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01/01 2015
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アマゾンの“カビつきマットレス”は秘密主義で原因不明
 アマゾンの記事はずいぶん読まれているが、冒頭の「amazon.co.jpで商品を購入しても、配送業者を教えない、出荷されるデポの場所すら教えず『企業秘密』を貫く」について補足しておこう。

 3~4か月ほど前、アマゾンで、ほぼ同じ時期にマットレスを2つ購入したのだが、1つはパッケージを開けるといきなり黒カビが生えていて使える状態ではなく、その日はフローリングで寝ざるをえなかった。

 もう1つは、なぜか外箱がない状態で送られてきて(量販店に並んでるまま、ビニール1枚被った状態)、ホコリまみれだった。衛生商品の扱いとして、箱に梱包もせずに送りつけてくるとは、非常識すぎて唖然とした。

 いったいどういうことなのか、アマゾンのコールセンターに電話して、どのデポから送られて、どの配送業者が関わったのか、という基本的な事実関係を教えるよう尋ねると、「開示しておりません」「企業秘密です」「返品は受け付けています」と事務的な対応をされた。マニュアルがそうなのだろう。責任者に代われと言っても、同じことの繰り返しだった。

 こちらとしては、返品に時間をとられ、スケジュールを狂わされ、迷惑しているのだ。こういうときは、まず素直に事実経過をすべて客に説明して、「すみませんでした、原因を調査して再発防止します」と言えば、それで終わる。他社なら、長くても30分以内に完了するだろう。だがアマゾンは、いくら言っても、ごく基本的な情報すら開示しないので一向に解決に向かわない。

 最後に届けてきた佐川の路線伝票番号をウェブでたどると、市内に入ってからの配送業者が佐川であることは分かるが、その前(デポ~市内までのほうが距離は長い)が不明なのだ。その不明なところで問題が起きていて商品がカビたりするわけだから、客が知りたいのは当然である。

 私がしつこく聞くと、あとはメールで…と言い出し、一方的に電話を切られた。客に迷惑をかけておいて、最低最悪の対応だ。購入済みの商品が、どこからやってきて、どの業者が配送に関わるのか、など、他社なら2つ返事ですぐに答える。

 いったい、このアマゾンの異常な秘密主義は、なんなのだ?顧客満足(CS)の異常な低さは、どういうことなのか?あまりにも独善的である。

 外箱なしで送りつけてきた件についてメーカー(輸入代理店)側のフラグスポーツという会社に尋ねると、営業責任者だという藤田氏が、最初は「そんなことはありえない、調べます」と言っていたが、次の電話で「調べた結果、確かにアマゾンが箱なしで送っていることが分かりました」と事実関係を認めた。

 そして、「アマゾンには、箱をつけないのなら取引できない、という姿勢で強く言って、今後は、お客様には箱をつけて送付することで合意しました」と報告してきた。メーカーとしては、常識的な対応である。

 おかしいのはアマゾンだけだ。この件をアマゾンのコールセンターにぶつけると、なんと「この商品はそもそもメーカー直送だから、うちは梱包に関与していない」とトンチンカンなことを言い出した。そして、また「電話では答えない」と言い出し、勝手に電話を切った。もうこの会社は、終わってるとしか言いようがない。(※この話はすべて録音済み)

 ようは、オペレーターが訓練されておらず混乱しているのと、「企業秘密」などとマニュアル通りのお役所的な対応を繰り返すだけなのだ。クレーム対応としては、こんなことをしたら客のさらなる反発を食らうだけなのに、頭が悪すぎる。

 記事にも書いた通り、アマゾンジャパンのカスタマーサポートは、仙台と札幌にある。「基本的にオペレーションのことなんて何もわかっていない非正規社員が、大半の対応をしています。正社員は行きたがる人も少なく、人手不足なのです。しかし、その下には、現地で雇用した契約社員や派遣社員がたくさんいます。地域での雇用創出をお題目にしていますが、一般的な潮流にもあるように、要はコストカットの一環です。ここでも、CS(顧客満足)よりもマニュアル重視の姿勢をとっていますね」(元社員)

■公害企業の論理
 いまだにアマゾンは一言の謝罪もなければ、事実関係も隠したままだ。

 中間の配送業者を教えられないのは、誰も聞いたことがないような中小業者を使ってコストダウンしていることがバレるのを恐れているから、と推測できる。衛生商品に外箱すらつけないで送るのは、箱代の削減という、みみっちいコストダウンが目的であろう。

 いったいこの、独善的なコストダウンによる金儲け主義と非常識な秘密主義、電話でコミュニケーションすらできない最悪の顧客対応は、なんなのか?

 そんな疑問から、元社員への取材を始め、これはアマゾンのDNAなのだ、ということがよく分かった。アマゾンにとっては、客がどう感じようが、どうでもよい。顧客の満足は、顧客ではなくアマゾン側が決めるのだ。

 安く、速く、必要なものを届けさえすれば、それで最大公約数が満足するだろう、それ以外は切り捨てよう、という独善性こそ、アマゾンの考え方なのである。

 たとえば、100人のうち1人2人が不満(カビ、箱、配送業者、デポ…)を感じて返品しても、残りの客は、気が付かなかったり、気にしなかったり、返品作業が大変だから泣き寝入りしてしまったりする。それならば、コストダウンした金額のほうが上回るから、やってしまえ、何を聞かれても「企業秘密」で押し通そう、というのが、冷徹な株主資本主義を実践する企業の論理だ。

 これは、10年前に映画化もされた『ザ・コーポレーション』(早川書房)で詳しく説明されている。たとえば自動車メーカーで、一定の確率で事故が起きて人が死んでも、その訴訟で負けて支払う費用よりもコストダウン額のほうが上回るなら、事故が起きやすいことが予め分かっている部品に、冷徹に取り替えていく。すべては数字であり、損得計算なのだ。これは「経済の外部性(社会に負担を押し付ける)」の活用であり、公害企業の論理である。

 私のケースでいえば、返品にかかる客側の時間は二度と取り返せない貴重な時間だから、コスト換算できない損失であるが、そのコストがアマゾンに降りかかってくることはない。社会に負担を押し付けているわけである。

 アマゾンは「我々のやり方に不満があるなら返品すればいい」という姿勢だ。返品したって失った時間は返ってこないのだから、何の意味もない。そんなことは人間ならば、わかる。だが、その犯罪的な独善性に気づかないところが、『ザ・コーポレーション』でも説明されている通り、サイコパスなのだ。従業員は、“組織の人”になったとたん、人格がなくなり、人間的な対応はできなくなってしまう。

 いまだにアマゾンは事実関係の説明もなければ、嫌なら返品しろ、と言うのみ。カネじゃないのだよ。常識の欠落とか、時間の貴重さとか、一言あやまるとか、事実関係を報告するとか、人間らしい血の通った、ごく当り前の顧客対応を求めているのだ。

 このアマゾンの理念は、働く人たちに対しても貫かれていることが、取材してよくわかった。「アマゾンジャパンは血も涙もない会社でした」「数字でしか見ない」と元社員が言っていたが、まさにその通りだ、と思った。サイコパス(精神病、人格障害者)に人間らしい対応など求めても無理である。

 アマゾンは日本の(世界中の)小売り業を効率化し前進させてきたリーダー企業であり、社会にポジティブなインパクトを与えてきた面も、確かに大きい。書籍の当日配送など、評価すべきイノベーションを成し遂げてきた。私もその恩恵を受けてきた1人であることは疑いない。

 アマゾンは既に日本市場でダントツのシェアを持っているわけだが、本や電化製品くらいならまだしも、マットレスのような衛生商品を、カビた状態で送ってきたり、箱なしでゴミまみれで送ってきて、文句を言うと電話を一方的に切って平然としているサイコパスな組織であることも、よく知っておくべきだろう。

 「衛生用品やら家具やら、近年、取り扱いを始めたばかりのものは、まだノウハウが不十分なのでしょう」(元社員)とのことだが、客への迷惑を全く顧みないコストダウン&徹底した秘密主義は一貫しており、今後も変わらないだろう。

 サイコパスだからこそ空気を読まず前進できる、という点もあろうが、みなさんも消費者として、サイコパスがのさばり過ぎる社会のリスクも、よく考えてみてほしい。そして、社員として働くことを検討中なら、以下を熟読のうえ、判断していただきたい。

「アマゾンジャパンは血も涙もない会社でした」採用・年俸・評価・PIP…元社員が語る“合理的すぎてブラック”な人事管理

 
07:52 01/01 2015 | 固定リンク | アクセス数(7358) | ブログトップへ | <<前へ | 次へ>> 

コメント
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.  10:26 01/10 2015
以前、カンブリア宮殿という番組にアマゾンのジェフ・ベゾス氏が出演していたはずです。
「地球で最もお客様を中心に考える会社」と説明されていたが顧客至上主義とは何だったんだろう。
日本だけでの対応なのでしょうか。 
.  11:02 01/04 2015
TVでサイコパスなザ・経営者がよっこいしょされるくらいなのであまり驚きません。
他にも給湯器の一酸化炭素が原因で50人以上が亡くなられたが、お客様の使用方法に原因があったとして後々まで公表しなかった大企業もあるくらいです。
何年も前に監督官庁に問い合わせて質問したのですが、給湯器の改造は問題だが、亡くなられた方の人数が多くて問題ではないということを言われました。
utama  14:39 01/02 2015
責任分界点をはっきりさせ、自分が責任を負わない所までには手を出さないというのは、誠実な態度で、非常に欧米流だと思う。
問題の本質は、その責任分界点がぐちゃぐちゃしていたという部分のほう。

相手が責任を負うと明言している部分に内部干渉したり、逆に責任を負わない所まで何故か責任を取らせられる社会のほうがブラック。
ブラック企業を追及するジャーナリズムは、自分側が労働者をブラックに追い込む側になっていないか、再確認してほしい。
@  12:32 01/01 2015
新年あけましておめでとうございます!!
2015年(平成27年)も宜しくお願いします。
amazonでの買い物は今の所、書籍、電化製品、PC用品のみで特に梱包に問題があったことはなかったです。
しかし渡邊編集長のようなマットレスがカビた状態で送られてきたら誰だって怒ると思います。
面倒でもひとつひとつクレーム(メール、電話)も言って地道に改善してもらうのは当然。
ただ一言謝ることが出来ないのは組織として異常。
この事実を広く世の中に知ってもらうことでAmazonが変わってくれる事を期待したいですね。
ココで働け! “企業ミシュラン”

渡邉正裕(WATANABE Masahiro)
(株)MyNewsJapan代表取締役社長/編集長/ジャーナリスト。ほぼすべての主要企業内ホワイトカラーに情報源を持つ。現役社員への取材に基づき企業の働く環境を一定基準で評価する「企業ミシュラン」を主宰。日経新聞記者、IBMのコンサルタントを経てインターネット新聞を創業、3年目に単年度黒字化。
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