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「露骨な超格差社会」のインド

情報提供
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プリペイドタクシーの受付
 インド最大の都市・ムンバイに着いたときには、日が暮れかかっていた。タクシーで空港からホテルへ向かう。メーター式のタクシーが少ないためか、プリペイド式の事前支払いコーナーがあった。これはこれで優れた仕組みだ。行き先ごとに料金が定額で決まっているからトラブルにならない。逆にいうと、トラブル続出の結果、編み出された仕組みなのだろう。
Digest
  • 厳しいセキュリティー
  • 超階層社会な風景
  • 日本のモールはやはりスゴい
  • ビーフバーガーのないマクド
  • 現地語なのにマイナーなコーナーに
  • スラムだらけのムンバイ

指示されるままにタクシー乗り場へ向かうと、国産「タタ自動車」のタクシーが待っていた。最初から、左側のサイドミラーを省いたモデルのようで、ミラーがついていない。日本では違法で走れないモデルが普通に空港で待機しているあたりが、いかにもインドらしい。This is INDIA、である。

厳しいセキュリティー

ホテルの車留めへの入り口では、タクシーのボンネットまで開けてチェックし、警察犬(?)が車の周りをまわっていた。麻薬犬は有名だが、「爆弾犬」というのもいるのだろうか。ホテルのロビーに入る客の入り口も、空港のごとく荷物のセンサーチェックを受けた。物騒である。

なにしろ、同じムンバイのテロで日本人を含む170人超が亡くなったのは、つい2年前の話だ。最高級ホテル「タージマハールホテル」にテロリストが篭城し、60時間の死闘が繰り広げられたのだという。

当初、ホテルを予約する際、キャンペーン価格が出ていて、どうしてタージのような高級ホテルが安いのだろう?と思っていたが、旅の直前に危険情報を収集していて、その理由がわかった。テロリストが射殺されたホテルなので避けられているのだ。そこに初日から泊まるのは確かに気分が良いものではないので、私もやめておいた。

後で分かったが、映画館でも入り口で荷物チェックがある。コルカタの地下鉄(メトロ)でも、入り口で荷物チェック。国内線を利用する際の空港では、荷物チェックだけでなく、チケットを買う時と空港に入る時にパスポートを見せろと言われる(後に、写真つきクレジットカードでもOKだと分かった)。機内持ち込みの荷物は、センサーを通したものにタグをつけて、わざわざチェック済みのスタンプを押すという念の入れようだった。

超階層社会な風景

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見事なグラデーション

ぐっすり眠った2日目の朝、窓からの風景は圧巻だった。これがインドだ!といわんばかりに、くっきり分かれた階層社会の風景が、そこにはあった。平屋のスラムの横に、低層のアパートのようなボロ団地が整然と10棟ほど立ち並ぶ。そのまた隣には、20階建て以上の高層のこじゃれたマンション。その奥には、超高層のインテリジェントビルが建設中なのだった。

これほど露骨にレイヤーがはっきりしている場所は、日本ではまず見ることがない。なるほど、インドの格差社会はすごいと実感させる、迫力ある風景だった。Amagingである。

ホテルで地図を貰うと、どうやらあの奥に建設中の高層ビルのあたりが、「フェニックスモール」というムンバイで一番デカい最新のショッピングポイントになっていて、「ZARA」や「バーバリー」の店まであるらしい。スラム街の一部を再開発してブランドショップ街をドデン!と作ってしまう無神経さが、インドなのだろう

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上は建設中でもモールは普通にオープン

スーパーに入るのに行列が

マックは、チキンかフィッシュ

「ヒンディー」は1コーナーに追いやられ、8割は英語で書かれた本

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