機嫌がとたんに悪くなり、ついには辞めさせられた。

武富士は2003年3月14日に損害賠償5,500万円を求める名誉毀損訴訟を、筆者と『週刊金曜日』に起こした。原稿料をはるかに超える23万7600円もの印紙代に目を見張った。
 武富士からの訴状は、無職同然となったところに届いた。代理人は辣腕で知られる弘中惇一郎弁護士。記事は「事実無根」「虚報」で名誉毀損だから5500万円を払えという。

 訴額は、まもなく1億1000万円にはねあがり、名誉毀損の対象も記事のほぼすべてに拡大された。

 これ以後、仕事より裁判が中心の生活になってしまった。わずかな原稿料を糧に、貯金を下ろしながらの耐乏生活だ。

 裁判の争点は15に及んだ。それを1年半かけて審理した結果、東京地裁は04年9月16日、武富士の請求をすべて棄却した。同社は東京高裁に控訴したが棄却。05年6月に、最高裁で武富士側敗訴が確定した。

 筆者と『週刊金曜日』の全面勝訴である。うれしかったが、よく考えれば「1億1000万円を払わなくていい」というだけのこと。そのためにどれほどの労力と時間とお金を使ってきたことか。考えれば、だんだん腹が立ってくる。

 金の力で批判封じをしようとした武富士に、一矢報いたい。そんな思いから起こしたのが、この9月22日に判決が出る「反撃訴訟」である。04年6月、筆者と『週刊金曜日』は計2750万円の損害賠償と謝罪広告を求め、武富士と武井前会長を相手に訴えた。

 審理に2年間かかったが、武井氏の証人尋問はおろか、陳述書すらも出てこなかった。そして先日、亡くなってしまった。武富士でオイシイ目をしたのは誰なのか。武井氏に聞きたいことは山とあるだけに、“ドン”の早すぎる死は、返す返すも残念である。

 筆者にしてみれば、たまたま東京に来て出合ったテーマが、武富士だった。気が付けば、4年半になる東京暮らしのうち、3年半も武富士と向き合ってきたことになる。

 勝つか負けるか。9月22日の判決は、生活を掛けた4年越しの武富士との闘いに、ひとつの決着をみる日なのだ。

◇本日のオトコ第1号
待合室に男性一人。15歳で出産したシングルマザーの本をめくってみるが、頭に入らない。せめて漫画本でもあればいいのに…
 ”銀座の母”に戻る。
 それにしても、占いがこんなに疲れるものだとは知らなかった。早朝から並んで“診察”は夕方。午後5時過ぎに出直してきて、もう2時間も待っているだろうか。待合室は女性ばかりだ。

   向かい側で、山中先輩は、隣の女性と和やかに話している。
 「悩みがなくて、占ってもらうのがいちばんいいですね」と山中さんが女性ににこやかに言っている。

 こちらは、どうも緊張して居心地が悪いことしきり。テーブルにある女性誌や“母”を紹介した切り抜きを何度も眺める。15歳で子どもを生んだシングルマザーの自伝も読んだ。

 切り抜きの記事などによると、銀座の母は、浅草の洋服屋で働いていた当時、よく当たると評判の占い師にみてもらったところ、「あんたは霊感が強い。勉強すれば自分よりすごい占い師になれる」と言われ、占い師修行をはじめた。

 あるとき、銀座の母も驚くほど、素晴らしい手相の持ち主がいた。「あんたは必ず成功する」と言い切った。しばらくして、東京ディズニーランドが開業。彼はその社長だった、とあった。

 待合室では、隣から“母”の早口の声がまる聞こえだ。“患者”は20歳代の女性。

 「あんた、いまの彼氏と別れなさい!」
 「え…」
 「結婚しようって言ってないでしょ。ヤリたいだけなんだ。あんた、男見る目ない。遊ばれている場合ではない。ここに出ている。結婚したいなら、さっさと別れて見合する…」
 「でも…」
 「これだけ言ってもわかんないかね。不幸にしたくないから言っているんだよ」

 占ってもらった女性は、ぶすっとして椅子に座って、次に見てもらっている友だちが終わるのを待っていた。

 「悩みがない」と先輩に言っていた女性も、めった斬りにされていた。

 ボロクソにやられるのか、戦々恐々とするうちに、順番がやってきた。筆者は本日のオトコ第1号。女性たちが聞き耳を立てている中で生贄にされることは間違いなし。

 覚悟を決めて“母”の座るテーブルにつく。まず3,500円を渡す。

◇本当のこと書いたんならいいじゃない
 「はいどうぞ…年何歳かな?」

 “母”は存外に優しい。
--40歳です

 「生年月日は?」

--昭和40年9月21日…

 「ちょっと右手を…」
 “母”は筆者の右手を取り、丸まったティッシュで汗をふきながら虫眼鏡で覗き込む。沈黙が流れる…。母はやおら尋ねた。

 「きょう聞きたいこと何?」

 「カリスマ占い師と言われている人が、武富士とのことや、三宅さんの事情を言い当てることができるかしら?三宅さん、できるだけ、できるだけ、リッチな格好をしてきてね。いや、面白そう(笑)」

 ”先輩”にそう言われて、一応それなりに努力はしたつもりであった。だが単刀直入な母の尋問によって、筆者はあっさりと白状した。

--来月おおきな裁判を抱えていて。判決があるんです。わたしの仕事と大きくかかわる。

 「何の裁判?」

--武富士から訴えられて…その…

 言いよどんでいると、母は合点がいったように言った。

 「結局(お金を)返さなかったってわけね?」
 今度は、筆者が説明する番だ。.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



武富士による損害賠償請求額は、その後2003年6月2日の「訴えの変更申し立て」により、1億1,000万円に膨らんだ。

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Tと申します  13:12 09/06 2008
私も男性ですが、数ヶ月前に銀座の母に占ってもらいました。 あの人は、なんなんのでしょうか。まず、世間話、その内容が今度金スマにでる。芸能人の誰々はいい子だ、何だかんだばかり話、感じの占いは中途半端。最悪だった。 もう2度と行きません。
小川  20:52 09/21 2006
山陽新聞で育った岡山出身の私、ボコボコ事件覚えています。まさかその被害者が三宅さんとは!!
「本当の事かいたならいいじゃない」そうですね。本来ならそうなんですけど。「本当のこと」が、力により本当のことでなくなるこの世の中に渇!!負けんで~!!武富士もアイフルにも渇じゃ!!
う~  20:52 09/21 2006
「調停問題に詳しい司法書士の水谷英二さんは、『不勉強な調停委員や書記官が業界寄りの決定を出すケースは少なくない』と指摘する。」(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060920-00000019-mai-soci)

三宅さんが勝ちますように・・・。(占いじゃなくて祈り(笑))
やっぱり  19:41 09/21 2006
TVのCMと企業の実態とは何ら関係がないのですね。チワワを使った可愛らしいCMを流していた同業他社が、臓器を売れだのと強引な取り立てを行い、社会問題化した事件の報道がありましたが、それを知ったオバチャン達が「騙されていたわ」とコメントしていたのが、ほほえましくも笑えました。
リスが音楽を聞いているCMを流してる会社なんかも実は酷いらしいですね。
裁判官の心象  19:27 09/21 2006
で判決内容を左右出来る余地がなければ、あまり無茶は出来ないのでしょうが、あれば、恣意性の介入の余地が残ります。時に、裁判官は無謀とも思える恣意性を発揮しますよ。買収の疑いを抱く程に・・。
司法の常識が一般社会の常識から乖離している面もあるそうです。
武富士は  10:25 09/21 2006
他にも、幹部らが同社に批判的な記事を書いたジャーナリストらの電話を盗聴するなどした事件で、故武井前会長が電気通信事業法違反と名誉毀損の罪に問われて、2年程前に東京地裁が懲役3年執行猶予4年の判決を言い渡していましたね。盗聴行為が常習的に行われていたとか。
裁判官は、消費者金融=悪徳業という図式で嫌ってそうですからね。しかし、高裁ではまた違った判決が出てるかもしれませんね。
占いなんて  09:46 09/21 2006
当てずっぽうでしょ。何の根拠もない。ただ、人間観察眼や耳年寄りな人生経験を持った人のアドバイスには、それなりの的確さはあるのかも。あくまで最終的な判断は自分の責任で行うしかないですが、参考にはなるかもしれませんね。