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マコトロード、タクシー族の古賀VS献金嫌い野田 福岡7区政治資金明細

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福岡7区選挙区 古賀VS野田 政治献金比較
 自民党の大物議員も大苦戦といわれる09年衆院選。その縮図ともいえるのが、自民党の古賀誠氏と、古賀氏の元秘書で前八女市長の野田国義氏がガチンコ対決する福岡7区だ。政治資金明細によると、古賀氏は土建業者やタクシー業界などから、政治家の特権フル活用で多額の献金を受けとっていた。一方、野田氏は古賀氏とは反対に献金を受けない政治を実践、「政治とカネ」について真逆の立場であることがわかった。有権者の審判はどちらに…。
Digest
  • 「巨象とアリ」の因縁対決
  • 自民党のスポンサーがズラリ
  • 値上げと符号するタクシー献金
  • 「あいさつ代わり」「仕切り直し」「謝礼」節目節目で献金
  • 値上げして収益悪化の都内タクシー
  • 畑を突っ切る「マコトロード」
  • 無人駅に新幹線駅「マコトステーション」
  • 古賀誠を反面教師にしている野田

「巨象とアリ」の因縁対決

次期衆院選では自民党の大物議員でも落選の危機にある。その象徴といえる選挙区が、道路族ドンで自民党前選挙対策委員長の古賀誠氏と、民主党新人で前福岡県八女市長の野田国義氏が対決する福岡7区。

野田氏はもともと古賀氏の秘書を7年間務めた後、93年に34歳で古賀氏の地盤の八女市長に当選。全国最年少市長となり、以来4期16年市長を続けてきた人物だ。野田事務所によると、秘書時代には古賀氏に仲人を頼んだこともある間柄だったが、古賀氏が「船小屋駅」という無人駅(通称・マコトステーション)に新幹線を停車させようとして、野田氏が反対した時から、両者の関係は急速に悪化。ブチ切れた古賀氏は、その後の2005年1月23日の八女市長選で、野田氏の対立候補を応援。この時から2人は完全に袂を分かった状態だという。

そして野田氏が昨年、八女市長を辞職して民主党公認候補になったことで、ついに直接対決と合いなったわけだが、表のように政治資金でみると、まさに「巨象とアリ」の戦い。これでもし大物中の大物、古賀誠氏が一敗地にまみれるようなことにでもなれば、全国で接戦を繰り広げる他の自民党大物議員の行方も、推して知るべし。その意味で、福岡7区は全国の趨勢を占う選挙区といえよう。

両陣営のバックにどのような組織や勢力がついているのかを、政治資金面からチェックしたのが上記一覧だ。以下、それぞれ観ていく。

自民党のスポンサーがズラリ

古賀氏の献金団体の上位は、「日本医師連盟」「全国不動産政治連盟」「日本歯科医師連盟」、そしてトラック業界の「道路運送経営研究会」など、自民党お馴染みのスポンサー兼集票マシンが、ズラリと並ぶ。まさに自民党のなかの自民党といった議員だ。

こんなにも各業界からの献金が多いのは、古賀氏が派閥の領袖で自民党幹事長、選挙対策委員長を歴任する党幹部というだけではなく、「族」議員でもあるためだ。たとえば、こんな役職に就いていたりする。「日歯連」顧問、「自由民主党トラック輸送振興議員連盟」会長、「タクシー・ハイヤー議員連盟」会長etc.。

いうまでもなく各業界団体が献金する理由は、自分たちの都合のいいような政策を通してもらうよう、献金と票を献上してお願いしておき、それを受けて、議員が立法したり行政に圧力をかけて業界の意向に沿った政策を実現していくという、古くからの癒着の構図があるためだ。

例を挙げれば、その典型は、都内タクシー運賃の値上げで見受けられる。一言でいうと、値上げで困る消費者や生活者の意向は反映されない政治である。

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写真上2枚は古賀氏の資金管理団体と政党支部のタクシー献金箇所。写真下は07年12月以降の東京都タクシー売上等実績。

値上げと符号するタクシー献金

東京都のタクシー値上げに至る経緯を要約すると、まず、タクシー業界が公の場で最初に値上げを口にしたのは、2007年4月19日の「物価安定政策会議」の席でのこと。そのとき彼らは、運転手の待遇悪化と燃料高騰を理由に値上げを主張したが、会議に出席した有識者から値上げ反対の声が続出。2回目の会議でも反対が根強かった。

 その後、参院選での自民大敗→安部晋三首相の辞任→総裁選→福田内閣発足と、慌ただしく時は流れて、やっと落ち着いたと思った矢先の2007年10月18日、唐突にタクシー値上げが決定した。

今回調べてみて、値上げの動きに合わせて「タクシー・ハイヤー議員連盟」会長をつととめる族議員・古賀氏に黒いタクシー献金が何度も渡っていたことが新たにわかった。その実態は写真の通り。

この献金は、ちょうどタクシー業界の値上げの動きと軌を一にする。

「あいさつ代わり」「仕切り直し」「謝礼」節目節目で献金

まず3月26日、全乗連は古賀氏のパーティー「古賀誠政経セミナー」のパー券を10万円分購入。これは値上げに向けたアクションを開始しますという「あいさつ代わり」の献金といえる。

驚愕なのは、猛烈にバッシングされた「4月19日」の有識者会議の当日に、タクシー業界の全国組織「社団法人 全国乗用自動車協会」(以下 全乗連)が古賀氏のパーティー「古賀誠政経セミナー」のパーティー券を20万円分購入している点だ。「4月20日」には東旅協が30万円分のパー券を購入している

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写真上は畑を突っ切るマコトロード。写真中が柳川市の休日昼間のシャッター通り。写真下が新幹線が停まる予定の無人駅マコトステーション。(08年3月撮影)。

古賀VS野田資金力比較(献金、パー券、党交付金、その他)。繰越金は5億7千万円対1万円

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